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2012.11.15

新「千葉みやげ」に
デザイン科学科作品


18点 早速6点を販売
新しい千葉みやげをデザイン科学科・赤澤智津子・安藤昌也准教授が同学科学生とともに地元食品加工会社に提案、10月26日〜11月4日の10日間、そごう千葉店(千葉市中央区)特設展示場に18点を展示し、うち6点が即売された
新しい千葉みやげをデザイン科学科・赤澤智津子・安藤昌也准教授が
同学科学生とともに地元食品加工会社に提案、
10月26日〜11月4日の10日間、そごう千葉店(千葉市中央区)特設展示場に
18点を展示し、うち6点が即売された
 「千葉の特産品を使って、学生たちに実践的、社会的な演習をさせたい」と赤澤准教授らが千葉県、県観光物産協会、そごう千葉店と共同企画し、紹介された4社の協力のもとパッケージを刷新した。
 参加学生は赤澤・安藤研のほか、長尾徹研、佐藤弘喜研、山崎和彦研の3〜4年生19人。
 協力4社は生形商店(八街市=落花生)、福井商店(千葉市=落花生)、岩立本店(香取市=さつま芋菓子)、信田缶詰(銚子市=いわし缶詰)。
 県の特産品を素材に「お土産というギフトの価値・購入者の体験からコンセプトを設定、商品化できるレベルまで質を高める」ことを目指して赤澤・安藤准教授が指導した。学生は3、4年生混成の3人グループをつくり、製造元を訪問、特産品の歴史や製造にかける思いなどを聴いた。そしてグループワーク・試作・検討を約2カ月間重ね、18の新パッケージにまとめた。
 ▽落花生=「パリッ」と指で殻を割るポップなイラストのさや入り落花生。3色展開で”爽快な割り方”を提案する▽さつま芋菓子=羊羹はフタをとると、本体の箱が開いて平らになり、そのまま羊羹を切ることができる。「お芋ほろり」は地下のさつま芋から地上に伸びるツルが描かれ、ツルの延長上のひもを引っ張って菓子を取り出す▽いわし缶詰=黄金色の缶詰が帯で巻かれており、帯を開くと商品パンフになる――など。
 「”あなた”に贈る18の新・千葉みやげ展示&販売会」として、そごう千葉店9階特設展示場に説明パネルとともに展示され、このうち6点が地階食品売り場県産品コーナーで販売された。
 千葉県産業振興課の担当職員は「消費者目線がよく生かされています」。展示は10月26日夕、NHK首都圏ニュースで紹介された。
 赤澤准教授は「今回は千葉という地元での産官学で、うまく連携がとれました。今後もデザインを軸とした地域の魅力向上を目指したい」。安藤准教授は「”売れる商品”にするためにマーケティングのアプローチを本格的に取り入れました」。 デザインに参加した皆川伸吾君(3年)は「商品の魅力をどう伝えるか、どうすれば商品を手に取ってもらえるかをじっくり考えることができました」。水野裕之君(同)は「購入者に意図を伝える難しさ、他にはない価値を見つける楽しさ、自分の作った物が店頭で売られる喜びを実感しました」と語った。
参加学生=(前列左から)水野裕之君、福永良貴君、登尾和矢君、館花勇輝君、皆川伸吾君。(中央列)八籐後優也君、松丸栞さん、若杉文香さん、細川恵未さん、トゥムルハドゥール・ウーレンさん、長谷川一貴君。(後列)宮川真道君、森祐輔君、山下浩治君、切替未早季さん、倉持雅大君、田中雅俊君(田中一丸君ら2人は撮影中不在)
参加学生=(前列左から)水野裕之君、福永良貴君、登尾和矢君、館花勇輝君、皆川伸吾君。
(中央列)八籐後優也君、松丸栞さん、若杉文香さん、細川恵未さん、
トゥムルハドゥール・ウーレンさん、長谷川一貴君。
(後列)宮川真道君、森祐輔君、山下浩治君、切替未早季さん、倉持雅大君、田中雅俊君
(田中一丸君ら2人は撮影中不在)
ギフト3色落花生 松丸栞さん作 芋ようかん「芋娘」 森祐輔君作 銚子産いわし缶詰 山下浩治君作
ギフト3色落花生
松丸栞さん作
芋ようかん「芋娘」
森祐輔君作
銚子産いわし缶詰
山下浩治君作
半立から付落花生 水野裕之君作 お芋ほろり 福永良貴君作 銚子産いわし缶詰 トゥムルハドゥール・ウーレンさん作
半立から付落花生
水野裕之君作
お芋ほろり
福永良貴君作
銚子産いわし缶詰
トゥムルハドゥール・ウーレンさん作
ギフト5色落花生 長谷川一貴君作 岩立本店の芋羊羹 八籐後優也君作 芋ようかん「芋娘」 切替未早季さん作
ギフト5色落花生
長谷川一貴君作
岩立本店の芋羊羹
八籐後優也君作
芋ようかん「芋娘」
切替未早季さん作

