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2019.9.15

柳原さんのエッセー 奨励賞


ブロックチェーンの未来は
 仮想通貨などのデータブロックを連結保管する“ブロックチェーン技術”を世の中にどう役立てるか。自由なエッセーを募集した第2回BASEアライアンス・ユース・アワード(東京大生産技術研や慶応大などの産学連携グループ主催)で、今年の奨励賞に柳原貴明さん(電気電子情報工学専攻修士1年、藤原明広研究室=写真)の「ブロックチェーンは電気自転車システムの夢をみるか?」1点が選ばれた。
 6月12日、幕張メッセで開かれたインターネットテクノロジーイベント「InteropTokyo2019」で贈賞式があった。
 柳原さんは、買ったばかりの電動自転車で夜桜見物に行く近未来社会を想定。駐輪場で愛車が盗まれた。さあ、どうするか、がエッセーの中身。
 交番に行くと、防犯制度が変わり個人で解決できるという。市民と自治体が協力してブロックチェーンによるモビリティー管理システムを構築。スマホに登録番号と認証IDを入力すると、街中に設けたビーコンが自転車の位置をほぼリアルタイムで把握。愛車を見つけ、その後犯人も逮捕。自転車の管理コストや放置自転車も減った――。
 目指したのは、システム導入側と利用者の双方にメリットがあること。当事者自身で解決でき、警察は盗難被害業務から解放される。
 4月から院生としてブロックチェーン研究に進むことが決まった時期で、応募にあたり、ブロックチェーン技術や応用例を再勉強。よい機会になったという。
 柳原さんは「院生になってすぐの受賞で驚きました。進学を許してくれた両親と、アドバイスを頂いた藤原先生に感謝しています。受賞を励みに研究に取り組んでいきたい」と語っている。

中村さんベストポスター賞


端末のアンテナ特性追究
 7月29、30日にインドネシアのバンドンで開かれた「アンテナとワイヤレステクノロジーに関する第2回インドネシア日本ワークショップ(IJAWT2019=アメリカ電気電子技術者協会の関係部所主催、電子情報通信学会専門委共催)のポスターセッションで、中村亮公さん(電気電子情報工学専攻修士2年、長敬三研究室=写真)が「移動端末に設置された近距離無線通信用の磁性材料を装荷した小型ソレノイドの伝送効率に及ぼす接地回路の影響」を発表し、Best Poster Presentation賞に選ばれた。
 中村さんは長教授の研究室で、携帯電話などの無線応用技術、特に電波の出入口・アンテナ機能を研究している。
 発表は、近距離無線通信用の小型ソレノイド(円筒状コイルでできている電磁弁)のアンテナ特性に、モバイル端末の金属板がどう影響しているかを調べたもので、ソレノイドを金属板の近くに配置したときの磁場強度と伝送効率を検討。小型ソレノイド間の伝送電力効率に対する接地回路の影響は、磁性材料の比透磁率に依存することを報告した。
 中村さんは国内外で初の受賞で、「とてもうれしく、光栄に思います。受賞を励みに研究に力を入れていきたい」と語った。

テレビのバトル番組


本学ロボ、デスマッチ制す
 テレビ朝日系列のロボットバトル番組「地獄のロボットデスマッチ六本木クラッシャー」(7月8、29日の2回、関東エリアで放送)に、本学文化会精密ロボット工学研究会チーム(林大貴部長=機械電子創成工学科3年=ら4人)がラジコン操作の「電車道・力士ロボ」=写真=を携え出場。見事、初代王者に輝いた。
 出場は専門学校や高専、大学、個人参加など計8チーム。本学チームは林部長と青木朝啓さん(未来ロボティクス学科3年)、鈴木涼馬さん(機械工学科3年)、森大樹さん(同1年)の4人。照英、藤田ニコルらの出演で行われた。
 試合は3.5メートル四方のリング上で、相手ロボを“破壊”し動作不能にさせて10カウントとれば勝ち。1ラウンド10分で2ラウンド制。重量は7キロ以下に制限され火器や電撃、飛び道具は禁止。
 本学ロボは1回戦、頑丈な機体によるタックルと素早い動きで、佐藤ロボット研究所と大阪工専のロボを破り、決勝戦に進出。決勝では、強豪・川崎地区大会での出場機2機を合体強化させた立命館大チームのロボと対戦した。
 本学ロボは相手の攻撃に、フィールド外に跳ね飛ばされる場面も。しかし、巻き返して体当たり攻撃した結果、相手が動作不能に陥り、そのまま10カウント。重量制限の中で、特別な攻撃機構を搭載せず、高出力のモーターを武器に、高い走破性と頑丈な機体で体当たりという戦略をとった本学の勝利だった。
 チームでは青木さんが設計・製作を主導。出場依頼から本番までわずか1カ月で、ゼロからロボットを製作した。
 林部長は「電車道・力士ロボは人も載せて走れるパワーが自慢です。反転走行も可能で、混乱した戦局で強みを見せたところが勝因と思います。チーム一丸で機体づくりに挑戦でき、よい経験ができました」と話した。
本学の4人。(左から)林さん、青木さん、鈴木さん、森さん=録画画面から
本学の4人。(左から)林さん、青木さん、鈴木さん、森さん=録画画面から

CITウォーター


4年目、新ラベルで
 2015年4月に誕生した本学公式ミネラルウォーター「CITウォーター」が4年目に入ったのを機に、販売元の(株)シー・アイ・ティ・サービスは新ラベルのデザインを公募。応募数点の中から平美桜さん(デザイン科学科4年、長尾徹研究室=写真)の原案が選ばれ、長尾研がブラッシュアップを支援してラベルを完成させた。
 新ラベルのボトルは8月オープンキャンパスの無料配布でお披露目され、約7千人に配られた。
 平さんは本来、ウェブ系などの情報デザインを研究。パッケージデザインに取り組んだのは初めて。長尾教授と院生らのアドバイスを受けてリデザインを進めた。
 自身がイメージした色と、試作でプリントされてきた色とが違い、製作企業と何度もやり取りしたおかげで、いろんな関連知識が身についた。時間をかけてブラッシュアップする貴重な体験をした、という。
 「自分のデザインが製品になり手に取ってもらえることが素直にうれしい。でも(気に入ってもらえるか)緊張もします」。
 (株)シー・アイ・ティ・サービスは本学が100%出資して設立した会社。学生食堂や購買部、損害保険の案内などのサービスを展開している。

来春完成へ 工事始まる


茜浜に多目的ホール
 課外活動を支援しようと、新習志野キャンパスの茜浜運動施設内で多目的ホール(仮称)の新設工事が始まった。8月5日に地鎮祭を終え、来年4月完成予定で工事が進んでいる。
 多目的ホールは平屋・鉄骨造りで、延べ床面積約1400平方メートル、高さ約7メートル。正方形のアリーナに半円型のエントランスを付けた形になる=下は外観と内部のイメージ図
 吹奏楽部の通常練習はもちろん、マーチングにも対応。ダンスや、よさこいソーランなどの大人数のフォーメーション作りにも、年間を通して天候に左右されない快適な場が提供される。