NEWS CIT ニュースシーアイティ

2012.6.15

アドビ社と本学、包括契約


マルチメディア統合ソフト 利用可能に
契約書を手に瀬戸熊理事長(中央)とトンプソン上級副社長(右)、日本法人のティーゲル社長(左)
契約書を手に瀬戸熊理事長(中央)とトンプソン上級副社長(右)、
日本法人のティーゲル社長(左)
 本学と、デザイン系ソフトで世界的に知られるアドビシステムズ(本社=米国カリフォルニア州サンノゼ)の日本法人・アドビシステムズ株式会社(東京都品川区大崎)は3月、Adobe Creative Suite Master Collectionの利用について、理工系大学では国内初の包括ライセンス契約を結んだ。これにより、芝園・津田沼校舎のコンピュータ演習室や研究室、図書館、事務部門など学内すべてのコンピュータでMaster Collectionが利用可能になった。
 Master Collectionはアドビ社のIllustrator、InDesign、Photoshopなどの基本ソフトやFlash、After Effects、SpeedGradeなどグラフィックデザインをはじめ、動画編集やウェブデザインに及ぶ十数種の制作ツールを1パッケージに集積したマルチメディア制作統合ソフト。ウェブ、スマートフォン、モバイル、映像、印刷など多様な形態に対応しバージョンアップ可能。Windows版、Mac OS版を問わず利用できる。
 5月10日には、調印式が日本法人本社で行われ、本学から瀬戸熊修理事長、宮川博光常務理事、情報・メディア委員会委員長の中村直人教授(情報ネットワーク学科)、村上吉信情報システム課課長、アドビ社からは来日したアドビシステムズのマット・トンプソン上級副社長、日本法人のクレイグ・ティーゲル社長らが出席した。
 瀬戸熊理事長らは、創立70周年を迎えた本学が、アドビ社ソフトの幅広い利用によって、さらに進化できると表明。また、アクセス解析を応用したウェブ体験技術の発展などアドビ社の新しい戦略に触れ、本学も時代に応える前進を続けていきたいと重ねて表明した。アドビ社側は、本学との契約で、学生たちがスキルアップし、工学技術の促進に貢献できるよう期待すると述べた。
 意見交換は終始和やかな雰囲気の中で行われ、最後に瀬戸熊理事長とトンプソン上級副社長・ティーゲル日本法人社長との間で契約調印が行われた。
 (Master Collectionに関する問い合わせは情報システム課まで。個人向けには、市販アカデミック版よりも安価な指定校学生・教職員個人向けライセンス版を、購買で販売している。こちらの問い合わせは購買窓口まで)

「多くの夢を持って進もう」


70周年記念祝賀会開く
満員の70周年記念祝賀会会場。緑の幕には”夢”の字が・・・・・・
満員の70周年記念祝賀会会場。緑の幕には”夢”の字が・・・・・・
 本学創立70周年記念祝賀会は、創立記念日の5月15日、ホテルオークラ東京(東京都港区虎ノ門)で開催された。学内関係者と来賓など約千人が出席。思い思いに千葉工業大学の歴史を振り返り、70周年を祝った。
 まず、本岡誠一学長が開宴のあいさつ。大学発展に尽力した諸先輩や学内外関係者に感謝した後「師弟同行・自学自律の理念継承に加え、新たな実践に冒険心を持って取り組み、出口保証のしっかりした、魅力ある大学へ全学を挙げて努力する」と決意を述べた。
 次いで小原芳明・玉川学園理事長は、記念誌「70年のあゆみ」の表紙などを飾る、一画多い”夢”の字に触れた。本学の前身・興亜工業大学の創立に尽力した玉川学園創立者・小原國芳氏(小原理事長の祖父)が、ほかの人より一つでも多くの夢を持ってほしい、と学生たちに向けて書いたもの。小原理事長は「今日のように八方ふさがりの日本社会にこそ夢を持つ大切さがあるのではないか」と述べて、乾杯の音頭を取った。
 舞台の幕にはその”夢”の字が飾られ、会場でひときわ輝きを放つ中、正面スクリーンに「写真で振り返る70年」が上映された。
 この後、ジャーナリストの櫻井よしこさんが特別ゲストとして登壇、「日本人はきめ細かさ、優しさで穏やかな文明を育んできたからこそ素晴らしい技術を生んだ。千葉工大は、他の大学よりもっと多くの夢と理想をもって人類に貢献したいと励んできた大学だ。21世紀の社会の中心に立って、最先端を走り続けてください」と激励した。
 引き続きミニコンサートなどで列席者は楽しいひと時を過ごし、最後に瀬戸熊修理事長が「いろいろな方々のご出席を得て70周年祝賀会が成功したことに御礼を申し上げる。私たちは夢をもって、役員教職員一同、80年、90年、100年に向けて、まい進していきたい」と謝辞を述べて閉宴した。
70周年記念 特別サイト・オープン
70周年記念 特別サイト・オープン
 入試広報課は、創立70周年を記念し、2つの特別サイトをオープンした。
 1つは本紙で掲載している「活躍する校友」をまとめたもの。第一線で活躍する先輩たちが、仕事への取り組み方や考え方、大学時代の過ごし方などを語っており、在学生にとって将来を考える指針となっている。
 もう1つは「写真で振り返る70年」=写真。70周年祝賀会で上映されたスライドショーを、ウェブ用に再構築した。ものづくり日本とともに歩んできた本学の歴史が、写真と共に鮮やかによみがえる。
 いずれも大学ホームページのトップ画面から見ることができる。

