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2008.7.15

千葉工業大学決算(平成19年度)承認



 学校法人千葉工業大学の平成19年度決算が5月28日の理事会・評議員会で承認された。平成19年度は、津田沼・芝園キャンパス再開発5カ年計画を見据え、教育・研究の高度化、施設設備の充実などを反映した決算となった。芝園キャンパスには、新校舎・12号館が3月に完成した。
事業の概要

【教育研究活動】

■学生満足度向上へ向けた継続的対応
  「学生生活満足度アンケート」調査は、平成18年から大学の自己点検評価等、第三者評価を考慮して質問項目を再検討し、新たな視点から「学生生活アンケート」に変更した。今年度は新たな質問項目に「情報化への対応」を加えた。調査の結果は、学生の意識や新しい考え方の理解に結びつき、学生指導や教育計画立案等の資料として役立てている。

■事務組織の改編
 学生生活や勉学の満足度を上げるため、これまでの教務部・学生部・芝園事務部を統合し、学生支援部署として「学生センター」を開設した。

■入学前教育の充実
 AO入試・推薦入試の入学予定者に入学準備プログラムを用意し、大学での学びに必要な基礎学力の強化に努めた。

■リメディアル教育の充実
(1)プレ科目の設置
 
 「数学」「物理学」「化学」が理解不足と思われる学生に、各プレ科目を設置しリメディアル教育の充実を図った。  
(2)学習支援センターの開設 
  講師が常駐して、学生からの理工系基礎科目に関する質問に答え、学習支援を行っている。

■新入生に対する少人数制による総合的な支援
(1)導入教育(オリエンテーションの実施) 
  全学部、全学科の入学生を対象に「導入教育」の一環として各学科単位にオリエンテーションを実施している。
(2)「高校から大学への移行プログラム」の導入 
  平成19年度からは、従来のクラス担任制度に加え、新たに移行プログラムを取り入れ、よりきめ細かな支援を行っている。1年生に 対しては、専門課程の全専任教員(助手を除く)が約10名の学生を受け持ち、入学直後から、履修手続きが終了し学習が軌道に乗る5月までは、最低週1回は定期的に集まり、学生の相談を受け助言指導した。5月以降も最低月1回(8月は除く)は同様の支援を行った。

■習熟度別教育の充実
 入学直後に全新入生を対象に実施する、「英語」「数学」「物理」「化学」の学習状況調査の結果を踏まえて、「習熟度別クラス編成」を行い、学生個々のレベルに合わせた授業運営を行った。

■キャリア形成教育の実施
  19年度、本学は実務秘書検定試験で、合格者を多数輩出した優秀校として表彰された。

■就職支援活動の充実
 入学から卒業まで一貫したキャリア支援をより強化するため、キャリアセンターを部として独立させた。

■日本技術者教育認定機構(JABEE)認定申請に向けた取組強化
 全学部・全学科でのJABEE資格取得を目指し、全学的な教育課程の見直しと教育体制の改善を図るべく検討を進めた。

■教員の資質の維持向上活動(FD活動)の加速
 FD活動を加速させるために、19年度から、学部のFD活動推進委員会に加えて、大学院に大学院FD委員会、学部と大学院のFD活動を一元的・効率的に協議する場としてFD協議会を新たに組織した。
・FDに関する取り組みと成果をまとめたFD報告書を刊行し、全教職員に配布した。
・学部学生に対し授業満足度調査を行い、その結果を各担当教員に知らせるとともに、全学的に集計・分析した結果を外部調査会社の分析結果と併せて、教授総会で配布し説明した。
・授業改善に役立てるため、授業満足度調査の結果を踏まえて、各教員が授業改善点検書を作成した。

■自己点検・自己評価の実施
 既設の大学評価委員会及び第三者評価準備委員会を統合し、自己点検評価委員会を発足させた。  20年度に予定している外部認証評価機関による大学機関別認証評価の受審に向けて、点検項目の見直し、評価体制の整備を進め、全学的な実施体制を確立したうえで自己点検評価を開始した。

■第三者評価機関への受審申請
 認証評価機関による評価を20年度に受審することを学内理事会で決議、(財)日本高等教育評価機構へ申請した。

■平成18年度「特色ある大学教育支援プログラム」(特色GP)及び「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」(現代GP)の継続的実施
(1)「特色ある大学教育支援プログラム」 ―マルチメディア教材による教育・学習支援―
   (副題)シミュレータをベースにした理工学教育e―Learning
(2)現代的教育ニーズ取組プログラム ―地域との連携による工科系キャリア学習支援―
   (副題)PMFによる地域共生職業訓練教育システムの開発と実践

