NEWS CIT ニュースシーアイティ

2019.6.15

CIT Brainsが優勝


ロボカップアジアパシフィック中国天津大会
サッカー、テクニカルで圧倒
優勝した「CIT Brains 」チームとキッドサイズのサッカー・ロボット
優勝した「CIT Brains 」チームとキッドサイズのサッカー・ロボット
 千葉工大の有志で構成されるロボカップヒューマノイド開発チーム「CIT Brains」が5月16〜18日、中国天津市で開かれたロボカップアジアパシフィックで優勝。7月にオーストラリアのシドニーで開催される世界大会に向けて大きく弾みをつけた。
7月世界戦へ弾み
 「ロボカップアジアパシフィック」と銘打った大会は、アジア各国や中東、ロシアまでを対象地域としており、2017年にタイ、18年はイランで開催。来年は愛知県での開催が決まっている。
 今回の天津大会にCIT Brainsは招待され、未来ロボティクス学科の2年生5人と院生1人で構成されたチームで臨んだ。出場したのはサッカーヒューマノイドリーグのキッドサイズ部門。サッカーゲームとテクニカルチャレンジが行われた。
 サッカーゲームはCIT Brainsと中国の清華大、東南大、北京科技大の4チームによるトーナメント戦。CIT Brainsは第1戦で北京科技大チームに8対0で圧勝。第2戦でも東南大チームを6対1で破った。
 テクニカルチャレンジは①プッシュリカバリー②ゴールキック・フロム・ムービングボール③ハイキックの3種目が行われたが、2チームが棄権。CIT Brainsと北京科技大チームが熱戦を展開した。
 この結果、サッカーゲームで圧倒的な強さを発揮したCIT Brainsの優勝が決まった。
 CIT Brainsはこの大会に、シドニーの世界大会に適用される最新ルールに合わせた機体「GankenKun」で挑戦。名前の通りの頑健さと安定した歩行力、ボールの認識能力の高さを示した。14年ブラジル、15年中国に続く4年ぶり、3度目の世界制覇が視野に入ってきた。
 シドニー世界大会は7月2〜8日。CIT Brainsは3、4年生と大学院生によるメンバーで挑戦する。
▼天津大会出場メンバー(敬称略)
 北浦勇人▽桑野雅久▽塩島諒子▽玉水瑛万▽長谷川豪大(以上2年)▽島田悟志(修士1年)▽林原靖男(教授)

マルチコアファイバ研究で


今泉さん学生ポスター賞
 電子情報通信学会の光ファイバ応用技術研究会(5月16、17日、大阪市の大阪府立大I−siteなんばで開催)で、今泉可津貴さん(機械サイエンス専攻修士1年、長瀬亮研究室=写真)が「MCF用SC形光コネクタの接続特性」をポスター講演し、学生ポスター奨励賞(優秀賞)を受賞した。
 光ネットワークの通信量はインターネットやスマートフォンの普及で増大。現在のシングルモードファイバに代えて、1本のファイバ内に複数のコアを持つマルチコアファイバ(MCF)で通信容量を飛躍的に高めるシステムが検討されている。
 長瀬研では独立行政法人情報通信研究機構の委託研究の一つとして、MCFに接続するSC形光コネクタ(着脱が確実なプッシュプル型コネクタ。日本の先行技術)の開発に取り組んでいる。
 今泉さんらはオルダム・カップリング機構(軸ずれがあっても正しく回転を伝える軸継手)を備えたMCF用汎用光コネクタを提案してきたが、ケーブル同士の接続に限定すれば、接続したときにオルダム・カップリング機構を構成する簡易構造のMCF用光コネクタを実現できる。
 今回、SC形MCFコネクタを試作し、4コアMCFに適用したときの光学特性を測定した結果を報告した。
 口頭発表は何度か経験済みの今泉さんだが、ポスター発表は今回が初めて。聴いた人々にディスカッションしてもらえるよう、工夫したという。
 「受賞にはとても驚きました。長瀬教授やOB境目賢義さん(現・鞄立産機システム勤務)のご指導と、研究室の皆さんの協力があってこその受賞で、とても感謝しています。今後も恵まれた環境に感謝しながら研究に励みたいと思います」と語っている。

色変化素材、より安価に


星さん若手奨励賞
 日本材料科学会・2019年度学術講演大会(5月23、24日、横浜市の関東学院大・関内メディアセンターで開催)のポスターセッションで、星大輔さん(機械サイエンス専攻修士1年、井上泰志研究室=写真)が「斜め堆積反応性蒸着法により作製した微絨毛構造化InAlN膜の光学特性」を発表し、若手奨励賞を受賞した。
 電荷を注入すると可逆的に色変化を起こす吸着誘起型エレクトロクロミック(EC)現象で知られる窒化インジウム(InN)。新材料として利用する場合、InNは色変化が速い反面、色変化量が小さく、また有色間で変化し無色透明の状態がない。先行研究では「斜め堆積反応性蒸着法」という手法でガリウム(Ga)を添加したInN薄膜を作り「透明から有色」へのEC反応に成功している。
 新材料の創成を手掛ける井上研で、星さんは、高価な戦略元素のGaから、同じ第13族元素で安価なアルミニウム(Al)に変えても、同様のEC波長域のシフトが起こるか調査し、安価で代替できる可能性を見出した。
 苦労した点は、蒸着装置の改良から出発したことや、発表に必要なデータが多く吟味に苦労したことという。
 星さんは「 (受賞決定に)驚きで頭が真っ白になりました。とても光栄です。さまざまな方々に助言を頂け受賞までして有意義な時間だったと感じています」と述べた。

米デポー大と交流協定


デポー大のマッコイ学長(中央左)と小宮学長
デポー大のマッコイ学長(中央左)と小宮学長
 小宮一仁学長は5月22日、米国インディアナ州のデポー大学(マーク・マッコイ学長、学部生約2400人)を訪問し、同大と本学との海外交流協定に調印した。
 デポー大は1837年創立の優良私立大。インディアナポリス郊外の町グリーンキャッスルに本拠を置き、自然科学・人文・社会科学など約25分野で質の高い少数教育を行っている。卒業生にはジョセフ・アレン宇宙飛行士やノーベル生理学・医学賞のフェリド・ムラド博士ら著名人が多数いる。
 本学との海外交流協定校はこれで18カ国・地域40大学となった。

名誉教授に2氏


宮崎・元教授 木幡・元教授
宮崎・元教授 木幡・元教授
 本学で長年、教育と学術の向上に寄与した2氏に対し、本学は4月28日付で千葉工業大学名誉教授の称号を授与した。新たに名誉教授となったのは元情報工学科教授の宮崎収兄氏▽元情報ネットワーク学科教授の木幡稔氏。
 宮崎元教授はコンピューター処理のスペシャリストで、インターネットとデータベース、情報検索・運用技術などで功績があった。
 木幡元教授は通信・知覚情報処理から社会・安全システム工学に広く功績があった。