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2014.5.15

平成26年度予算案を承認


 3月26日、東京スカイツリータウンキャンパスで開かれた理事会・評議員会で、平成26年度予算案が承認された。
千葉工業大学 平成26年度予算
■高等教育を取り巻く環境
 グローバル化した国際社会は、一部地域の問題が瞬時に世界中に影響を与え、先進国から途上国まで世界の国々の関係は緊密度を増してきている。欧米先進国では景気の下振れリスクが後退し、景気は徐々に力強さを増してきているが、中国経済は減速基調が見られ、世界経済は引き続き不透明な状況が続いている。
 国内では、東日本大震災から三年が経過し、復興が一歩ずつ進みつつある中、福島第一原発の事故処理はいまだ不透明な状況が続いている。経済を中心とした社会状況は、アベノミクス効果が徐々に表れ始め、株価、為替、雇用などに明るい兆しが見え始めている。
 これら国際情勢の変化や国内社会の動向を踏まえ、文部科学省は、グローバル人材の育成、イノベーションの創出、経済再生、地域再生・活性化への貢献など、大学に求める社会的役割を明確に示し、これを実現するために大学のガバナンス改革を強く求めている。
 一昨年に創立70年の節目を迎え、昨年からは創立100年に向けて新たな取り組みを実行している。
 震災復興への支援としては、引き続き未来ロボット技術研究センターが中心となって進めており、昨年は「櫻弐號」を開発し、更なる支援に備えている。
 東京スカイツリータウンキャンパスでは、本年2月にAreaUを開設し、惑星探査研究センターの活動を中心に体験型アトラクションを展開し、本学の最先端の研究成果を広く社会にアピールする場として積極的に活用している。開設から既に30万人以上の来場者を迎え、今後も展示内容の更新を進め、引き続き本学の研究成果の発表の場として活用していく。
 本学の一般入試志願者動向は、教育研究体制の充実、入試制度の改革、積極的な広報展開、キャンパス再開発が一段落したことによって回復基調にある。平成26年度入学試験では過去最高の志願者数となった。しかし、この結果に満足することなく、教育課程改革、修学支援体制の更なる充実やキャリア教育の拡充など、総合的な学生支援体制の強化を今後も進めていく。
■事業計画
1 教育研究
 本学が有する教育研究能力を充分に発揮するため、学長裁量による教育研究予算の重点配分や各学科の意向を反映した弾力的な予算運用を実施しているが、これを継続し、教育研究の更なる活性化を推進する。また、教育方法改善に対する教員の工夫・努力を適切に評価し、FD(ファカルティ・ディベロップメント)の継続的な推進を図る。
 現在大学として重点的に取り組んでいる留年者や退学者の抑制策については、学長のリーダーシップのもと、追加的な補習授業の実施や再試験制度の新設により、授業の到達目標や評価基準を維持しつつ、留年者及び退学者の減少に効果をあげている。これらの諸施策を継続するとともに、学生サポーター制度や博士教育補助員制度を有効に組み合わせ、活用することにより、多様化する学生に対してきめ細かい学修支援を実施する。また、学部・大学院の新入生全員に貸与しているタブレット型端末を有効活用し、教職協働による学習支援態勢を今後も継続する。キャリア教育については、1年次からの教養科目としてキャリア科目を新設し、体系的なキャリア教育の充実を図る。
 大学院では、本学附属総合研究所等と連携した教育研究体制を充実させるとともに、秋入学の実施等により留学生も含めた学生数の確保を図る。また、大学院生のプレゼンテーション能力、語学能力の向上のための全専攻共通科目を開講する。
 産官学連携については、附属総合研究所及びリエゾンセンターの機能を更に充実させ、研究の活性化と社会連携の強化を推進する。また、平成25年度に大幅な整備・改革を行った研究費の適正使用に関する管理体制については、今後も厳格な管理・運営を行い、大学の社会的責任を果たすよう努める。
 国際化については、海外の大学との交流協定を引き続き積極的に拡大し、留学生の受入れ及び本学学生の海外留学ともに増加させる。そのため、本学学生の語学力を向上させる企画を学部低学年から参加できるような形態で開催し、海外留学への興味と基礎力を醸成する。また、金融・経営リスク科学科国際コースを設置する。
 なお、平成28年度に工学部の改組を行うべく平成26年度中に文部科学省への事前伺いの書類を提出する予定である。激しい変化を続ける社会に対応すべく、新たな学部・学科体制で時代の要請に応え得る人材の養成を目指し、今後新たなディプロマポリシー、カリキュラムポリシーに基づき、教育課程編成等を行う。また、平成26年度は認証評価機関による第三者評価受審の年であり、6月には自己点検評価報告書を提出する予定である。
2 管理運営
 新習志野キャンパスの学生寮竣工後は、学生寮敷地周りの外構整備工事に着手する。学生寮南側の空地に一般学生が使用する野球場やテニスコート、フットサルコートを整備し、茜浜運動施設には多目的屋内練習場の建設を実施していく。
 一方、千種寮においては、寮閉鎖に伴う諸工事や一部建物の解体工事を検討していく。
 既存建物の維持・補修に関しては、新習志野キャンパスにおける中長期的な建物改修計画を早急に検討していく。また、津田沼キャンパス8号館の空調更新工事や、講義室AV機器リプレース工事等の大型工事についても実施していく。
平成26年度予算の概要
T【帰属収入】
 156億円(昨年度162億円 昨年度比6億円減)
 学生納付金は1億円の減少を見込み132億円とした。また、補助金(3億円減)、資産運用収入(1・5億円減)、手数料(0・5億円減)等いずれもマイナスと見込み、帰属収入は昨年度比6億円減の156億円とした。
U【消費支出】
 149億円(昨年度150億円 昨年度比1億円減)
 消費税の増税があるが、昨年度比ゼロシーリングの予算方針として編成した。
 1人件費は、兼務職員の増額があるものの、昨年度比0・5憶円増の65億円とした。人件費比率は41・5%(昨年度39・7%)である。
 1教育研究経費は、入学生を対象にキャリア科目を新設するなど学生の教育に関する経費は引き続き充分に予算措置をした。
 また、施設の充実による減価償却額の増加があるものの、昨年度行った基幹LANの更新に係る経費(主に消耗品費・修繕費)等がなくなったことで、昨年度比0・7憶円減の68億円とした。
 教育研究経費比率は、43・9%(昨年度42・7%)である。
 1管理経費は、新習志野校舎の学生寮運営に伴う経費と東京スカイツリーキャンパス関係の経費増があるものの、昨年度臨時的に発生した両施設の開設経費が減少することで、ほぼ昨年度と同額の15億円としている。
 管理経費比率は9・9%(昨年度9・5%)である。
 1資産処分差額として、図書の処分差額を計上した。
V【基本金組入額】
 22億円(昨年度33億円 昨年度比11億円減)
(1) 第1号基本金 組入れ額15億円
  1 建物(茜浜屋内運動施設) 組入れ5億円
  2 建物各所改修工事 組入れ3億円
  3 構築物 組入れ6億円
    同 除却額 △1億円
  4 教育研究用機器備品 組入れ9億円
    同 除却 △7億円
  5 図書・車両他 組入れ1億円
    同 除却 △1億円
(2) 第2号基本金 7億円
    校舎改修準備資金 組入額10億円
      使用額3億円
W【消費収支差額】
 以上の結果、当年度消費収支差額は15億円の支出超過、翌年度繰越額は61億円の支出超過となる予算である。