■入学試験
 20年度入学試験は、新たにアドミッション・オフィス入試の「創造型」と一般入試の「センタープラスワン」の二つの入試制度を導入した。

【研究推進活動】

■科学研究費補助金等競争的研究資金の積極的導入
(1)科学研究費補助金  
  20年度科学研究費補助金の申請件数は72件で、継続を含めて34件が交付内定を受けた。
(2)公的機関(NEDO、経済産業省等)からの受託研究費 
  公的機関からの受託研究費を積極的に獲得し、受託研究費総額2億6300万円のうち、公的機関からの研究費が70%を占めた。件数についても昨年の12件から21件にほぼ倍増した。主なものは次の通り。
・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成金「次世代ロボット共通基盤開発プロジェクト」(平成17〜19年度)
・経済産業省の助成金「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト 移動知能(社会・生活分野)の研究開発」 搭乗用移動知能の構築を簡便にするモジュール群の開発〜環境インフラと連動するパーソナルモビリティ〜(平成19〜23年度)
・経済産業省の助成金「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト 移動知能(サービス産業分野)の研究開発」(平成19〜23年度)
・経済産業省の助成金「サービスロボット市場創出支援事業」(平成18〜19年度)
・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成金「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト」(平成18〜20年度)

■産官学融合の強化
(1)総合研究所  
  助成研究、外部研究資金を主とした研究を「プロジェクト研究年報」としてまとめ、国内の各研究機関等に発信した。
(2)未来ロボット技術研究センター(fuRo)
・未来のモビリティを目指すロボット「HallucU(ハルク・ツー)」を開発した。
・誰でも簡単にロボットを操縦できる操縦装置「Hull(ハル)」を開発し、「HallucU(ハルク・ツー)」とともに日本科学未来館に納入した。
・ロボカップ世界大会レスキュー実機リーグで準優勝。
・上野・国立科学博物館で開催された「大ロボット博」をプロデュースした。来場者は25万人。期間中、ロボットデモンストレーションを行い、経済産業大臣をはじめ多数の国会議員、省庁関係者が視察に訪れた。

■電子ジャーナルの拡充
 IEEE、サイエンスダイレクトの電子ジャーナルに加え、日経BP記事検索サービス大学版、朝日新聞記事検索データベース(聞蔵Uビジュアル)、ジャパンナレッジ、スエッツワイズリンカー等が図書館ホームページ上から利用(学内のみ)できるようになった。

【学生支援関係】

■健康生活への支援  
 19年度はカウンセラーを3名から4名に増員し、メンタルカウンセリングの充実を図った。

■課外活動支援の充実
 学生が社会に巣立った後、特に求められる社会性や人間力を培っていけるように、課外活動を通じて支援を行っている。

【施設設備等整備関係】

■津田沼校地再開発計画の推進
  津田沼校舎新1号棟は、20年1月に上棟式が行われた。20年3月までの津田沼校舎新1号棟の進捗状況は、外装工事を終了し、内装工事が18階まで進んでいる。今後、20年9月供用を目指して内装仕上げ工事及び外構整備工事を進めていく。  また、再開発に伴いインフラ整備工事及び共同溝のケーブルラックの敷設工事を進めた。

■芝園校舎増棟計画の推進
 芝園校舎12号館は、平成20年3月に完成した。12号館は地下1階、地上9階(高さ42・35b)、延べ床面積9900平方bで、1階は事務室及び保健室、2階は講師控室、学生談話コーナー、学生相談室、3〜6階は実習室、工作室及び製図室がある。7階は学生が余暇を楽しめるようアスレチックジム、スカッシュコート、3on3バスケットコート等を設置。8階には東京湾や富士山が眺められる展望ラウンジを設け、充実した学生生活を過ごせる施設とした。

■その他施設設備整備関係
(1)津田沼校舎
・6号館西側外壁を新1号棟の意匠に合わせるため、石貼りとアルミカーテンウォールを施工した。
・講義室の教育環境充実のためビデオプロジェクターを6号館に9カ所、7号館に2カ所設置した。
・5号館、6号館、7号館の男女トイレの一部を和式から洋式に変更し、洗浄機能付き便座を設置した。
(2)芝園校舎
・3号館、5号館屋上防水、外壁及びサッシ改修工事を行った。
・6号館1階、8号館2階トイレを和式から洋式に変更した。6号館の男子トイレの一部を身障者対応タイプに改修した。
・講義室の教育環境充実のためビデオプロジェクターを5号館に5カ所、8号館に3カ所設置した。
・茜浜運動施設ビーチバレーコート新設
  20年度から体育の授業で開講を予定しているビーチバレーに対応するため、海砂を入れたビーチコートを設置した。

【地域・社会への貢献】

■技術・情報振興会
・中小企業金融公庫、コラボ産学官、千葉県異業種融合化協議会等との技術相談に積極的に取り組み、受託研究に発展させた。
・千葉工業大学初の大学発ベンチャー企業「活レ動ロボット研究所」の設立を支援した。

【法人管理・運営関係】
・19年度より、授業の出欠管理が容易に行えるよう、授業開講全講義室に出欠管理システムを導入した。これにより学生の授業出欠状況を適切に把握し、きめ細かな指導が行えるようになった。
・法人の中長期戦略の検討・立案、各種情報の収集・分析等を行う総合企画室を新設した。
・職員の資質向上を目指した新勤務評価制度を導入した。
・監査機能の強化
  法人運営の適正化をより向上させるため、平成19年4月から常勤監事1名を置き、学内に監査室を設置した。本学の公益通報窓口は監査室に置く。