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2021.12.15

清水主将、堀さん、福田さん 3位入賞の快挙


男子団体〈形〉 全日本大学空手道選手権
表彰式で(左から)堀さん、清水さん、福田さん
表彰式で(左から)堀さん、清水さん、福田さん
 大学空手の日本一を決める第65回全日本大学空手道選手権大会(11月21日、東京・九段の日本武道館で開催)で、本学体育会空手道部(清水拓馬主将ら15人)の清水主将(プロジェクトマネジメント〈PM〉学科4年)、堀颯拳さん、福田麻斗さん(ともに同3年)ら3人が出場した男子団体〈形〉で3位に入賞した。この大会はレベルが高く、理工系大学の上位入賞は異例で、大会関係者も驚く快挙となった。
 昨年の大会は新型コロナ禍で中止に。今回は感染防止対策をとったうえで無観客で行われ、試合の様子は全日本学生空手道連盟によりYoutubeでライブ配信された(https://www.youtube.com/channel/UCuRYr09nQrX1cAzqobI2ohw)。
 大会には全国約230の加盟校中、所属する8地区1団体の予選を勝ち抜いた代表(形は14校)が出場し、男女の形・組手4種目が行われた。本学は全日本理工科系学生空手道連盟代表(1枠)として出場した。
 3位という戦績を、部OB会長の真崎伸一さん(昭和58年、建築学科卒)は「自分の知る限り近年、全国大会での理工系単科大の入賞は記憶にない。素晴らしい結果が出せた」と拍手を送った。
 空手名門大の多くはスポーツ推薦や、インターハイでのスカウトで選手を集めている。清水主将は全国高校選抜大会で優勝した経歴はあるが、千葉工大にスポーツ推薦はなく、強い選手は他大学へ行くのが普通。
 本学で入部した部員たちには当然、学業が優先された。新型コロナのため思うように稽古できない期間もあったが、普段の学業をこなし、研究を進め、空手の時間を生み出しては、長い日には朝7時〜夜9時まで稽古を重ねた。
 出場大学は、〈形〉では帝京大が優勝12回を誇り、同志社大は18年に優勝するなど上位常連校がひしめいている。
 本学の3人は、会場に到着後、コートに入るギリギリまで体を温め、技を極めるイメージをした。緊張してテンポが速くならないよう、技の正確さや動きのズレなど細かい部分を何回も練習したという。本番では3人の呼吸がきれいに合い、同評価の国士舘大と3位を分け合った。
形を極める3人
形を極める3人
3人の話
 清水さん 学生生活最後の空手で結果を残せたことは誇りです。高校以来の後輩2人と団体を組め、感謝しかありません。大舞台でしたが緊張より楽しくて仕方なかった。このチームで3位という結果は自分にとってうれしく思います。
 堀さん 自分の空手人生に何か一つ成果を残せたことがとにかくうれしい。高校時代は補欠で過ごし、大学では必ず勝ちたいという想いを胸に、稽古してきました。試合後、観客席に戻る際、清水主将からそっと拳でタッチしてもらえたことが印象的でした。
 福田さん 清水先輩と最後に結果を残せ、頑張ってきてよかったと思えました。指導してくださった根本敬介先輩(平成15年PM学科卒、全日本空手道選手権で複数回優勝、日本空手協会師範)方に、とても感謝しています。
〈形〉男子団体
 優勝・帝京大(2連覇)▽準優勝・同志社大▽3位・千葉工業大(清水、堀、福田)/国士舘大

