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2019.3.15

大井で初の どんど焼き


加藤研・鎌田研と地区民
火入れ直後のどんど焼き
火入れ直後のどんど焼き
 南房総市大井地区で初めての「どんど焼き」が2月3日、プロジェクトマネジメント学科・加藤和彦教授の研究室と都市環境工学科・鎌田元弘教授の研究室の学生計14人と地区民たちの手で行われ、無病息災を祈って正月飾りが燃やされた。
 両研究室が大井で展開する産学協働地域活力創造推進プロジェクトの一環。若手の住民と催しを探る中で発案され、学生が企画から参加した。
 1月13日に地区林から孟宗竹を切り出し、茂沢バス停近くの遊休地に地区民たちとともに高さ約8メートルの竹の櫓を完成させた。
 2月3日の当日は、午後1時から御払いが、3時から餅つきが行なわれた。子どもたちも材料運びを手伝って、つき役の学生たちと交流。熱々の餅がつき上がる一方、地区民たちは櫓に付ける正月飾りやお札を持ち寄った。
 薄暗くなった夕方5時には地元消防団や大井区長も到着。約70人が見守る中、地域の年男・年女ら5人が「どんど焼き」の竹櫓に火を入れると、正月飾りや古札がくくられた竹櫓は勢いよく燃え上がり、子どもも大人も無病息災を願った。
一緒に餅つき
一緒に餅つき

8研究室が成果を発表


南房総市“活力創造”報告会
千葉工大生による取り組み概要の説明
千葉工大生による取り組み概要の説明
 少子高齢化・過疎化が進む南房総市を活気づけようと拠点大学などが進める地方創生推進事業(COC+)について2月28日、各プロジェクトを発表する平成30年度産学協働地域活力創造事業報告会が市内「とみうら元気倶楽部」(富浦町原岡)で開催された。
 本学からは鎌田元弘研(都市)▽赤澤智津子研(デザ)▽大嶋辰夫研(同)▽五明美智男研(生命)▽中川泰宏研(情ネ)▽久保裕史研(PM)▽関研一研(同)▽加藤和彦研(同)――の8研究室が、空き公共施設利活用や集落創造のプロジェクトについて発表した。
 雨天だったが、本学、千葉大、聖徳大、南房総市民、近隣市町村民など200人以上が参加し、県南一の規模となった。
 報告会では、南房総市長のあいさつの後、各大学代表がそれぞれの特色を生かした取り組み概要を説明した。その後、大学別の展示会場で30年度プロジェクトの活動成果と次年度の活動予定をポスターで発表した。
 過疎化に悩む市民からは「学生の新鮮なアイデアとパワーに勇気づけられました」などの感想が寄せられた。
 COC+は次年度が最終年度で、市は本学研究室の活動成果に期待している。各研究室が報告したプロジェクトは次の通り。
 ①空き公共施設利活用プロジェクト②新規水耕栽培方式による農地利活用プロジェクト③地域資源発掘(カレンデュラ)プロジェクト④地域課題解決アプリ・システム開発プロジェクト⑤持続可能な集落創造プロジェクト⑥海洋資源利活用プロジェクト⑦地域創生活動の連携促進プロジェクト⑧若者と市民の交流創出プロジェクト

新任紹介(敬称略)


西岡 護 西岡 護
(総務部人事課 事務職員)
 まだまだ緊張の連続ですが、周りの方に教えていただきながら業務をいち早く覚えられるように頑張りたいと思います。よろしくお願いします!
 趣味は、野球やサッカーなどスポーツ観戦。

