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2021.12.15

産学懇 期待の482社参加


技術で躍進する本学へ
質の高い学生を獲得しようと詰めかけた企業担当者=ホテルニューオータニ幕張で
質の高い学生を獲得しようと詰めかけた企業担当者=ホテルニューオータニ幕張で
 本学が企業と親睦を深め、学生の就職について情報交換を行う「産学懇談会」が11月11日、千葉市のホテルニューオータニ幕張で開かれ、482社の人事・採用担当者が参加した。コロナ禍で昨年の産学懇談会が中止となったこともあり、ブランド力の向上著しい千葉工大生への期待が一段と高まっていることが示された。

コロナ後の社会
山極壽一・京大名誉教授が講演

 産学懇談会は、第1部・講演会、第2部・名刺交換会の2部構成で行われた。本学からは瀬戸熊修理事長、松井孝典学長をはじめ、教職員らが総出で企業の人事・採用担当者らに対応した。
 松井学長は冒頭のあいさつで、本学が今春の入学試験で10万人を超える志願者を集め、全国の大学の中で近畿大に次ぐ第2位の志願者数だったことを紹介。一方、卒業後の就職については2020年度、96・9%の就職率となり、学科にかかわらず、毎年高い就職率を維持し続けていることを報告した。
 本学の研究活動については、はやぶさ2が20年12月、成功裏に試料を地球に持ち帰ったことを挙げ「はやぶさ2の成功を支えたのは本学惑星探査研究センターの研究員たち。千葉工大抜きに、はやぶさ2の成功はなかったと自負している」と研究成果を強調した。
 また、現代社会の現状について「人類は感染症や地球温暖化、エネルギー供給といった問題を科学技術で克服し、技術的に文明を発展させていかねばならない」と強調。「その鍵を握るのは技術革新。千葉工業大学は世界文化に技術で貢献するというのが建学の精神。その精神に基づいて、社会に技術革新という新しい知の流れを生み出し、広げていくのが本学の使命」との認識を示した。
 一方で教育方針については「学生の目線に立ち、学生の身に寄り添い、来たるべき時代に技術革新を担えるよう、必要な実践力を学生が身につけることができるよう日々学内の改革を教員と職員が一丸となって実行していく」と述べ、「採用では本学の学生をよろしくお願いいたします」と締めくくった。
 第一部では、総合地球環境学研究所長で京都大名誉教授(元総長)・本学特別教授の山極壽一氏が「コミュニケーションの進化とコロナ後の社会」と題して講演。山極氏はアフリカでのゴリラの生態研究を踏まえて「人間は脳が大きくなった結果、言葉を発明。言葉を得たことで信頼できる仲間を増やし、社会関係を持てる規模の集団を作って進化してきた」と語った。
 その上で、78億人という人口増や温暖化といった地球環境の限界の問題の一方、デジタル情報革命に人間の心や身体がついていけない状況に陥っており「グレーターリセットが必要」と強調。ポスト・コロナ禍を見据えて「考え直さなければならないのは命と命のつながりであり、文化の多様性に目を向けること。それこそがSDGs(持続可能な開発目標)に必要」と述べた。最後に、大学教育について「大学は公共財。教育とは贈与。直接的な利益を求めず、社会や世界に開かれた新しいコミュニティーにならなければならない」との持論を展開した。
 一方、第2部では企業と本学の各学部・学科の就職担当教員との間で名刺交換会が行われた。各学科のブースの前には企業の参加者らが長い列を作った。企業が求める学生の所属学科(専攻)が多岐にわたり、業種の垣根を越えて広がりつつあることを背景に、名刺交換を通じて熱心な質疑応答が交わされた。
 上杉千佳部長(就職・進路支援部)は「企業の採用意欲は継続していますが、新型コロナの影響でインターンシップや採用活動が軒並みオンライン化され、就職環境は大きく変化しました。この流れは、これからも続くと考えられます。就職環境が変化しても、学生たちが就職活動をするうえで自ら情報を取りに行くことの重要性は変わりません。ぜひ、自ら行動を起こし、業界、企業の情報収集に臨んでください」と学生へ発信している。
名刺交換会に並ぶ企業の担当者たち
名刺交換会に並ぶ企業の担当者たち

希望のゴールドカラー


 津田沼キャンパス5号館裏のヒマラヤ杉がクリスマスのイルミネーションを装い=写真、11月15日から点灯した。新型コロナ下、人々に希望を贈りたい、と今年は基調色をホワイトからゴールドカラーに変え、温かみのあるツリーとなった。
 高さ約25メートルのツリーには1万6千球の電飾が飾られ、外周に本学キャラクターのチバニーを配置。学内関係者や習志野市民、沿線の乗客たちを励ましている(消費電力約1200ワットは太陽光発電で賄っている)。

3年度 推薦入試が終了


 令和3年度総合型(創造)選抜が10月16、17日に、また、学校推薦型選抜(公募制・専門高校)、特別選抜、編入学選抜が11月28日に行われた。
 10月から11月にかけて▽総合型(創造)選抜▽学校推薦型選抜(指定校制・帰国生徒指定校制)▽学校推薦型選抜(公募制・専門高校)▽特別選抜(外国人留学生・帰国生徒・社会人)▽編入学選抜▽編入学選抜(指定校制・高等専門学校)――と、順次行ってきた。
 新型コロナウイルスの感染拡大から、学校推薦型選抜(指定校制・帰国生徒指定校制)は昨年に続いて出願時に小論文を提出し、面接は免除。学校推薦型選抜(公募制・専門高校)では、津田沼キャンパスのほかにサテライト会場を札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の5カ所に設け、読解力テストとともに、津田沼会場の担当教員とオンラインで面接を実施し、遠方の学生に配慮した。
 今年度の推薦系志願者数総数は1454人。編入学選抜の試験志願者数は65人となった。