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2010.2.15

習志野ブランド 「馬サブレ」商品化へ


長沼さんグランプリ デザイン科学科2年
最優秀賞の長沼紗代さん(前列中央)、優秀賞・田中伸一さん(同左)、特別賞・石川和也さん(同右)と入選の皆さん
最優秀賞の長沼紗代さん(前列中央)、優秀賞・田中伸一さん(同左)、
特別賞・石川和也さん(同右)と入選の皆さん
 習志野商工会議所(鈴木喜代秋会頭)と本学が連携して「地域ブランド」をデザインする地域経済活性化プロジェクトの第1弾、焼き菓子「馬サブレ」。そのデザインコンテストの最終選考会が2月8日、同会議所で行われ、最優秀賞など10作品が決まった。総評で同市商店会連合会長の高橋賢氏は「立派な作品ばかりで悩みました。応募した皆さんの情熱が伝わってきました」と絶賛。同会議所は最優秀作品のデザインを基に技術的な検討を踏まえ、平成22年11月ごろ、商品化を図る考えだ。
 習志野は日本の騎兵隊の発祥の地で、日露戦争では秋山好古を団長とする第一騎兵隊が活躍した。大久保商店街のゲートにも馬の絵柄が用いられていて、古くから馬と縁が深く、馬は習志野の歴史的シンボル。さらにニンジンが名産品でもあり、幸せを運ぶとされる「左馬」をテーマに、習志野を代表するお菓子ブランド・サブレの新開発計画が昨秋、市内のベーカリーの応援も加わって始まった。
 作品の募集方法や期日、最初の応募案、選考期日、入賞金など各種の方策を施した募集を行った結果、学部生から院生までの112作品の応募があった。早々に一次審査を行い、入選10作品を選考し、津田沼祭での人気投票、賀詞交換会での人気投票を経過して、この日の最終選考となった。
 最終選考会では、各応募者から作品に反映されている「習志野」に対する思いが報告され、選考委員に大きな感銘を与えた。
 最優秀賞(習志野商工会議所会頭賞)のグランプリを獲得したのは、本学デザイン科学科2年生、長沼紗代さんの「馬を合わせて幸せを分かち合う」。長沼さんは「馬のやさしいイメージを形に表しました。習志野市の活性化に少しでも関われたらいいなと思ってます」と喜びを話している。
 上記の最優秀賞を含め、すべての表彰された作品は次の通り。敬称略。
《最優秀賞・習志野商工会議所会頭賞》長沼紗代「馬を合わせて幸せを分かち合う」《特別賞・習志野市長賞》石川和也「おらの馬」《優秀賞》田中伸一「We Love Narashino」《入選》水野沙奈、小野和樹、小松海辰、佐藤明日美、居郷翔、此川祐樹、掛川裕也
 最終選考会の投票結果の上位3位作品は、事前に実施された津田沼祭と賀詞交換会での上位3作品と同じだった。選考委員全員がこれら3ヵ所での投票結果の一致に驚き、それぞれ上位から「最優秀賞」「特別賞」「優秀賞」とした。
 このデザインコンテストの選考委員である本学デザイン科学科の上原勝学科長は「習志野のブランド商品を目指した、今回の『馬サブレ』の企画が知らされ、地元の若者・学生に協力してもらい、地域の人々に関わってもらう必要がある、と提案して、このコンテストに至りました」と講評。上原教授は「皆さんも講評してみてください。近日中にこれらの作品が習志野の商品にデザインされて現れます。地産品を支援してください。次は君が地域貢献にチャレンジしてください」と話している。
 鈴木喜代秋会頭の授賞式挨拶 現在、「坂の上の雲」を放映している中で、習志野は日本騎兵隊の発祥の地であります。それにちなんで、今回は「馬サブレ」ということでコンテストの審査を行い、千葉工業大学のデザインが決まりました。
 習志野市長・荒木勇氏の授賞式挨拶 商工会議所が産学官民共同して町おこしに努力され、それに常に応えてくれている千葉工業大学、学生。心から感謝します。習志野は「馬だね」ということで、全国にアピールしたい。
デザイン科学のトリオも活動
 この「馬サブレ・プロジェクト」には、本学工学研究科デザイン科学専攻の佐藤研究室修士1年、姫野剛さん▽同、押田幸宏さん▽同、鈴木亜弥さんのトリオが昨秋のスタートから参加した。
 3人は「僕たちの活動の狙いは『地域住民の方々と共にお土産をデザインする』というものです。僕たち学生メンバーは、一般人気投票や広報活動の実行メンバーとして現場で活動する機会がたくさんありました」と話し、「その中で、デザインに無関係な人々とどのような情報を共有し、楽しんで参加してもらうかを考えることにとても苦労しました」と言う。
 しかし、「苦労の成果として得られた、純粋に食べ物としてみた意見や、製造や流通に関する意見など様々な視点からの意見はとても興味深いものでした。一般の方々と共に物を創る難しさと、面白さを学ぶことが出来ました」と貴重な実習経験を振り返る。
 「馬サブレ」の今後については「地元のベーカリーさんとともに、サブレの味やお土産のパッケージなどブランドイメージの方向付けを行い、地域の人々が誇れるお土産にしたい」と意欲的に語った。
 
