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2012.6.15

山下君、細川さんらの作品採用


高速バス 彩るデザイン
高速バス 彩るデザイン
神田外語大生とコラボ
 本学デザイン科学科学生と、幕張にキャンパスを持つ神田外語大学の学生が混成4チームを組み、幕張新都心―東京・銀座間を運行する高速路線バスのラッピングデザインを提案。山下浩治君(デザイン科学科4年)、細川恵未さん(同)、ウィレムセン有査さん(神田外語大英米語学科4年)の3人組の作品が最優秀作に選ばれ、6月4日から1年間、バスの車体を彩ることになった。
 企画したのは、幕張地域に密着したタクシー・バス事業を展開する「ビィー・トランセホールディングス株式会社」(千葉市美浜区、吉田平代表)で目的は地元の活性化。地域の人の顔が見える乗り合いを通じ、心の輪を広げていきたい――と「あいさつ」をテーマに、地元学生の若い感性と柔軟な発想に期待した。
 本学は長尾徹教授、赤澤智津子准教授の研究室から計8人が参加。神田外語大はデザインは専門外だが、外国語を通じたコミュニケーションの立場から6人が参加した。長尾研、赤澤研の各1人と神田外語大の学生が組み、計3〜4人で1チームとし、4チームを構成。デザイン科学科非常勤講師・横溝賢氏(デザインヤード主宰)の監督指導で、チームごとに作業を進めた。
 4月6日に実地調査(バスに乗車し運行ルートを見学、社長、運転士へのインタビューなど)を行った後、数回のチェック、各チームのグループワークを経て同17日に中間発表が行われた。5月8日には神田外語大で発表会を開き、グループ会社社長やデザイナーらの審査を経て採用作が選ばれた。
 山下君、細川さんらのデザインは、バス胴体の両側に描かれた女性の口元から、ドットでハートなどを描いた大小の円模様が広がる。片側の円内に幕張メッセ、反対側の円内には銀座・和光本館の時計台。握手する円も描かれ、親しい言葉が交わされているかのよう。ビィー・トランセ社は、グループのあすか交通・平和交通を通じ新設する幕張新都心―銀座間の高速路線バスの車体にこのデザインを施し、1年間走行する。
 細川さんは「テーマは”変化”。バスの価値とは、普段の生活に偶然起こるちょっとした変化に出合えることだと考えました。変化を生かすため、遠くと近くで見え方が異なるドット絵を用いて、会話している様子をデザインしました」。
 山下君は「普段デザインを学んでいない学生とのプロジェクトで、貴重な経験になりました。不安もありましたが”やりきった!”と思える作品ができて、とても満足しています」。
 赤澤准教授は「提示されたテーマに対し、バスの価値を再認識・再解釈し、ビジョンを構築、コンセプトを組み立てる、というようなプロセス全体がデザインの領域。このプロセスをデザイン専門外の学生と共に経験できたのがよかったのでは。さらにそのあとの具体的なビジュアルデザインまでできることが本学科の強みです」と語った。
バスの前でテープカットするビィー・トランセグループ社長らと細川さん(右から2人目)、横溝氏(左から2人目)=ビィー・トランセ本社が入る幕張テクノガーデンD棟玄関前で
バスの前でテープカットするビィー・トランセグループ社長らと細川さん(右から2人目)、
横溝氏(左から2人目)=ビィー・トランセ本社が入る幕張テクノガーデンD棟玄関前で

「CITものづくり」
24年度テーマ決まる


公募8件、学生提案29件
「CITものづくり」24年度テーマ
 平成24年度「CITものづくり」活動の採択テーマが、上表のように決まった。公募型8件、学生提案型は29件。
 「CITものづくり」は、学生たちに、ものづくりへの興味と発案製作の実行力を養ってもらおうと、毎年「CITものづくり支援委員会」がテーマを募集して支援している。対象テーマはハード、ソフトの別や、分野を問わず学生自身の発案による提案型、学生以外からの公募型――の2種類。
 提案が委員会に認められると、原則1年間の支援(上限20万円の支援金)が受けられ、芝園校舎の自由工作室、共通工作室なども利用できる。

山崎研・安藤研が出展


ミラノ国際家具見本市
展示のシンボルとなった、のれんと門 英語で作品を説明する佐々木さん
展示のシンボルとなった、のれんと門 英語で作品を説明する佐々木さん
好評だった別府君・柴田君作の”木製石ころ” 参加者全員で記念撮影
好評だった別府君・柴田君作の”木製石ころ” 参加者全員で記念撮影
 4月16〜22日にイタリア・ミラノで開かれた恒例の国際家具見本市「ミラノサローネ」に、今年もデザイン科学科・山崎和彦教授と安藤昌也准教授の研究室から院生と学部4年の総勢11人が参加し作品を展示した。
 出展場所はレオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館の回廊。客を招き入れることからテーマを「おもてなし」として、展示空間を「smile experience design lab.」と命名。暖簾をくぐって入ってもらい、壁面も、配るパンフも暖簾デザイン。
 キューブを組み立てた展示台には、太陽光で時を刻む”人型時計”や、鳥が舞い上がる瞬間をイメージした椅子、影絵用に切り抜いた金属板など力作15点を並べた。中でも人気は別府拓也君(デザイン科学科4年)と柴田詠一君(同)の共同作”木製石ころ”で、来場者は手に取って「リラックスするね」。商品化の打診もあったという。
 平子元さん(修士1年)は、ワークショップで海外デザイナーと昨年以上に深い交流ができたといい「不安でしたが、みんなの協力で成功させたのが何よりの喜びでした」。
 清水康秀さん(修士1年)は「こんな舞台を用意してくれた先生、関係者の方々に感謝しています」と感想を寄せた。