内田准教授が論文賞


新世代通信技術を解説
内田准教授
 今春本学に赴任した内田真人・電気電子情報工学科准教授=写真=が5月17日、電子情報通信学会・通信ソサイエティ(萩本和男会長)から2012年度通信ソサイエティ論文賞(マガジン論文賞)を受賞した。前任地・九州工業大学で共同執筆した解説論文が、通信技術の発展に貢献すると認められたため。
 論文は「DTN技術の現状と展望」と題し、平成18年7月〜21年3月、情報通信研究機構・九州リサーチセンターで実施した「ユニバーサルアクセスのための仮想アクセス環境技術の研究開発プロジェクト」参画メンバー7人が共同執筆した。
 人命を預かる通信は山間、離島や宇宙、深海でのやりとりに限らず、低電力のセンサーなどによる広域情報収集・配布、災害で通信インフラが損傷を受けたときなど、たとえ時間がかかっても必要だ。ところが、これまでのインターネット通信方式=TCP/IP技術(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)は通信インフラの安定的存在を前提に設計されており、劣悪な環境下での通信は期待できない。
 DTN(Delay,Disruption,Disconnection Tolerant Networking=遅延耐性ネットワーク)は、たとえ情報が遅延・欠落しても、複数の通信経路やパケットデータを組み合わせて情報を送り届けようとする技術。宇宙空間や海中、大規模災害時など、遅延やパケットロスが極端に大きい劣悪環境でも現実的コストで効率通信可能、と近年注目されている。
 論文はDTNの基本技術である蓄積形及び蓄積運搬形転送方式について、研究者・技術者向けに解説。国際動向や今後の展望を紹介し、電子情報通信学会・通信ソサイエティマガジン第16号(2011年春号)に掲載された。
 授賞式は機械振興会館(東京都港区)で行われ、内田准教授は懐かしいメンバーたちと再会、受賞を喜び合った。
 内田准教授は「(前任地での研究で)大変思い出深いものとなりました。DTN技術は、最近では活発に研究開発が行われています。この論文が発展に寄与できればうれしい。今後も研究開発を進めていきたい」と感想を述べた。
 電子情報通信学会は電気系6学会の一つに数えられ、正会員だけで3万人近い。4ソサイエティで構成。会員数が最も多いのが通信ソサイエティで、情報通信関連の学問技術を対象としている。

芝園キャンパスを緑化


被災の修復終わる
芝園キャンパス
 震災で液状化のダメージを受けるなどして進められていた芝園キャンパスの外構工事が、このほど終了した。緑化も併せて進められ、6月の芝園キャンパスは緑にあふれて、すがすがしい。
 写真提供=写真部・萩原光(電情4年)