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2013.6.15

安藤研がサイトをデザイン


国立国会図書館
東日本大震災アーカイブ
安藤准教授(右)と宮川さん
安藤准教授(右)と宮川さん
 デザイン科学科・安藤昌也准教授の研究室が「国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(愛称ひなぎく)」のユーザーインタフェースデザインを担当。昨年からの試験公開を経て3月7日、正式公開された。
 「ひなぎく」は東日本大震災について官民の諸機関・団体が収集した膨大なデジタルデータを一元的に検索できるポータルサイト。情報数は公開時点で大震災関連が約20万点、原子力関係報告書なども含めると200万点以上。画像、動画、音声、ウェブサイトなど多様なデジタルコンテンツを集め、大震災研究や確認に欠かせないものとなる。
 サイトは政府策定の復興基本方針に基づき、総務省と国会図書館が行った「東日本大震災アーカイブ基盤構築事業」の一環として開発された。安藤准教授は総務省のアーカイブ基盤構築プロジェクト技術ワーキンググループのメンバーでシステム全体に関与。安藤研が検索システムの検索手順や表示レイアウトなど情報表示に関わる部分の基本デザインを担当した。
 デザインするにあたり、未来の2025年に学校で教師や生徒たちがこのサイトを利用するシーンを想定したワークショップを実施し基本仕様をまとめた。これを受けて宮川真道さん(デザイン科学専攻修士1年)がレイアウトや表示方法などをデザインした。
 安藤准教授は、「ひなぎくは将来にわたって、被災地の復興や防災減災への活用が期待される意義あるシステムです。デザインを通じ社会貢献できたことはうれしく思います」と語っている。
 「ひなぎく」の愛称はHybrid Infrastructure for National Archive of the Great East Japan Earthquake and Innovative Knowledge Utilizationの頭文字をとり、復興支援へ花言葉「未来」「希望」「あなたと同じ気持ち」の心を込めた

修士設計展


川上さん優秀賞
新マンハッタン像 提案
 建築都市環境学専攻の川上祥志さん(受賞当時修士2年=写真上、今春卒業)が日本建築家協会(JIA)関東甲信越支部の第11回大学院修士設計展(3月16日、東京都渋谷区神宮前の建築家会館で開催)で優秀賞を獲得した。
 発表した作品は米ニューヨーク市マンハッタンの21世紀像を提案した「MANHATTAN GREEN 2409」で、都市計画立案と建築の、多岐にわたる緻密な計画ぶりが評価された。
 川上さんは本学の交換留学制度を利用し2011年から1年間、米ペンシルベニア州立大に留学。その間に進めた研究を帰国後、発展させた。
 経済優先・人間不在の顔を持つ都市マンハッタンを、環境・緑化を重視した人類のための21世紀型マンハッタン像に生まれ変わらせ=写真下=提案した。
 本学と、留学先の米大学では、建築教育にスタンスの違いもあったが、両国に通用するように、計画の内容、プレゼンテーションや表現を工夫したという。
 川上さんは「何よりも、槇文彦先生(幕張メッセなどのメタリックな作品で知られる著名な建築家)の前でプレゼンできたことを光栄に思います。素晴らしい出展者とも出会え、とても感謝しています。展示会がさらに実りあるものになるよう、僕も何らかのかたちで協力していきたいと思っています」と感想を残した。
 今回修士設計展では東京工大、慶応大、早稲田大など26大学の大学院から発表された33作品が審査され、最優秀賞1点、優秀賞3点、佳作2点が選ばれた。

デザイン科学科
台湾「新一代設計展」に出展


長尾教授と院生たち
設計展参加者たち。(前列左から)石川さん、山下さん、(後列左から)八藤後さん、宮川さん、友野さん、小田さん
設計展参加者たち。(前列左から)石川さん、山下さん、
(後列左から)八藤後さん、宮川さん、友野さん、小田さん
 デザイン科学科の長尾徹教授と小田裕和さん、友野貴文さん、宮川浩幸さん、八藤後優也さん、山下浩治さん(いずれもデザイン科学専攻修士1年)、石川和也さん(佐藤弘喜研究室研究生)は、台湾の若手製品デザイナーたちのエキスポ「第32回新一代設計展(International Young Designers' Exhibition 略称YODEX)」=5月17〜20日、台北世界貿易センターで開催、総来場者数50万人=に研究成果を展示発表した。
 主催する台湾デザインセンターの招きにより、卒業生の平野光洋氏(フリーランスデザイナー)と共同で出展した。
 発表したのは「いけばな」をモチーフに、来場者が入力すると、操作結果が音と光の変化としてモニターに映し出される参加型インスタレーション展示。製品デザインにおける実装型プロトタイプ技術を分かりやすく説明したという。
 長尾教授は「アジアではほぼ未着手の技術で、多くの大学関係者の関心を得ました。学生たちは会期中、英語で応対し貴重な経験となったと思います。条件が整えば来年度も参加したい」。
 参加学生の友野さんは「センサーやプログラミングをアイデア展開の段階から実装してゆく手法で、日本らしい作品にしました。制作期間が短く飛行機で搬入するなど制約が多い中、どうやったら現地で最大限パフォーマンスを発揮できるか、頭を悩ませました。得られたものはとても大きかったと思います」と語った。
 新一代設計展は、台湾政府が産業育成のため立ち上げた財団法人・台湾デザインセンターが1982年から毎年開催。プロダクトデザイン、空間デザイン、工業デザイン、クラフト、グラフィックス、マルチメディアなどの各種分野に台湾全土の大学・専門学校のほか、海外の学生、若手デザイナーが出品し、商談会も開かれる。
展示した装置“いけばな” 来場者に説明する山下さん(右)
展示した装置“いけばな” 来場者に説明する山下さん(右)