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2014.11.15

坂本君 経産省局長賞


飲食店“最短予約”アプリ開発
 プログラマーを目指す22歳以下の若者たちが作品を競う「U‐22プログラミング・コンテスト2014」(10月5日、東京・秋葉原UDX)で、坂本蓮君(情報ネットワーク学科3年=中村直人研究室・写真)の新アプリケーションが経済産業省商務情報政策局長賞を受賞した。
 「AcroTable(アクロテーブル)」と名付けたアプリで、スマートフォンからリアルタイムで飲食店に予約ができる。AcroTableを使い、現在地の近くで、行きたい飲食店の候補をいくつか選び出す。店を決めて予約ボタンを押すだけで予約が完了。満席でお店に入れないなどの事態が回避される。
 従来の予約サイトと異なり、予約成立まで最短で数十秒。“今すぐ”に飲食店に確実に入れる実用性と完成度が、ユーティリティー分野で高く評価された。
 予約の成功率を高めるため、独自開発したサーバーを経由させるなど工夫したという。
 コンテストは昨年度まで経済産業省が主催し「U‐20」として34年間続いてきたが、今年度から年齢幅を拡げ、関係約15社をスポンサーに実行委が開催し、経産省、文部科学省などが後援。今年度は200余件の応募があり、入選20作品について10月5日の最終審査会で各賞が決定した。
 坂本君は「(競争が激しい中で)商務情報政策局長賞をいただけ、大変うれしい」と語った。

工藤君が努力賞


電磁浮遊法で高温チタン融体の表面張力測定
 先端材料工学を勉強する工藤裕君(機械サイエンス学科4年=小澤俊平研究室=写真)が、日本鉄鋼協会の第168回秋季講演大会学生ポスターセッション(9月25日、名古屋市千種区の名古屋大学東山キャンパス)で「電磁浮遊法による高温チタン融体の表面張力測定」を発表し、努力賞を受賞した。
 材料加工プロセスでは近年、数値計算で最適化、現象解明を図っている。
 溶接や鋳造の高温融体では、マランゴニ対流(温度差、濃度差などで、流体表面の表面張力が不均質になって起こる対流)を考慮する必要があり、駆動力となる表面張力の正確な値が強く求められる。だが、チタンは融点が非常に高く、測定が極めて困難。高温データはほとんど報告されていない。
 小澤准教授の研究室では、国際宇宙ステーションなどの微小重力環境や、電磁浮遊技術を利用し、金属材料や半導体を浮遊させた状態で溶融・凝固し、高精度な熱物性の計測や新材料の開発に取り組む。工藤君らは、電磁浮遊法を利用し、チタンで絶対温度2100度以上と、過去最高温の表面張力データを取ることに成功した。
 試料入手に時間を要し、できるだけ多くの結果を学会で報告しようと、講演大会ぎりぎりまで実験したため、時間に追われたポスター作りになったという。
 工藤君は「他の発表者は大学院生ばかりで、(その中で)受賞できるとは思ってもみませんでした。とてもうれしかった」と感想を述べた。

台湾学生らとデザインWS


長尾研を中心に
 海外学生と直接会話し交流を図ろうと、デザイン科学科・長尾徹研究室は台湾・東海大の学生を招き、千葉大生も合流。9月1〜5日の5日間、“3大学国際デザイン・ワークショップ(WS)”を展開した。長尾研の参画は今年で4年目=写真
 本学からは長尾研4年の近藤聡美さん、佐藤比呂さん、宮崎亜弓さん、3年の佐藤詩穂さん、森川翠さん、吉原沙紀さん、安威健君、橋本都子研4年の安藤碧さんら8人が参加した。
 今年のテーマは「都市生活者のためのストリートファニチャー(街灯・ベンチ・電話ボックスなどの家具的街路物)」。
 家具メーカーなどを見学した後、東京ミッドタウン(港区赤坂)のインターナショナル・デザイン・リエゾンセンターで、デザイン提案をプレゼンテーション。さらに各グループで意見交換を重ね、最終プレゼンへ。その結果、「Find from the water」など楽しいアイデアが生まれた。
 「Find・・・」は隅田川河岸遊歩道への設置を想定した“家具”で、川の流れを感じながらさまざまな姿勢がとれる。人との距離が取りやすいため、会話をすることも、独り思いを巡らせることも、どちらも楽しめる。
 参加者の1人、吉原沙紀さんは、語学力不足やプレゼンの大切さを痛感したという。「WSで、つたない英語でも伝えようとすることが大切だと気づいた。自分に足りないものを見つけることができた。今後は人とのコミュニケーションから多くの考え方を得て、自分の意見を明確化して人に伝える力・伝えようとする力を鍛えたい」。
 長尾教授は「他領域や異文化とのコミュニケーションを目的としたプロジェクトを経験させることで、自己認識を促すことができる」とWSの意義を語った。

小原君、今季も快調


ジェットスポーツ・プロ
■小原聡将君の今シーズンの主な戦績
3月
UAE Series 第3戦アブダビPro Ski GPクラス3位表彰台、第6戦ドバイPro Ski GPクラス 3位表彰台
6月
全日本選手権第7戦Pro Ski Openクラス 優勝
7月
タイG‐Shock Jet Ski Pro Tour第4戦 Pro Ranabout Limitedクラス3位表彰台、Pro Ranabout800 Openクラス 3位表彰台
8月
マレーシア6th KUNDANG Invitational Jet Sports Challenge 4‐Stroke Stockクラス 優勝、4‐Stroke Openクラス 2位表彰台、Endurance 2位表彰台
10月
アメリカJETTRIVE IJSBA World Finals 2‐Stroke Ski Limitedクラス 2位表彰台
 ジェットスポーツのプロライダー、「SAMURAI」のニックネームで海外でも名高い小原聡将君(機械サイエンス学科2年=写真)が今シーズンも快調に飛ばしている=上の表参照。これまで9戦して優勝2回。6月の全日本選手権では、世界最高峰のプロ・スキー・オープン(改造無制限)クラスで一番高い表彰台に立った。以下は、小原君からNEWS CIT編集部に届いたファイティング・リポート。
 《全日本の決勝では、スタートを抜群のタイミングで飛び出し、2位以下を寄せ付けずにトップフィニッシュできた! マレーシア戦では4位から諦めずに頑張ってトップまで上がってきて、優勝! アメリカの世界選手権では、世界チャンピオンにはなれなかったものの、去年の世界ランキング3位から2位に上がることができた》
 《悔しい思いをするのは、レース中にマシントラブルでリタイアせざるを得ないとき。UAEシリーズの開幕戦では優勝を目前に、マシンが外傷により沈んでしまってリタイア。タイのレースでは後ろを走っていた選手に追突され、順位を大きく落としてしまう。アメリカの世界選手権プロスキーオープンクラスでは、3位の可能性があったものの、後ろの選手のマシンに衝突されてしまいリタイア。総合順位は11位になってしまった》
 12月のタイでの戦いでは、7月の悔しさをバネに雪辱を誓っている。