角さん YSP優秀論文発表賞


電子回路の新たな評価手法
 電気学会の2021年産業応用部門大会(8月25〜27日、新潟県長岡市のニューオータニ長岡とオンラインとのハイブリッド開催)で、角真輝さん(機械電子工学専攻修士2年、佐藤宣夫研究室=写真)が「降圧型フライバックコンバータの電流経路可視化」を発表し、YSP優秀論文発表賞を受賞した。
 電流回路の劣化や故障は航空機などの大事故の原因にもなる。回路や素子の状態を評価する非破壊解析手法には、ロックイン赤外線発熱解析やX線CT、超音波検査などがあるが、それぞれに問題があるといい、非破壊による新たな電子回路評価手法が望まれている。
 角さんらは、比較的大電力で、故障すると発火が見込まれる電源回路を対象に、半導体部品の磁場計測で電流経路の可視化を狙った。
 佐藤研では、電磁場の逆解析理論を用いて磁場発生源近傍の磁場分布を再構成し、電流経路を算出するサブサーフェス磁気イメージングと電流経路可視化技術がある。だが性能は磁気センサーに大きく依存する。
 例えば、今回実験に使用した磁気センサーの周波数帯域(上限)は1キロヘルツ程度で、スイッチング電源のように内部電流が数百キロヘルツ〜数メガヘルツである回路の電流経路を磁場計測して可視化するのは困難だ。
 そこで角さんらは、パワー半導体デバイスの非線形出力特性に着眼し、高解像度で収録された信号を低解像度に変換するダウンコンバート法を利用すれば、高周波駆動する内部電流経路を既存の磁気センサーのまま計測できることを示した。
 角さんは「受賞を誇らしく、うれしく思います。佐藤教授と後輩たち、両親の厚い支援の賜物で、一人で成し遂げたことではありません。厚く御礼申し上げます」と、感謝を記した文を寄せた。

戸田さん 学生優秀発表賞


オペラ歌手の声道を分析
 日本音響学会は2021年秋季研究発表会(9月7〜9日、オンライン開催)を対象に選ぶ第23回学生優秀発表賞をこのほど、「オペラ歌唱における音高と声道形状に関する検討」を発表した戸田菜月さん(知能メディア工学専攻修士1年、竹本浩典研究室=写真)に贈った。
 竹本研では、音声の生成過程を研究。戸田さんは、医療機器であるMRIを用いて、歌唱中の横隔膜や声道形状がどのように制御されているかを分析している。
 受賞研究は、プロのオペラ歌手とオペラを学ぶ学生の協力を得て、大きく音高が変化する曲を歌唱中の声道形状の変化を動画で記録。この動画から機械学習を用いて声道形状の輪郭を抽出した。
 その結果、高音を歌唱するときには頚椎を後弯させて喉頭軟骨の枠組みを利用していることが分かった。このしくみは従来知られていなかった。また、後弯の度合いはプロでは音高に応じて徐々に増大するが、学生では最高音のみ急激に増大するなどの違いがあり、歌唱技術の習熟度と関係あることが示唆された。
 Zoomの限られた発表時間で音楽用語の説明も必要。知らなかった頃の自分に説明するつもりで資料を作ったという。
 学生優秀発表賞は、音響学会の春季・秋季の発表会で優秀な発表を行った学生会員に贈られる。今回秋季では24人が選ばれた。戸田さんは「私が受賞?と、信じられないような気持ち。同時に、とてもうれしく思っています。竹本教授と研究室の皆さん、支えてくれる家族のおかげです。感謝を忘れず、更に努力していきたい」と語った。

中村研チームが優秀賞


サイトの脆弱性見つけよ!
受賞した(左から)岡本さん、新海さん、釼持さん
受賞した(左から)岡本さん、新海さん、釼持さん
 サイバー攻撃に対し、優れたセキュリティー能力を持つ人材を育てようと開かれる第6回千葉大学セキュリティバグハンティングコンテストが8月3〜9月20日、参加チームがオンデマンド授業を受ける形で開かれ、本学情報ネットワーク学科・中村直人研究室の釼持祥希さん、新海龍二さん、岡本昇さん(以上3年)らのCIT-FourSチームが2位に相当する優秀賞を獲得した。11月16日、千葉大で受賞式が行われた。
 コンテストは、セキュリティーに関わるバグや脆弱性を発見した人に報奨金を支払う「セキュリティーバグ報奨金制度(Bug Bounty Program)」をモデルに、研修を受けた学生たちが対象を調べ、問題あり、と発見する腕を競う。
 主催者運営のウェブサイトや指定されたウェブサイトのセキュリティー上の脆弱性を調査し、リポートを作成する形で行われた。
 初の参加で、やり方が見えず、受講内容を手掛かりに悪戦苦闘した。コロナ禍で、チームも対面では集まれず、コミュニケーションに苦労。しかし、オンラインミーティングやクラウドストレージを駆使して知識を共有し、次第に連携してバグハンティングに取り組めたという。
 チームの1人・岡本さんは「情報セキュリティーの重要性が叫ばれる中、(受賞は)この先の人生に大きな意味をもつと考えます。自信にもつながり、一層勉学に励もうと思えました」と語った。