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2018.2.15

佐々木さん若手優秀発表賞


鉄筋コンクリ強度の研究 建築学会大会で
 日本建築学会の2017年度大会(中国地区)学術講演会・構造部門(鉄筋コンクリート構造=昨年8月31〜9月3日、広島市佐伯区の広島工業大で開催)で、佐々木義龍さん(建築都市環境学専攻修士2年、中野克彦研究室=写真)が「RC柱部材の構造性能に、せん断補強筋とコンクリート強度の組み合わせが及ぼす影響に関する実験的研究その1 Fc=120N/mm2のコンクリートを用いた柱のせん断実験」を講演。10月6日、若手優秀発表賞に決まったと公表された。
 建築物の柱に超高強度の鉄筋やコンクリートを用いた場合、現行の評価方法では、鉄筋を減らすなどの偏った設計も可能という。しかしそれではもろさや破壊を招きかねない。佐々木さんたちは超高強度の鉄筋、コンクリートを用いて、強度がさまざまな組み合わせの柱を作り、せん断に及ぶ危険を実験で探った。
 佐々木さんは自宅や研究室で発表練習を何回も繰り返し、講演会に臨んだという。「大学院卒業までに何かひとつ結果を残すことができたので、うれしいです!」と喜んだ。
 講演会では地震国・日本でいかに構造物を守るかの防災・耐震に関する研究が並んだ。前年には熊本地震による大被害があったばかりだった。

椿さん2年連続受賞


材料技術の討論会で口頭講演賞奨励賞
 材料技術研究協会の2017年度討論会(昨年12月1、2日、千葉県野田市の東京理科大・野田キャンパスで開催)で、椿杏菜さん(生命環境科学専攻修士1年、橋本和明・柴田裕史研究室=写真)が「O/Wエマルションを用いた球状および六角板状ヤヌス粒子の調製」を発表し、口頭講演賞奨励賞を受賞した。
 椿さんはヤヌス粒子の調製について、前年の討論会でゴールドポスター賞を受賞しており、2年連続の受賞となった。
 ヤヌス粒子とは、表裏で表面の組成や物性が異なる=異方性=粒子。薬物伝達システム(DDS)の運び役や電子材料、医療品などに期待されている。しかし調製工程が複雑で、大量に生産できない問題がある。
 椿さんは、油滴が水中に分散したO/Wエマルションを用いれば、より簡便にヤヌス粒子を調製できると考え、球状シリカ粒子と六角板状酸化亜鉛粒子を用いてO/Wエマルションとヤヌス粒子の調製を行った。
 柴田准教授らの指導のもといろいろな条件で調製を繰り返し、ようやく研究成果が出たという。
「(まさか連続で)賞をもらえるとは思ってもいませんでした。今後も精力的に研究し、材料科学の発展に貢献できたらと思っています」と語った。
 応用化学科・柴田准教授の研究室では、物質同士が接する“界面”をデザインし、新機能を持つ材料を生み出す研究をしている。

