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2008.11.15

自由に使える長まくら


松崎助教にグッドデザイン賞
自由に使える長まくらの使用方法
  自由に使える長まくらの使用方法
松崎助教
松崎助教
 本学工学部デザイン科学科の松崎元・助教が考案した「自由に使える長まくら」が、2008年度グッドデザイン賞(Gマーク)に決まった。
 松崎助教によると、寝具の好みは人それぞれ違うが、その日の体調や気候によっても寝心地は異なる、という。就寝から目覚めまでの寝返り状況や体圧分布などを計測し、オーダーメイドとは別の観点から、自由度の高い多機能まくらを開発した。

どんな寝相にも・・・

 長まくらの中央に、斜めのステッチ(縫い目)を施すことで、L字に折り曲げることができ、さまざまな就寝姿勢に対応することができる。潜在的にあった「シンプルな抱きまくら」の市場を新たに開拓した商品でもある、という。
 「ポリエステルわた自由に使える長まくら」(43センチ×129センチ)の価格は3045円(税込み)。折った状態で片側を背中に当てたり、頭を中央にのせて寝返りできる。また、片側を抱きまくらに・・・・・・などの使用方法もある。
 詳細は、主催である(財)日本産業デザイン振興会のウェブサイト(http://www.g-mark.org/search/Detail?id=34143&sheet=outline)で。

パテントソリューションフェアに展示


高谷研究室が新技術発明
展示ブースで企業関係者の質問に親切に対応する高谷教授
展示ブースで企業関係者の質問に親切に対応する高谷教授
 特許保有者が、その技術内容やビジネスプランを展示・発表する「パテントソリューションフェア2008」が10月1日から3日間、東京ビッグサイトで開かれた。特許技術プレゼンテーションの狙いは「知財の活用」で、会場には新しいビジネス機会を求める企業人らが次々と訪れた。
 本学工学部機械サイエンス学科の高谷研究室(高谷松文教授)は、マグネシウムに関する2つの研究を出展した。
 同研究室では電子機器の軽量化や輸送機器の軽量化による省エネルギー、COの軽減に不可欠なマグネシウム研究に取り組んでいる。機械式研磨の危険性を低減し、環境に配慮した化学的光輝研磨処理の技術を追求する一方、環境に優しい表面処理技術や有効な接着接合についても研究している。
 マグネシウムは腐食しやすいのが弱点。展示した特許技術はこの特性を克服する高硬度酸化マグネシウム皮膜の形成方法耐食性、耐熱性マグネシウム複合材料およびその製造方法――の2点で、ライセンス契約先を求めた。
 高硬度酸化マグネシウム皮膜は、マグネシウムやその合金へ皮膜を形成させる新技術の発明。高谷研究室は産業での利用可能性について、耐熱性、耐食性がよく、高い硬度を持ったマグネシウム系軽量材料の製造に用いることができるとしている。
 優れた耐食性、耐熱性を持つマグネシウム複合材料およびその製造方法の発明は、電子産業分野や自動車産業分野などの部品材料に幅広く利用できるとされており、高谷研究室の展示ブースには企業48社が訪れた。

平成21年度
入学生納付金据え置き


イノベーションジャパンに出展

柴田教授―― 偏光フィルムの耐湿性向上技術
来場者に技術説明をする柴田教授
来場者に技術説明をする柴田教授
 産学連携の現状と将来を一望できる国内最大級のイベント「イノベーション・ジャパン2008―大学見本市」が9月16日から3日間、東京有楽町の東京国際フォーラムで開かれた。新しい製品やサービス、事業を生み出すシーズ志向の高まりを受け、5周年目の今年は最先端技術の研究成果の展示は329件(昨年257)に増え、新技術説明会も215(同188)に拡大した。
 本学工学部生命環境科学科の柴田充弘教授は、偏光フィルムの耐湿性を向上させる新技術(ポリビニルアルコール―シリカハイブリッドを用いたヨウ素系偏光フィルム)を出展した。
 液晶表示素子にはヨウ素系ポリビニルアルコール偏光フィルムが使用されているが、高温多湿下における耐久性が十分でない。柴田教授は、有機・無機ハイブリッド化により耐湿・耐熱性を上げる技術を発明した。
 展示会で柴田教授は、染色法と酸化法でそれぞれハイブリッド偏光フィルムを作製し、光学特性と耐湿・耐熱性の評価を行った。その結果、いずれの方法においても光学特性が良好で、高温多湿下における偏光度の低下が抑制されるなどの成果を得たと発表した。
 この新技術は液晶テレビやパソコンなどの液晶表示に用いられる偏光フィルムに使用でき、特に耐湿・耐熱性を必要とするカーナビゲーションや液晶プロジェクターの用途に適しているという。
 今回は実験レベルの成果であり、実際の工場での生産に適応可能かどうかや、実際の使用に必要な物性面での優位性があるかどうか――これらの点について、柴田教授は企業側の検討を期待している。
人生一度、やりたいこと見つけよう

古田fuRo所長 就活で講演
就活アカデミーで講演する古田所長
就活アカデミーで講演する古田所長
 就職の秘訣を教えます――いつもはロボット関連の催しで子供たちからお年寄りまで人気の本学未来ロボット技術研究センター(fuRo)の古田貴之所長が、大学3年生と修士1年生対象の講座で熱演した。
 10月18日、東京・原宿で開かれた「1dayインターンシップ 就活アカデミー2010」(NECソフト・マイナビ共催)で午前と午後の2回、古田所長と就活専門家が各回250人以上のIT業界志望学生に語った。
 古田所長は「有機的な未来を拓く、人を幸せにする技術とは」と題して初めにfuRoの開発したさまざまなロボット、米国の4足歩行ロボットなどを動画で紹介。「今は、そんなに技術を知らなくても“技術と技術”“技術と人”との組み合わせでいろいろなことが出来る時代。要はアイディアで、理科系文科系は問わない」と述べた。
 ロボット技術は今、家や家電など身近なもののパーツとして使われ、また街を「賢くする」主役となって安全・安心な生活空間づくりに活躍している。つまり、ロボットは「手足があるもの」ではなくなっている。
 カギは「技術をどう使うか、人をどう幸せにするか」で、IT業界はそうした思想のもとで、技術と社会の仲介者であるべきだ――と語った。
 締めくくりは「就職の秘訣」。それは、人生一度、何をしたいのか、やりたいことを見つけるやりたいことを仕事にするため自分の意見を伝える「プレゼン能力」を会得すること。「恋愛と同じだよ」――古田所長はそう結んだ。