活躍する校友


変幻自在のプラと
「生活英語が大変でした」
日精樹脂工業(株)テクニカルセンター所長
佐藤 琢磨(さとう たくま)さん(56歳)
(昭和60年、機械工学科卒)
佐藤 琢磨さん
新入社員には「守破離」を語る
 有名なF1レーサーと同姓同名である。「ロンドンの免税店レジで店員に『安全運転を』と声をかけられました」と笑う。射出成形機では国内最大手メーカー、日精樹脂工業(本社・長野県坂城町)で技術と営業をつなぐテクニカルセンターの責任者(所長)になって5年。「今後も機械の需要は広がっていくでしょう」と意欲的だ。
 「これは面白い」
 終戦翌年の1946年。中国・旧満州から妻子とともに引き揚げた故・青木固氏は焼け野原の東京で飛行機の風防ガラス(アクリル樹脂)の破片を手にし直感した。熱するとグニャグニャ、でも冷やせば硬い。何か作れるのではないか、と。
 大学へ進む夢破れ、満州で工員として働きながら技術関係の本を多読した。その知識をベースに、ふるさと坂城町へ戻り、ニワトリ小屋を改造した工場で合成樹脂の加工や加工機械の開発に没頭。タバコケース、婦人用洋傘の握りなどを皮切りに改良を重ね、創業した日精樹脂工業は2017年、70周年を迎えた。立志伝中の人である。
 佐藤さんは坂城町の隣の上田市生まれ。自転車をばらし、組み立て直すといったモノいじりが好きなのと、「英語が苦手」ゆえ理系コースをチョイス。県立高を出て、本学へ。小4から中高と部活で続けた縁で剣道部(体育会)に入った。
 講義、道場、バイト……思いのほか忙しく、アパートから原付きバイクで10分のキャンパスへ毎日通ったという。体育会では執行部に加わり、献血呼びかけなどしている。1年目は詰め襟の学ランスタイルだった。
 「でも、勉強した感じはないんです。一歩下がるというより、一歩前、できたら一番前で何でも見、触れてみたがるタイプです」
 好奇心おう盛である。
 4年生の1984(昭和59)年夏には中国のハルビン工大などを訪れている。2週間の初の海外旅行。本学はいま18カ国・地域の38大学と大学間交流協定を結び、研究者や学生が往来しているが、その一環だ。「中国は大きい。いい体験でした」。
 しかも出発前、「就職先を決めてから行くぞ」と大学スタッフに気合をかけられ、故郷の日精樹脂工業を訪問。内定をもらい、リラックスしての旅だった。「もともと長野で働くと親に言っていたので」。車のギアの振動をテーマに卒業研究をまとめ、戻った。
 入社後の所属は一貫して“営業的技術畑”(現・システム技術課)と言ってよいだろう。
 営業マンに技術を伝え、ときに一緒にお得意先を回る。2017年8月、射出成形機(熱して溶かしたプラスチックを、圧力をかけながら筒の先から金型へ流し込み量産する)の国内外の累計販売台数は80カ国計13万台を突破したが、その修理サポートもこなす。一人三役だ。
 1990年から2006年まで、短期間の日本勤務をはさんで14年半、イギリス、ベルギー、アメリカに妻子連れで駐在した。当初、英語には往生したという。
 「ロンドンのファストフード店で『バニラシェイクを』と頼み、家へ持ち帰って飲んだら、なんとバナナシェイク!vanilla(バニラ)と言ったつもりが、banana(バナナ)に聞こえたらしい。技術的な会話はいけたのに、買い物など生活は大変。しっかり英語をやっておくべきでしたね」
 それでも長男はベルギーで無事出産。やはり、たくましいのだろう。
 文房具、注射器、おもちゃ、車の部品、ゴルフボール、スプーン……北陸新幹線上田駅から車で約20分、本社の一角にある資料館には、同社の成形機から生まれた製品が並ぶ。「電気自動車は軽量化し、樹脂のパーツは増えていくでしょう」と佐藤さん。2018年に50周年を迎えた射出成形技能士専門教育機関「日精スクール」も預かっている。
 新入社員に語る言葉がある。「守破離」(しゅはり)。「大学剣道部の同輩の高校時代の部訓だそうです」と前置きして説明してくれた。「教えを守り、しかし、他流試合でそれを超え(破り)、師から離れていく(自立)。技術者の独り立ちも同じです」。
 春夏秋の高校野球大会を球場で見物しながら気分転換をはかり、仕事にまい進する日々を過ごす。