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2010.10.15

江尻研の小原・飯嶋さんが快挙


NYの国際学会で最優秀ポスター賞
燃料電池研究開発
最優秀賞を受賞した小原さん(中)と江尻教授(左)
最優秀賞を受賞した小原さんと江尻教授
 21世紀のクリーンな動力源として期待される燃料電池。その研究開発を促進するため大学、公的研究機関、関連企業などが知見と情報を交換する「第8回燃料電池科学技術講演会」(米国機械学会主催)が6月14〜16日、ニューヨーク州ブルックリンで開かれ、ポスター部門で本学大学院修士課程(指導教員・江尻英治教授)機械サイエンス専攻2年の小原翔さん、飯嶋拓也さんが最優秀賞を受賞した。
 ポスター発表は大判の紙に研究内容をまとめて表現、これを用いて研究論文のプレゼンテーションを行う。
 小原、飯嶋さんが取り組んだテーマのタイトルは「平面配置パッシブ形燃料電池モジュールの熱および物質輸送の実験調査」。
 2人は、家庭内や屋外で使用する小型電源には常温・常圧で動作する単純な構造の燃料電池が適しているとして、平面上にセル20個を配置したモジュールを新規開発してその基本性能を計測。併せて1つのセルが長時間運転中に急に電圧降下する現象に着目し、粒子画像速度測定法(PIV)で流れ場を可視化した結果、その原因が陰極近くの熱および物質輸送と密接に関係があることを突き止めた。
 ポスター部門はアメリカ、カナダ、韓国、台湾の大学、研究機関など21チームが発表するなか、日本から唯一参加の本学が最高賞に浴した。
 小原さんらは「ポスターは観覧者に見やすく、重要な点がすぐに理解してもらえるよう、特に図の配置や大きさ、配色などを工夫してレイアウトしました」と話す。
 江尻教授は「グローバルな学会で自分の研究内容を外国人に理解させることはなかなか大変であることが体験でき、しかも最高評価の賞を受賞、学生にとって大きな自信になると思います」と述べた。

本学自動車部が団体3位


酷暑のレースで奮闘
全日本ダートトライアル
本学自動車部のメンバー
本学自動車部のメンバー
 自分たちが作った車で未舗装路に設定されたコースを走り抜ける――平成22年度全日本ダートトライアル選手権大会は、今年8月7、8の両日、栃木県のマルワオートランド那須で行われ、本学自動車部は団体3位の栄冠を勝ち取った。
 個人では菅谷大君(機械サイエンス学科2年)が8位、児玉光君(機械サイエンス学科4年)が19位、岡澤純也君(機械サイエンス学科2年)が25位だった。なお団体優勝は早稲田大、2位は日本大。
 快晴、うだるような真夏の日差し。猛烈な暑さの中、全国から集まった精鋭20校・60人。本学は6月19日に行われた全関東学生ダートトライアル選手権大会で5位の成績をおさめ、全日本への出場権を得た。
 昨年、広島県安芸高田市で開かれた平成21年度大会で本学は出場26チーム中、団体12位に終わったため、今回はその雪辱を期しての出場だった。今回の3位で、“ダートの千葉工”復活へ手がかりをつかんだ。
 各チーム3人の選手がそれぞれ2回走り、タイムを競い合うが、今年は酷暑、競技中にバンパーを落としたり、転倒したり、午前の3走目の前には散水車が登場するという猛烈レースだった。

ITで田口君が大臣賞


若年者ものづくり競技大会
厚生労働大臣賞に輝いた田口優希君
厚生労働大臣賞に輝いた田口優希君
 次世代のものづくり人材育成をめざして、20歳以下の若者を主に対象とした「第5回若年者ものづくり競技大会」(中央職業能力開発協会主催)が8月4〜6日、神奈川県相模原市で行われ、本学情報科学部情報ネットワーク学科2年、田口優希君がITネットワークサポート競技職種で見事1位となり、厚生労働大臣賞に輝いた。
 ITネットワークサポート競技職種は、企業のサーバーシステムを設計・構築・運用管理する技術者に必要な技と知識を問うもの。
 4時間の制限時間内に信頼性のあるサーバーシステムの構築インターネット接続を含めたネットワークの構築技術ネットワーク上のセキュリティー設定技術、の課題で求められるシステムを、より正確により速く実現することを競う。
 見事大臣賞を手にした田口君は、「講義が終わった後の限られた時間の中で練習してきましたが、過去の競技内容の詳細が公開されておらず、苦労しました。先生方のアドバイスから予想を立て練習に取り組みました。これを機会に今後も一層技術を磨いていきたいと思います」と受賞の喜びを語った。

日本地質学会小澤儀明賞受賞


PERCの後藤上席研究員
調査先での後藤上席研究員
調査先での後藤上席研究員
 本学惑星探査研究センター(PERC)の後藤和久上席研究員は、9月18日に富山大学で開かれた日本地質学会(宮下純夫会長)の第117回学術大会で、同学会小澤儀明賞を受賞した。
新研究分野切り開く
 同賞は「地質学に関して優れた業績を上げた満37歳以下の会員」に贈られる。
 後藤上席研究員の受賞理由は「野外地質学の視点から沿岸巨礫群の分布や特性を丁寧に調査し、津波工学分野の技術との組み合わせにより、巨礫群の起源の認定や津波・高波の水理量の算出を可能にして、新しい研究分野を切り開いた」というもの。
 後藤上席研究員は白亜紀末の天体衝突や、津波堆積物に関する研究を中心に行ってきており、奄美大島など国内各地と、メキシコなど諸外国に出掛け、津波など災害の実地調査も実施してきた。PERCでは火星の地質環境を調べている。
 受賞後、後藤上席研究員は、同大会で「巨礫を測り続けて5000個〜見えてきた琉球列島の津波履歴〜」と題してスピーチを行った。
 「長年地道に続けてきた調査・研究が評価され、たいへんうれしい。いっそう研究に励みたいと思います」と語っている。

瀬戸主任研究員に発表賞


女性研究者育成SA
瀬戸文美主任研究員
瀬戸文美主任研究員
 本学未来ロボット技術研究センター(fuRo)主任研究員、瀬戸文美主任研究員が8月22日、東北大学で開かれた平成22年度工学・工業教育研究講演会(社団法人日本工学教育協会主催)でサイエンス・エンジェル(SA)活動について講演、発表賞を受賞した。
 SAは次世代の女性研究者と科学の伝道者の育成をめざし、日本で初めて18年度に東北大に生まれた。
 当時、同大工学研究科博士課程にいた瀬戸主任研究員はその第1期生。学内ではオープンキャンパスで女子高生対象のセミナーやSA同士の交流・研修会を開く一方、学外では高校へ出向いて出張授業を行い、外部のイベント・シンポジウムにも積極的に参加した。
 20年度に現研究職に就いた後もSAOGとして高校生向けの講演や体験授業、女子学生・女性研究者支援活動を続け、特に21年度本学入試ガイドに掲載された女子学生との座談会は好評だった。
 研究講演会で瀬戸主任研究員は、こうした活動を生き生きと発表し、共感を呼んだ。