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2020.12.15

新型コロナ禍の世界…………対面の意味は?代替手段は?


台日デザイン学生ら50人 WSで模索
 デザイン科学科が主催した「グローバルデザインワークショップ(WS)2020」は10月14〜11月18日、コロナ渦のためオンラインで台湾の東海大(台中)、台北科技大(台北)、千葉大、千葉工大の2カ国4大学を結び、デザイン学生約50人が参加して開かれた。
 同WSは同学科教育課程の正規科目として、異文化理解とコミュニケーション能力の促進を目的に、海外協定校と合同で開いている。この形式で授業を開講しているのは、同学科と未ロボの2学科のみ。
 今年のテーマは「実生活を向上させるオンラインサービスのクリエイティブ共有価値の創造」。
 新型コロナのため対面交流に取って代わったオンラインサービスを、より創造的共有価値とするためのデザインを話し合った。
 WSはデザイン科学科の稲坂晃義助教をチーフに院生・学部生が支援。参加者は5、6人ずつ台日混合グループに分けられ、「英語」と「デザイン」を基本言語に、電話会議システムやグループウェア、デザインアプリなどを使って会話した。
 毎週水曜午後に2時間メインミーティング。また、週2回以上グループミーティング、時に交流コーナーも設けた。
 コロナ以来、対面はオンラインへと移行。一方で、友人知人との出会い、ライブ音楽、演劇など、直に交わすコミュニケーションは、より価値ある機会に変わった。これらをオンラインに置き換えることは難しい。
障壁克服へ、アイデア
 WSでは、さまざまな提案が発表された。
 例えば、大学の授業がオンライン化すると、教員は受講する学生の反応や表情を知ることが難しくなった。だが、学生をアバターに置き換えることで、受講者の反応や表情を伝えられるオンラインツールが提案された。
 また、VRやMR技術を使い、お互いに実空間を共有していなくても、共に授業を受けている感覚になれるツールの提案もあった。いずれにも、コロナ禍で友人知人と実空間を共にできないという障壁を、種々の方法で克服しようとする気概が見られた。
 参加学生の1人・豊田仁美さん(デザイン科学科3年)は「オンラインであっても毎週、台湾の学生たちとグループワークを重ねる度に、自分の視野の拡がりを感じられた。言語的な対話の壁はあったものの、デザインという共通の言語でお互いの関係性を深められたと思う」と振り返った。そして「オンライン交流に留まらず、コロナが落ち着いたら実際に対面して交流してみたい」と話した。
 11月18日の最終プレゼンを終え、稲坂助教は「台湾の東海大、台北科技大の先生方に感謝します。何より参加学生たちの努力と頑張りがプレゼンで見られたことが最もうれしかった。今回は、対面で行う事の意味を考えるいい機会になった。参加者からのデータを分析することで改善点を見出し、検証したい」と語っていた。
オンラインでアイデアを検討する
オンラインでアイデアを検討する
デザイン科学科の参加者たち
デザイン科学科の参加者たち

薬園台高でロボット授業


先川原室長、園芸科生たちに
 未来ロボット技術研究センター(fuRo)の先川原正浩室長が、12月2日、千葉県船橋市の薬園台高校でロボット技術の出前授業をした=写真・千葉テレビ提供。受講したのは園芸科の生徒たち約100人。ロボットを使ったスマート農業などに知識を深めた。
 先川原室長は、映像を交えて、進歩が目覚ましいロボットの数々を紹介。技術の歴史や、日常的に使われているロボットの事例を説明した。
 開発当初はロボットたちの動きが直線的でぎこちなかったが、2010年代に入ると動きはスムーズに。生徒たちが将来関わる1次産業分野でも、自動運転トラクターやドローンによる農薬散布など、農業への影響は多大で、欠かせない存在になるだろうと話した。
 また、日常生活例では、レストランで配膳したり、いろいろな場所を清掃し活躍するロボットたちを挙げた。
 先川原室長は終わりに「この先、どんな未来が待っているのか、誰にもわからない。それでも小中高校での勉強は全ての基礎になる。いま学んでいることは損にならないので、一生懸命勉強してください」と生徒たちを励ました。
 授業の様子は地元・千葉テレビの情報コーナー・チバテレ+プラスで取り上げられた。

御宿小児童にロボ教室


修学旅行に代わる思い出に 総工研とfuRo室長
 御宿町立御宿小学校で11月20日、先川原正浩・未来ロボット技術研究センター(fuRo)室長と文化会総合工学研究会(総工研)によるロボット出前教室が行われた。
 包括連携協定を結んでいる御宿町から、コロナ禍で中止した修学旅行に代わる思い出のイベントを……と要望があり、本学は、科学技術を身近に感じ学生たちの研究成果にも触れて、学びの大切さを感じてもらおうと内容を企画。当日は、同小学校6年生と、近隣の布施小学校の6年生も会場の体育館に集まった。
 総工研メンバーの佐々木嶺さん(未来ロボティクス専攻1年・クラブOB)、森川昴哉さん(機械工学科2年)、藤原大輔さん(先端材料工学科2年)の3人が、ロボット操縦の体験会に協力した。本学では感染予防でクラブ活動が制限されており、参加学生は2年生になってから、ほぼ活動ができていない。それでも児童たちの喜ぶ顔が見たい、と短期間でロボットのメンテナンスを行った。
 体育館の特設フィールドに2足歩行ロボが登場すると「カッコいい」「速〜い!」と歓声と拍手。児童たちはコントローラーの扱い方を教わり、簡単な操作でロボットが機敏に動くと、喜びの声を上げた。ロボット同士のバトルも披露され、応援の声が響いた。
 ロボット講義では、先川原室長が▽未来のロボット社会がどうなるのか▽役に立つ最新ロボット事情――を紹介。製作途中の失敗動画を披露すると笑いが起きていた。
コントローラーを手に操縦を習う 講演に聴き入る小学生たち
コントローラーを手に操縦を習う 講演に聴き入る小学生たち