グライダー全国大会へ


航空同好会 原田杯団体で準優勝、個人は瀬脇さん3位
瀬脇さんを乗せ離陸する本学機「風雅」。㊤は瀬脇さん(No.6)
瀬脇さんを乗せ離陸する本学機「風雅」。㊤は瀬脇さん(No.6)
 関東の学生たちがグライダー飛行を競う第21回原田覚一郎杯(昨年8月10〜17日、埼玉県熊谷市の日本学生航空連盟・妻沼滑空場で開催)で、本学体育会の航空同好会Jr.チームが団体で800得点を稼ぎ準優勝、個人では瀬脇顕さん(電気電子情報工学科4年)が800点で3位に入賞した。
 団体優勝は青山学院大Aチーム、3位は中央大チームだった。
 後日行われた関東学生グライダー競技大会(昨年10月)は天候不良で競技不成立。しかし本学チームは、それまでの獲得高度・滞空時間で、全国大会である第58回全日本学生グライダー競技大会(3月10〜17日、妻沼滑空場)への出場権を獲得。上位入賞を目指す。
 航空同好会は小島一泰主将(機械サイエンス学科3年)のもと、部員8人。長瀬亮・機械電子創成工学科教授が部長を務めている。パイロットをめざして日ごろ、妻沼滑空場で訓練し、学内ではライセンス取得へ勉強会を開いている。
 クラブで保有するSZD51単座機「風雅」はポーランド製グライダーで20年ほど前、OB会の支援で導入された。普段は他大学の複座機を借りて訓練し、実力を認められた者だけがこの単座機に乗れる憧れの機体。しかしレース用というよりは訓練用だ。
 原田杯の8日間は強風・雨交じりの天候が多く、競技できたのは3日間だけ。SZD51機は小さな上昇風もとらえ、高度を取りやすいが、速度ではレース仕様の他校機に後れを取る。
 本学チームは比較的天候に恵まれた1日を生かし、機体の性能を最大限に引き出す飛行で、当日トップの成績を示す“デイリー”称号を2回獲得し、他大学に差をつけた。
 チームの1人・阿部雅紘さん(金融・経営リスク科学科3年)は「グライダーは学生が部活で出せる程度の予算で運営しており、教官の教えを守る限り、怖いことはほとんどないと思います。グライダー免許の自家用操縦士資格は1度取れば身体検査に通る限り有効なので、退職後も楽しめ、世界のどこでも飛ぶことができます」と、大空を優雅に飛ぶ世界へ勧誘している。
 原田杯の原田覚一郎氏(1912〜2001年)は、文部技官などを務めた国内グライダー飛行のパイオニア。利根川河川敷に妻沼滑空場を拓いて学生グライダー教育の拠点とし、多くの学生、指導者を育てた。一時、本学航空部の監督も務めた。
 原田杯は1997(平成9)年から毎夏、妻沼滑空場を会場に関東の参加大学が持ち回りで主催し、日本滑空協会、日本学生航空連盟、熊谷市が後援。大会は競技飛行と、ライセンスへの訓練飛行を並行して行っている。

新評議員に2氏


小澤 俊之氏 染谷 明人氏
小澤 俊之氏 染谷 明人氏
 2月10日に開かれた理事会で、評議員に染谷明人氏(法人事務局次長)、小澤俊之氏(在学生保護者)の2人が新たに選任された。

小黒さんペガサス入団


経情OB プロ野球独立リーグへ
 経営情報科学科を昨年3月卒業した体育会硬式野球部・小黒功季さん(船橋二和高出身=写真)が、プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの「群馬ダイヤモンドペガサス」に一巡目で指名され、このほど入団が決まった。
 小黒さんは、昨年同リーグに入団した川上祐作さん(外野手・日大習志野高出身)、野ア新矢さん(内野手・大田原高出身)と同期。就職先で軟式野球に変えたが硬式への思いを断ち切れず、本学で練習を積み重ね昨年10月、合同トライアウトを受けて合格。ペガサスに野球人生をかけることになった。
 小黒さんは、50メートル5秒9の走力に軽快なグラブさばきが持ち味。「挑戦するからには、がむしゃらに頑張るだけ」と話した。
独立リーグ
セ・パ両リーグのプロ野球とは別に組織されたプロ野球リーグ。四国4県の「四国アイランドリーグplus」と、北陸・信越・北関東の「ルートインBC(ベースボール・チャレンジ)リーグ」がある。

サイバー犯罪へPM生たち
県警委嘱「ウォッチャー」に


 SNS、インターネット掲示板などへの悪質な書き込みや、悪用犯罪が多発している。予防に取り組んでいる千葉県警察本部(永井達也本部長)は今年、新たにサイバーセキュリティーパートナーシップ協定を締結している本学や千葉大、東京情報大、木更津高専に呼びかけ、賛同した学生生徒47人に「サイバーウォッチャー」を委嘱することになった。
 うち半数近くの22人は、プロジェクトマネジメント(PM)学科を中心とした本学の学生たち=写真。1月18日、県警本部で行われた委嘱式には代表して2人が出席した。
 千葉県警は平成20年からサイバーウォッチャーを民間ボランティアに依頼。さらに幅広い世代に参加してもらおうと今回の委嘱となった。
 永井県警本部長は内閣の危機管理審議官・サイバーセキュリティセンター副センター長を務めた後、千葉県警に異動。SNS、ネットを日常よく利用し、専門知識・技術も併せ持つ若者たちとともに、悪質利用の予防や根絶を目指す。