橋本教授が学術賞


日本無機リン化学会
人工骨材料研究で
橋本和明教授
橋本和明教授
 橋本和明・生命環境科学科教授(セラミック材料プロセス、生体材料)が、日本無機リン化学会の第22回無機リン化学討論会・総会(9月25、26日・神戸大学瀧川記念学術交流会館)で学術賞を授与された。
 受賞対象は「結晶化学的材料設計による各種金属イオンを置換固溶させたリン酸三カルシウムに関する研究」。
 高齢化社会で、骨密度の低下による骨折や骨粗しょう症患者が増え、骨欠損部を修復する代替材料(人工骨)が重要視されている。この中で特に”生体吸収性セラミックス”として注目されているのがベータ型リン酸三カルシウム(ベータ‐TCP)だ。生体内で吸収速度が速く、吸収されて徐々に新生骨と置換する。
 橋本教授は、ベータ‐TCPへの金属イオンの固溶(複数の元素が均一に溶け合い個体をなす)が熱安定性(結晶構造安定性)や機械的性質、溶解性にどう影響を及ぼすかを長年、結晶化学的材料設計手法によって系統的に研究。国内外で多数の論文を発表してきた。
 授賞理由について無機リン化学会は「橋本教授の研究によって、金属イオンのベータ‐TCP構造中への固溶が、さまざまな生体材料用セラミックスとしての特性・物性に影響を及ぼし、金属イオン固溶ベータ‐TCPが優れた代替材料になる可能性が明らかになった。これらは臨床応用をめざした発展研究を促し、再生医療実現へ向け貢献した」――としている。
 橋本教授は「今後はベータ‐TCP材料をさらに発展させ、動物実験などの臨床応用をめざした研究につなげ、高度先進医療の実現に貢献したい」と語った。

新井教授が学会賞


シミュレーション&ゲーミング
研究・普及に業績
新井潔教授
新井潔教授
 プロジェクトマネジメント学科の新井潔教授(社会システム研究、集団意思決定論)が10月20日、NPO法人日本シミュレーション&ゲーミング学会(JASAG=兼田敏之会長)から第17回(2012年度)学会賞を授与された。
 JASAGはコンピューターによるシミュレーションとゲーミングを駆使して学際分野の問題解決を図る学術研究団体。研究者や実務者、教育者などで構成され、人文・自然科学や工学、社会経済、娯楽など多分野で数値化モデルによるシミュレーションやゲーミングの研究を行っている。
 JASAGによると、表彰理由は同学会運営面での長年の貢献国際活動広範な研究活動普及――などから。
 新井教授は、JASAG設立の1989(平成元)年以来、長年理事を務め、事務局長、副会長を歴任。2003〜05年には会長を務めた。昨年5月、津田沼キャンパスで開かれた同学会春季全国大会では組織づくりとシンポジウム運営に当たった。
 国際活動では、日本学術会議と共催の国際シミュレーション&ゲーミング学会1991年京都会議、2003年千葉会議で、プログラムづくりや成果の国内外への刊行報告に中心的役割を果たした。国際学会で発行している英文学会誌では長年、編集委員会に加わっている。
 研究活動では著書「ゲーミングシミュレーション」(日科技連)が2004年にJASAG優秀賞を受賞。日本計画行政学会、日本オペレーションズ・リサーチ学会、計測自動制御学会など学会誌への論文、論説などで広分野にわたってシミュレーション&ゲーミング研究活動の普及に努めた。
 これらの項目の一つをとっても授賞対象になり得るとして、学会賞が決まった。