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2019.3.15

ロケット洋上発射に成功


和田研 大学で世界初
 機械電子創成工学科・和田豊准教授の研究室が製作したハイブリッドロケットが3月2日、千葉県網代湾沖での洋上発射実験に成功した。大学ロケットの洋上発射実験は世界初の試み。
打ち上げ機会 広げる
企業と共同研究 岩和田漁協協力
 「釣りキンメ祭り」でにぎわう御宿町の海岸の沖合約500メートルに浮かべた、アルミ板やパイプなどで組み立てた10×8メートルのフロート(台船)の上の発射台から、ABS樹脂を燃料とする全長1.7メートルの小型ロケットを打ち上げた。
 フロートの組み立てや発射地点までの漁船による曳航などに岩和田漁協の全面協力を得た。
 このロケットは、同学科が今年度後期に新開設した「機電創成発展実験実習」の講義の一環として、和田研の3年生が製作。ロケットはオレンジ色の炎を吹き出しながら高度200メートル付近に達した。
 和田研では、同実験実習でのロケット製作を、将来のロボットトライアスロン競技に使うことを目標に行っている。この競技は、ロケットで高度200〜250メートルに打ち上げられた海洋ロボットがパラシュートで降下して、海を泳ぎ、砂浜を駆けあがって速さを競うというもの。
 また、今回の洋上発射実験は、和田准教授が非常勤上席研究員を務める惑星探査研究センター(PERC)と、スタートアップ企業のアストロオーシャン(株)が締結した共同研究契約に基づいて行われた。
 アストロオーシャン社は、中古の石油掘削設備をロケットの洋上発射台として再活用するビジネスモデルを描いている。両者は当面、PERCが2020年までの打ち上げを計画している高度30キロ級のハイブリッドロケットのための洋上発射台の開発に向け共同研究を行う。
 宇宙ビジネスが活気づく中で、日本でロケットが発射できる場所はJAXAの種子島宇宙センターと内之浦宇宙空間観測所のほかには、本学の御宿町岩和田の射場を含めて5カ所しかない。洋上発射の実用化は、日本のロケット発射場不足の解消につながると期待されている。
和田准教授の話
高度100キロへ小型観測ロケットを打ち上げて、宇宙塵の回収を目指すPERCの計画には、高頻度かつ自由な打ち上げ実験が不可欠。洋上打ち上げは、この課題解決に大いに役立つと考えています。今回の網代湾での実験成果の分析から新たな指針を得たいと思っています。
発射台を見守る和田研の学生たち 飛翔するハイブリッドロケット
発射台を見守る和田研の学生たち
洋上の発射台にロケットを据え付ける
洋上の発射台にロケットを据え付ける 飛翔するハイブリッドロケット

思い、伝わった?


Global Cafe CIT開く
 本学の留学生と日本人学生が交流を図る「Global Cafe CIT」が2月14日、津田沼キャンパス4号館1階に常設されたグローバルカフェで開かれ、約40人が参加した=写真下。学生課と国際交流課の主催で、今年で3回目。
 カフェは出入り自由で、英語をメインに、ともに軽食を取りながら、互いの紹介やことわざクイズ、フルーツバスケットなどのゲームで交流を図った。英語が苦手な日本人学生も、ジェスチャー交じりで留学生に思いを伝えた。
 バレンタインデーと重なったこともあり、チョコレートのデコペンでメッセージや絵を描いたクッキーを交換し合うなど終始笑顔の絶えない交流会となった。
 最後に、フランス・コンピエーニュ工科大(UTC)からの交換留学生ニコラスさんがフランスやUTCを紹介し、日本人学生たちも留学へ興味が湧いた様子だった。
 学生課と国際交流課は、ほかにも留学生の歓迎イベントや同窓会、クリスマス会を企画してきた。今後もイベントを継続し、交流の一助にしたいとしている。

本学へ熱視線 1万5千余社


就活戦線 来月も企業説明会予定
 3月1日、名実ともに本格スタートした就職活動戦線で、企業側の千葉工大生への期待がこれまで以上に高まって、視線が熱さを増している。
 2018年度に入って本学に求人を寄せた企業数は2月末現在、前年同期に比べて749社多い1万5511社と過去最高を記録。本学学生の採用実績のある企業からは「最近の千葉工大卒業生のレベルアップには目を見張るものがある」と、驚嘆の声が寄せられている。
 こうした企業側の評価と期待の高まりを受けて、就職率を100%により近づけ、学生と保護者の満足度アップにつなげようと、就職・進路支援部はさまざまな就活支援策を実施している。
 2月23日と25、26、27日の4日間、津田沼校舎で開いた「企業&仕事研究セミナー」は昨年までのOB・OG懇談会を引き継ぐ企画。千葉工大生への採用意欲が高い優良企業483社が参加し、就活に意欲的な大勢の学生が訪れた。
 昨年10月に開催した「技術展示会」は、就職・進路支援部が選び抜いた、企業間取引を主とするBtoB(ビジネス・トゥー・ビジネス)企業を紹介する企画で、理系大学単独開催としては初の試み。
 また2月には、首都圏を中心とする33大学による、理系学生への技術展示会「テクサス」も津田沼校舎で開催した。
 就職・進路支援部は3月9日、11、12日の合同企業説明会に続いて、4月にも合同及び個別企業説明会を開催する。
就職・進路支援部の福江聡部長の話
 本学としては、学生の研究室での活動時間や、学修時間の確保等のためにも、企業に対してルール厳守を訴え続けてきている。就職希望の学生諸君には、仲間うちなど周囲の情報に流されることなく、自分が目標にしている企業の動きは自分で確認し行動につなげてほしい。焦りは禁物。その上で分からないことがあれば、1人で悩まず就職課に相談にきてください。

総志願者9万人台に


31年度入試
 平成31年度のB日程試験が2月17、18日の2日間、また大学入試センター利用入学試験(中期=本学試験なし)、3月5日午前にC日程入学試験、同日午後に大学入試センター利用入学試験(後期)が行われ、本学の平成31年度入学試験が全て終了した。
 B日程入試の志願者は1万8083人(昨年度より2210人増)。大学入試センター利用入試(中期)には4001人(昨年より814人増)、C日程入試には5951人(昨年度より775人増)、センター利用入試(後期)には3088人(昨年度より584人増)が志願した。
 平成31年度の本学総志願者数は9万2528人(昨年度より1万2079人増)という結果になり、総志願者数は最多を更新、一般入試志願者ランキングでも4年連続で私立大のベスト10入りを果たした。