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2012.5.15

魅力の物質 成膜研究


城谷さん学術奨励講演賞
成膜装置を前に城谷さん
成膜装置を前に城谷さん
 大学院機械サイエンス専攻修士1年(受賞時)・城谷友保さん(坂本幸弘研究室)が一般社団法人表面技術協会・第125回講演大会(3月13、14日=東京都市大学世田谷キャンパス)のポスターセッションで学術奨励講演賞を受賞した。
 テーマは「異なるスパッタガスを用いたRF反応性スパッタリングによるCNx(非晶質窒化炭素)膜形成」。
 窒素と炭素は結合次第で、理論上ダイヤモンドよりも固い結晶体(窒化炭素)になると予測される一方、結晶構造が弱く崩れたような不安定な非晶質(アモルファス)になったりする。
 その非晶質窒化炭素は、半導体様の性質を示したり、白色発光するので将来、低コストの白色照明への応用が期待されたり、と魅力に富む物質。しかし、物性や構造が非常に多岐にわたり、系統化へ研究が進められている。
 城谷さんは、RF反応性スパッタリング(個体の材料物質に、高電圧をかけイオン化させたアルゴンや窒素をぶつけて気化させ、基板上に再び固化成膜させる方法の一種)でCNx膜を形成した場合、スパッタガス中の窒素分圧と試料台電位が膜構造に及ぼす影響について、さまざまに検討、その成果を発表した。
 ポスター発表は、基本的に傍聴者と1対1の対話に近くなる。対手の知識や興味をある程度予想してかからなければならない。ポスターは欲張ると見づらくなるので、研究の断片をシンプルに配置。図をできるだけ大きくし、詳しくは口頭で、対手の知識や関心に応じて説明したという。時間はかかったが、熱意を込めて発表。内容と発表ぶりが高く評価された。
 城谷さんは「大変名誉に思っています。ご指導いただいた坂本先生、発表練習を手伝ってくださった先輩、同期、後輩、評価してくれた審査員にも、深く感謝したい」と感想を語った。

中村君が優秀賞


JSiSE研究発表会
独自交流ツール構築
賞状を手に中村君
賞状を手に中村君
 中村直人教授の研究室でウェブシステムなどを学ぶ情報ネットワーク学科4年(受賞時)・中村悟大君が、教育システム情報学会(JSiSE)学生研究発表会(3月2日=九州工業大学)で発表、優秀賞を受賞した。
 テーマは「小規模グループにおける情報共有を目的としたコミュニケーションツールの構築」。
 小規模グループがウェブ上で気軽にコミュニケーションできるよう、ホワイトボードのようなインターフェースを持つツールを構築した。
 Word Press(無償公開で、改良・再配布できるブログソフト)上でツールを制作し、誰もがツールを容易に導入できるよう苦心したという。システムの有効性、独創性が評価されての受賞となった。
 中村君は、ツールの完成度をもっと高めて発表し、広く配布を目指しているといい「学部生の最後にこのような賞を頂くことができて、とても光栄です。大学院でもよい成果を出せるよう精進します」と感想を述べた。
 8月には第37回JSiSE全国大会が千葉工大芝園キャンパスで開催される。

ロボットグランプリ 大道芸で芸術賞


未ロボ 嶋岡さん、西村君、門司君
芸術賞を受賞した(左から)西村君、門司君、嶋岡さん
芸術賞を受賞した(左から)西村君、門司君、嶋岡さん
 未来ロボティクス学科3年(受賞時)の嶋岡瑞己さん、西村俊弘君、門司敏彦君の3人チーム(青木岳史研究室)が第15回ロボットグランプリ(3月24日・東京都千代田区北の丸公園の科学技術館で開催=社団法人日本機械学会主催)の大道芸ロボット競技で見事、芸術賞を獲得した。  催しは、技術の面白さを知的にスポーツのように楽しむ文化を創生し、「ものづくり産業」の発展に寄与しよう、と20社近くが協力して開かれている。
 大会は大道芸ロボット競技(コンピューター制御部門、からくり部門)のほか▽槍騎兵(ランサー)ロボットが円周コースを周りながら左右の標的を突いていく「ロボットランサー競技」▽ロボットをリモコン操縦しながら、ごみの分別収集を競う「スカベンジャー競技」――の計3競技。嶋岡さんらは子どもたちに楽しんでもらおうと、大道芸を選び「クリスマスボックス=写真」を作った。
 箱から出てきたクリスマスツリーが割れ、中からトナカイが現れて踊る。トナカイはさらにサンタに変身し、プレゼントを渡す。飾った星や球が赤、青、銀色にきらめき、楽しい劇のようなロボットパフォーマンスだ。
 3人は、見た目をきれいに、とロボットにかぶせる服を手作り。「慣れない裁縫に苦労しました。ロボットが大きかったので研究室内で作れず、寒い廊下で作業し、つらかった」。芸術賞を目標に外装にこだわったという。
 コンピューター制御部門にビデオ提出して予選を通過。決勝の実演会場では、子どもたちが作品の前に陣取り、後ろで親や関係者がカメラ撮影。クリスマス装飾が奇抜に動く様子に喜んだ。
 独創性や楽しさ、芸術性で採点。審査員らはクリスマスボックスを「外装が美しいだけでなく、中の機構がしっかりしている」と褒めたたえた。
 嶋岡さんは「子供が多く緊張したが、楽しめました。他チームの作品も素晴らしかった。参考にしていきたいと思います」と語り、「徹夜作業もあり、時間をかけて作ったロボットだったので、目標の賞がとれてよかった」と喜んでいた。

本学名誉教授に5氏


茂木徹一氏 吉岡俊朗氏
茂木徹一氏 吉岡俊朗氏
森田長吉氏 瀧 和夫氏 上原 勝氏
森田長吉氏 瀧 和夫氏 上原 勝氏
 長年にわたって教鞭をとられ、本学における学術の向上に寄与された5氏に、4月15日付で千葉工業大学名誉教授の称号が授与された。
 名誉教授になられた5氏は、元機械サイエンス学科教授の茂木徹一氏、吉岡俊朗氏、電気電子情報工学科教授の森田長吉氏、生命環境科学科教授の瀧和夫氏、デザイン科学科教授の上原勝氏。

「入学案内2013」完成


「入学案内2013」完成
 千葉工業大学の最新情報を満載した総合ガイド「入学案内2013」が出来上がった=写真。
 70周年を迎えた本年のテーマは「ニッポンのミライをつくる。」震災後、日本の絆と力が再注目されている中、メーンカラーを赤で統一し、現役学生を表紙に起用することで『Team CIT』をより強調、チームの絆で「個」を伸ばす大学の魅力を随所で伝えている。表紙には厚盛加工が施され、手にもなじみやすい。
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