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2019.3.15

次世代の車社会をつなぐ


R&D PM研究会シンポ
 プロジェクトマネジメント学科の久保裕史、下田篤教授、田隈広紀准教授らが中心となって活動している「R&D PM研究会」主催の第6回シンポジウムが2月8日、東京スカイツリータウンキャンパスで開催され、産業界や大学、研究者団体、官公庁などから大勢の聴講者が参加した=写真
 年1回開催で今回のテーマは「モビリティー産業とR&D PM」。
 市場規模が年間1億台、400兆円を超える自動車関連産業は今、大変革期のただ中。IoTやビッグデータ、人工知能は、自動運転、電動車、カーシェアリングなどの次世代自動車革命を可能にし、「MaaS(マース)」社会の実現に向かいつつある。
 MaaSとはバス、タクシー、電車、カーシェアリング、自転車など、目的地までの間で使えるあらゆる交通機関を瞬時にひとつづりに結びつける低価格で利便性の高いキャッシュレスサービス。MaaS社会では、必要な自動車数が半減する一方、電気・電子部品や材料・素材、ソフトウエア、通信技術やインフラなどの膨大な需要が生じる。
 そこでは自社の技術を他社の技術や製品と結びつけて素早く製品化する「オープンイノベーション」が欠かせない。しかし、このように複雑な複合サービスを、複数の企業が多数同時に参加して、限られた期間内に研究開発するマネジメント技術は、未だ発展途上にある。今回のシンポジウムは、このような問題意識の下に企画された。
 テーマが広範囲に及ぶだけに、講師と発表者の顔ぶれも多彩。
 一橋大の鷲田祐一教授(元博報堂)は、自動運転によって予想とは全く異なる社会ニーズが広がる可能性を、「未来洞察法」によって浮かび上がらせた。
 アイシン・コムクルーズ(株)の加藤喜昭社長(元トヨタ)は、次世代自動車に潜む思わぬ死角を指摘した。また本学未来ロボット技術研究センター(fuRo)と共同開発した「ロボット型ビークル」や「電動くるま椅子型モビリティー」など、ワクワク感たっぷりのクルマの形を披露した。
 AZAPAの坂本優執行役員(三井物産から出向)は、MaaSが効率のよい移動手段としてのみならず、新たなサービスの破壊的イノベーションになりうることを示した。
 R&D PM研究会の日ごろの成果発表では、(株)テカナリエの関口幸治顧問(元ルネサス)が、次世代自動車用半導体企業が描くビジネスエコシステム(生態系)戦略を発表。
 (株)富士通クオリティ&ウィズダムの大島丈史事業部長(元富士通)は「プロジェクトマネジメントへの人工知能活用」という先端研究の成果を報告した。   
 久保教授は、「モビリティー産業の革新は、ソサエティ5.0の最重要課題のひとつ。その実現には幅広い英知の結集が必要となる。千葉工大が中心となって産官学のさまざまな研究者や技術者を巻き込み、このチャレンジングなテーマで成果をあげ、社会貢献を果たしていきます」と抱負を語った。

表彰は15クラブ


祝勝・奨励会
栄誉をたたえ合う参加者 小宮学長と歓談
栄誉をたたえ合う参加者 小宮学長と歓談
 平成30年度に各種競技会や学内外の行事で活躍した体育会、文化会のサークルを表彰する第39回祝勝・奨励会が2月8日、津田沼校舎2号館3階大教室で開かれた。
 今回表彰されたのは体育会8、文化会7の計15クラブ=下表参照
 学生委員会委員長の鈴木進教授(教育センター)はあいさつで「本日集まったサークルはこの1年間、素晴らしい成績を残しました。非常に誇らしいことです」と栄誉をたたえた。また、小宮一仁学長は「学生諸君の自信に満ちあふれた笑顔がまぶしいくらいです。今後の活躍にも期待しています」と述べた。
 表彰式後、参加学生たちは仲間の健闘を称え、お祝いにかけつけた教職員らとともに、にぎやかな懇談が繰り広げられた。
第39回祝勝・奨励会