NEWS CIT ニュースシーアイティ

2011.3.15

本学を蝶型ロボがPR


湾岸観光の魅力スポット
「観光プロモーションツアー」で講演する菊池准教授(円内も) 「観光プロモーションツアー」で講演する菊池准教授(円内も)
「観光プロモーションツアー」で講演する菊池准教授(円内も)
 未来ロボティクス学科の羽ばたきロボットが、湾岸観光のPRに一役買った。「千葉ベイエリア観光プロモーションツアー」(1月25日)で、本学が、魅力スポットの一つとして紹介され、その講演会でのこと。
 ツアーは東京湾6市の観光協会などが、旅行関係メディアに地元の良さを伝えてもらおうと、毎年2回開いている。
 今回は『「坂の上の雲」秋山好古ゆかりの地と最先端の産業観光スポットを巡る』と題して、自動車部品の一大集結基地であるメルセデス・ベンツ習志野事業所、茜浜緑道、谷津干潟、日本騎兵の父・秋山好古の史跡がある学園おおくぼ商店街など7スポットを巡り、最後に津田沼の“テクノシティー”本学を訪れた。
 新1号棟の未来ロボティクス学科ラボで菊池耕生准教授が、旅行記者十数人や観光協会の同行者を前に講演した。
 菊池准教授は、飛行物体が数ある中で「なぜ蝶型ロボットを開発するのか」――山形・蔵王から沖縄・与那国島まで渡ってしまう蝶々の驚くべき飛行能力を画像で説明。蝶型ロボットにカメラやセンサを取り付ければ、倒壊現場で災害救援ロボットとして被災者発見に飛び回れる。また、さまざまな昆虫ロボットを作れば、動物の生態観察や有害外来種駆除、農作物の受粉ができるなど、技術の有用性は大きく広がる、と説明した。
 観光関係者らは、ハイテク昆虫たちに興味をかきたてられた様子。学術研究の最先端の現場を見学できれば、ベイエリア観光の目玉になりうると感じたようだ。菊池研の学生らが、製作した昆虫ロボットをデモンストレーションしてみせると、会場は沸いていた。
デモした昆虫ロボット
デモした昆虫ロボット

出版


過密地下工事のバイブル
小宮一仁教授
小宮一仁教授
 現代の都市は、地上だけでなく地下空間も過密化が進んでいる。地下構造物は既設構造物の間を縫うように、近接して建設されることが多い。このような地下空間の工事では、既存のすべての施設に悪影響を与えないよう、細心の配慮が不可欠である。そのための技術的・工学的判断や最新知識を集めた案内書「近接施工」が、地盤工学会から出版された。
 本学建築都市環境学科の小宮一仁教授(土質力学、地下空間工学)らが共同執筆したもので、同学会編「地盤工学・実務シリーズ」の第28巻。
 近接施工の場面に遭遇した技術者は、まず既存の構造物への影響を正確に把握しなければならない。そして土質力学、地盤工学に関する理論、知識・技術を駆使して、安全に工事を進めることが要求される。本書では豊富な施工事例を集めて体系的に分類し、各々の施工の際に検討すべき問題点、その対策方法、計測管理の基本的考え方、着眼点などを、第一線の研究者・技術者が説明している。
 小宮教授は第一章、地盤および既設構造物への影響の予測法・数値解析法を担当、要点を総括的に解説している。
 わが国の地下建設技術は世界最先端にあるといい、小宮教授は「なかでも近接施工技術は、欧米先進国の追随を許さないレベルにあります。本書は、海外への技術輸出戦略にも必ず役立つと思います」と語っている。
近接施工
近接施工
著者= 「地盤工学・実務シリーズ」に小宮一仁教授が共同執筆
編集・発行= 公益社団法人 地盤工学会
価格= 4830円(税込)
発売= 丸善株式会社

福島さんが優秀論文発表賞


山崎研時代の発表で
電気電子情報工学
受賞を喜ぶ福島範晃さん
受賞を喜ぶ福島範晃さん
 本学大学院卒業生の福島範晃さんが、在学中に電気学会静止器・回転機合同研究会(昨年1月29日・豊田中央研究所)で発表した論文が、産業応用部門の優秀論文発表賞を受賞した。論文タイトルは「インバータで駆動される大容量高速誘導電動機の三次元電磁界解析―実験・解析結果の比較―」。
 研究は、福島さんが本学電気電子情報工学科・山崎克巳教授の研究室に在籍中に、東芝三菱電機産業システム株式会社との共同研究として行なわれた。研究対象は、ロシアの天然ガスパイプラインのコンプレッサ用に開発されたMWクラスの大形高速誘導電動機。エネルギー効率のさらなる向上を目指し、3次元電磁界解析によって損失発生の主要因を特定することを試み、実機の実験結果と比較検討した。
 福島さんは、電気学会の研究会で、共同研究の代表者として発表。3次元CGアニメを駆使して、誘導電動機の複雑な電磁現象を分かりやすく説明したことなどが評価された。
 大学院での研究が就職に結びつき、福島さんはその後、共同研究先でしかも本学OBが多数いる東芝三菱電機産業システム株式会社に入社。引き続き発表テーマに関連する電動機設計者の道を歩んでいる。
 電気電子情報工学専攻時代に指導に当たった山崎教授は「福島君は、コツコツと努力して着実に成果を挙げる学生でした。この受賞に気を緩めずに日々研鑽を重ね、社会を支える一流の技術者になってほしい」と話している。
 電気学会では毎年、電気学会研究会または各部門大会で発表した35歳程度以下の研究者に対して、各委員会で審査し、優れた発表を顕彰している。