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2018.11.15

産学懇談会 開く


参加企業 初の600社超え
 本学が企業と親睦を深め、学生の就職情報を交換し合う今年度の「産学懇談会」が11月2日、ホテルニューオータニ幕張で開かれ、昨年より35社多い614社の人事・採用担当者627人が出席した。参加企業が600社を超えたのは初めて。好調な業績と人手不足を背景に、年々ブランド力を高めている千葉工大生への企業の期待がますます高まっていることの表れだ。
今年度産学懇談会の会場(ホテルニューオータニ幕張で)
今年度産学懇談会の会場(ホテルニューオータニ幕張で)
理事長「ぜひ研究室も訪ねて」
 第1部の冒頭であいさつした小宮一仁学長は、この春の本学の入学試験志願者が8万人を超え、一般入試の志願者数では、3年連続で全国の私立大学603校中のベスト10に入ったことを紹介。
 「学長就任以来、全学を挙げて取り組んできた教職協働による教育・研究の活性化、学生の目線に立ったさまざまな改革が評価されている。今後も建学の精神が謳う《世界文化に技術で貢献する》人材の育成に力を注いでいきます」と、ぎっしりと会場を埋めた参加者にアピールした。
 また、第2部であいさつに立った瀬戸熊修理事長は日本私立大学協会で就職問題を統括する常務理事の立場を踏まえて、次のように述べた。
 「経団連の“指針”廃止表明以来、混迷していた大学生の就活ルール問題は10月末、政府が乗り出して、現在の2年生までは現行日程を維持することを正式決定。現1年生以降も当面、現行の日程で行く方針となったが、この問題は基本的に企業と大学がしっかりと協力し合っていかないと、双方ともに疲弊してしまいます。企業の皆さまには、ぜひとも今回の政府確認を守ってくださるようお願いしたい」
 「そのためにも皆さまには、ぜひ大学の就職課に足を運び、よい関係を築いていただきたい。本学も就職課と各研究室・学生が三位一体となってそれぞれの学生が最適な進路を選べるよう力を尽くしています。また、研究室を訪ねて、学生のことを一番分かっている先生方とも忌憚のない意見交換をしていただきたい」
懇親会会場では名刺交換に長蛇の列
懇親会会場では名刺交換に長蛇の列
4年生の内定好調

 本学では現4年生の就活も絶好調に推移している。9月末の内定率は82%を超え、過去最高を更新した。
 このような情勢を踏まえ、就職・進路支援部の福江聡部長は3年生以下の学生に次のようにアドバイスしている。
 「就職活動で最も重要なことは事前の準備。“学生の売り手市場”などという言葉に惑わされず、しっかりと準備した人が最後に良い結果を残します。また、“どんな仕事が自分に向いているのか”と迷う声を聞きますがその前に“どんな仕事だったら自分は社会に役立てるのか”と考えてもらいたい。学生諸君に敢えて言いたいことです」

 第1部では、本学の田代政司審議役(元会計検査院事務総長=写真)が「少子高齢化社会を迎える日本の財政健全化を考える」と題して講演した。

本学が国内最優秀賞


第16回World Materials Day Awardで
金属の伝統技法チーム
 材料系の国際学協会連携組織IOMMMS(International Organization of Materials、Metals and Minerals Societies)が、今年の「材料に関する知識とその重要性を社会や若者に啓発する活動」に貢献した学生を世界で同時に顕彰する第16回World Materials Day Awardで、日本の最優秀賞に本学の材料系学生11人の伝統技法チームが決まった。
 日本側を審査する日本金属学会の秋期講演大会(9月19〜21日、仙台市の東北大・川内北キャンパスでプレゼン・審査)で最優秀賞に選ばれ、World Materials Dayの11月7日に発表された。授賞式は本学で行われた。チームが発表したのは「これぞ日本の伝統金属加工技術:木目金&煮色着色!」――平成21年度に始まった「CITものづくり」制度が支えた成果だった。
「CITものづくり」実る
 11人は▽清宮優作さん(機械サイエンス学科4年)▽橋駿さん(先端材料工学科3年)▽須信秀さん(同)▽滝口瑛介さん(同)▽鈴木絵梨奈さん(同)▽松下美羽さん(同)▽細谷昌史さん(機械サイエンス専攻修士1年)と、今春に機械サイエンス学科を卒業した▽蜷川晃介さん▽南雲聡さん▽宮本将さん▽和田拓哉さん。
 「木目金」は、異なる金属・合金を重ね合わせ圧接した後、表面の切削と圧延を繰り返して、表面に木目模様を作り出す技術。「煮色着色」は、その表面をさらに大根おろしで洗浄し、薬液で煮込むことで奇麗に発色させる独特の手法。
 2013年、小澤俊平准教授の材料概論講義などで興味をもった当時の機サ1年生たち(今年3月卒)が、小澤准教授をアドバイザーに、CITものづくりに応募して始まり、26年度CITものづくり最優秀賞を受賞。その後も自主活動を続けてきた。
 1期生の卒業には間に合わなかったが、2期生(現機サ4年)、3期生(先端3年)のメンバーが今回受賞した。
 出展した木目金は、奇麗な木目模様が出るよう高温作業のなか工具選定、使い方や加工の度合いなどを試行錯誤。工作センター技術員の協力も得て、木目模様の板材を独学で実現し、指輪やキーホルダーも作れるようになった。その達成感が素晴らしく、仲間と協力し合う大切さも学んだ、とメンバーたちはいう。
 講演大会では自主製作の過程と作品を展示。ものづくりの楽しさ、伝統技術の素晴らしさ、大学祭やオープンキャンパスで子どもたちや高校生、市民に広く発信してきたこと、などを紹介した。
 メンバーの1人、松下さんは「他グループの発表も素晴らしく、入賞できるかどうか心配でした。最優秀賞を頂け、とてもうれしく思います。CITものづくりによる大学のご支援、協力してくださった先生方、工作センターの方々に感謝します」と語った。
 IOMMMSは材料系分野への関心を高めるため毎年11月最初の水曜日をWorld Materials Dayと制定。各加盟国内で貢献した学生を、同時に発表している。
受賞した伝統技法チーム(左から)滝口さん、高須さん、清宮さん、高橋さん、鈴木さん、松下さんと小澤准教授
受賞した伝統技法チーム
(左から)滝口さん、高須さん、清宮さん、高橋さん、鈴木さん、松下さんと小澤准教授