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挨拶集


平成25年度千葉工業大学学位記授与式式辞


3月22日
ここに平成25年度、学部・大学院学位記授与式を挙行するに当たり、大学を代表致しまして卒業生修了生諸君並びに御列席の御家族・御友人の皆様に対し心よりお祝いを申し上げます。

この春、晴れてこの千葉工業大学を巣立って行かれるのは、学部卒業者1820名、大学院修士課程修了者213名、博士学位受領者5名、合計2038名に及びます。

本日千葉工業大学を卒業する4年生の皆さんの多くが千葉工業大学に入学し丁度1年が経とうとした平成23年3月11日に、東北地方太平洋沖地震が発生しました。この地震は日本の近代社会が嘗て経験したことのない未曾有の大災害をもたらしました。あの日のことは今も皆さんの記憶に残っていると思います。震災から3年、復興に向けた弛まない努力が続けられていますが、未だ26万人以上の方々が避難生活を余儀なくされています。改めて数多くの犠牲者に哀悼の意を表するとともに、今なお辛く厳しい状況におかれている被災者の方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

本学と致しましても、被災された学生・生徒の皆さんへの学費や受験料の減免、被災地域へのボランティア派遣等の支援、研究を通じた復興支援等、大学としての支援活動を震災直後から今日に至るまで行っております。また放射線量が高く人が立ち入ることのできない福島第一原子力発電所建屋内の調査に、本学が開発したロボットを提供し多くの貴重なデータを収集しております。
我々は全世界の人々と共に英知を結集し今後もこの問題に真摯に取り組んで行かなければなりません。皆さんの中にも様々なかたちで復興支援に御尽力された方が大勢いらっしゃいます。或いは震災や復興の状況を見て、大学で学ぶことの意味や大切さを理解された人も大勢いらっしゃると思います。そうした活動や経験を通じて人間的にも大きく成長された皆さんが、今後の復興と日本の発展を支える力になってくれるものと大いに期待致しております。

さて現代社会はグローバル化の時代と言われています。グローバル化というのは、国を介して物事が動く国際化というような単純なものではありません。様々な垣根や境界が取り払われた全地球的な社会の到来を意味します。これからは全地球的に人や企業が活動しないような国は発展しません。競争はますます激しくなりますが、同時に市場も世界規模で大きくなります。ある意味、これは、皆さんの活躍の場、皆さんが力を発揮できるフィールドが大きく広がることを意味しています。しかし、環境破壊、地球温暖化、感染症、食糧、エネルギー、格差問題など、全人類が協力して取り組まなければならない課題が顕在化し、地球規模での持続可能性という視点による高度な協調・連携による解決が強く求められる時代でもあります。

このような時代が到来した一番の要因は、科学技術の進歩に外なりません。最先端の科学技術によって大量の情報が国境を越え瞬時に移動する。その情報に基づいて、人や物そしてお金がダイナミックに動く。これが現代社会の仕組みです。情報を速やかに正しく判断して使うことが、今、そしてこれからの社会を生きて行く人間には欠かせないことになっています。皆さんが千葉工業大学において学ばれたことも、科学技術の進歩に関わること、あるいは科学技術を正しく使いこなす能力の獲得が、重要な目標であったと思います。

皆さんには、千葉工業大学の建学の精神である「世界文化に技術で貢献する」ということを忘れず今後の人生を歩んでもらいたいと思っています。自分には何ができるのか、我々は何を為すべきなのかということを常に真剣に考え続け、そこに見出される課題解決のために具体的に働くこと、そして我々に課された責務である人類への貢献を目指して行動する気概を胸に新たな第一歩を踏み出して頂きたいと思います。

皆さんの中には、会社や役所に入る方もいるでしょうし進学をする方や留学をする方もいるでしょう。いずれにしても、皆さんは千葉工業大学でのひとつの目標を成し遂げ、明日から新しいチャレンジを始めるわけです。今から70年以上前、本学の設立に大きく貢献した人物のひとりに本学の初代顧問である本多光太郎先生がおります。本多先生は鉄鋼及び金属に関する研究を日本はもとより世界に先駆けて実践し、鉄鋼の世界的権威者として「Steel Father」「鉄鋼の父」と呼ばれている金属工学者であり東北帝国大学の総長も務められました。先生は無類の実験好きとして知られ、晴れの日は「今日は天気がいいから実験しよう」と言って実験室に籠もり、雨が降れば「今日は雨だから実験しよう」と言ってやはり実験を行っていたそうです。また大学で実験をして自身の結婚式に遅れたというエピソードも残っています。まさに、目標に向かってがむしゃらに生きた本多先生の座右の銘は、「今が大切」と「つとめてやむな」でした。私はこの言葉を今日の晴れの日に皆さんに贈りたいと思います。どうか志高く今を精一杯生きてください。そして謙虚に常に新しい自分を発見するべく学び続けてください。

諸君の未来が、豊かで実り多いものであることを心からお祈りしています。
卒業生・修了生諸君、本日はおめでとうございます。
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