「馬を合わせて幸せを分かち合う」 「馬を合わせて幸せを分かち合う」
長沼 紗代
 
「おらの馬」
「おらの馬」
石川 和也
「We Love Narashino」
「We Love Narashino」
田中 伸一
「ありがたや馬サブレ」
「ありがたや馬サブレ」
小松 海辰
「うまくいくサブレ」
「うまくいくサブレ」
居郷  翔
 
「食べ易く、幸せになれるサブレ」
「食べ易く、幸せになれるサブレ」
佐藤明日美
「4足歩行であることが分かりやすく子どもの玩具のようなシルエット」
「4足歩行であることが分かりやすく子どもの玩具のようなシルエット」
水野 沙奈
「馬+ヒヅメ=馬サブレ」
「馬+ヒヅメ=馬サブレ」
小野 和樹
「サブレ1枚でもNARASHINO」
「サブレ1枚でもNARASHINO」
此川 祐樹
 
「みんなで分けよう馬サブレ」
「みんなで分けよう馬サブレ」
掛川 裕也

木村さんが準大賞


pdwebデザインコンペ2009
準大賞を受賞した木村友昭さん
準大賞を受賞した木村友昭さん
 プロダクトデザインの総合Webマガジン誌の「pdwebデザインコンペ2009」で、本学大学院工学研究科デザイン科学専攻1年、木村友昭さん(山崎和彦研究室)の応募作品「wall clock〜太陽と月」が昨年末、準大賞を受賞した。
 作品は、1日を空に例えて表す「壁掛け時計/照明」で、「時間に縛られがちな現代社会に少しの癒し」を提案したという。審査員の評価も高く、「吊り下げ式の時間照明を作りながら、もっとシンプルで効果的な形がないかと、アイデアを巡らせ続けた作品が賞につながり、大変うれしい」と喜んでいる。
 今回のコンペでは大賞の該当作品がなく、木村さんが事実上トップにあたる。正確に時刻を示さない代わりに、シームレスに変化する光の色とその向きによって、室内空間に時間情報を広げた独創的な作品。木村さんは「人工の灯りではなく、太陽の光と生活するというコンセプトがデザインの根幹にあります。時と共に変化する時計の光を通して、本当の空を見上げる様な体験へつなげたいと考えました」。テーマは卒業研究の一部から抽出したという。
 審査委員長の秋田道夫氏は「予備審査の段階から評判もよく、票を集めた」。審査員の芝幹雄氏は「光の色と影を使って表現したところが、小さいながらも盲点をついていた」と評した。磯野梨影氏も「時間を感覚的に表すことに共感を覚えた」と話している。
木村友昭さんの作品 「wall clock〜太陽と月」
wall clock〜太陽と月
木村友昭さんの作品