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2008.4.15

平成20年度入学式 本岡誠一学長式辞


『学び』は地道な努力の先にある
本岡誠一学長 期待と不安を胸に学長式辞に聞き入る新入生
期待と不安を胸に学長式辞に聞き入る新入生
教員と学生とが互いに切磋琢磨
 新入生諸君、ご入学おめでとう。
 会場にご臨席のご父母の皆様、ご子息、ご令嬢のご入学おめでとうございます。衷心よりお祝い申し上げます。
 平成20年4月1日の本日、まさに春爛漫、桜の花も満開の中、千葉工業大学は、工学部の機械サイエンス学科、電気電子情報工学科、生命環境科学科、建築都市環境学科、デザイン科学科と未来ロボティクス学科、併せて1725名、情報科学部は情報工学科、情報ネットワーク学科、併せて340名、社会システム科学部は経営情報科学科、プロジェクトマネジメント学科、併せて327名、三学部合計2392名、また、大学院は、修士課程、工学専攻、情報科学専攻、社会システム科学専攻併せて251名、博士課程は同じく三専攻併せて11名、総数2654名の新入生を迎えて入学式を挙行する運びとなりました。
 私ども、千葉工業大学の教職員一同、このように多くの新入生を迎えられる事を非常に嬉しく思いますと同時に、その責任の重さに身の引き締まる思いでございます。
 新入生諸君、諸君は3月までそれぞれ異なる環境の中で生活して来られましたが、今日からは、千葉工業大学という共通の学びの場での生活が始まります。最初に、諸君にとって今日から少なくとも4年間、生活の場の中心となる千葉工業大学の建学の精神についてお話し致します。
 建学の精神とは、大学における教育・研究の基本理念であり、いわば大学の拠り所となるものです。千葉工業大学は、建学の精神として、特に[師弟同行][自学自律]を前面に掲げております。
 簡単に説明致しますと、大学において先生と学生が教育や研究の場などを通してお互いに切磋琢磨し合う事で(師弟同行)、激しく変化する世の中にも、十分対応できる基礎学力のしっかりした創造力豊かな人材(自学自律)を育成するという事です。
 21世紀は、知識基盤社会と言われて久しいですが、従来の物中心の価値基準から、知識、情報やサービス中心の価値基準へ移行してきたと言えます。経済面では、世界単一市場経済が実現し、国家間の壁が極めて低くなって、人、物、金、情報が自由に流通するようになりました。更に、IT革命によって、情報は地球上を一瞬のうちに駆け巡ります。例えば、昨年アメリカに端を発したサブプライムローン問題が、今なお世界中の為替レートや株価に時々刻々影響し続けております。
基礎学力確認へ支援体制を充実
 このような時代に生きる私達は、国内のみに目を向けていては生きていけません。大学も諸君の勉強も例外ではなく、いわゆる従来の学力と称される測定可能な近代型能力や知識等を身につけるだけでは十分ではなく、コミュニケーション能力、創造性や意欲など、人間力や対人能力と言われる、ポスト近代型能力が求められるようになっております。
 千葉工業大学では、このような変化の激しい現代に対応するために必要な基礎力と創造力を養うため、きめ細かなカリキュラムを用意しております。
 新入生諸君の中には、高等学校までの教育課程の多様化や大学入学試験の多様化のため、基礎学力が必ずしも十分でない苦手な分野がある諸君がいるかもしれません。千葉工業大学では、このような入学生のため、基礎科目について必要な知識を十分に理解した上で、大学の講義に進めるためのカリキュラムを用意しております。これらのカリキュラムを通じ、基礎学力の確認が必要な諸君は、積極的にカリキュラムを履修し、各々が理解できていない分を早急に取り返すようにして下さい。
 また、本学への入学により、高等学校と生活環境が大きく変わることがあるかと思います。本学では、このような生活環境上の問題や、就学環境上の問題などについても、専門各学科の全教員が諸君とミーティングをしながら、相談に応じ、アドバイスをする体制を整えております。
 世の中がどんなに進歩し、便利になっても「勉強する、学ぶ」という人間の行為に王道はありません。楽をして学べることは決してありません。パソコン、インターネット等学ぶための手段や道具は大変進歩し、便利になりましたが、「学ぶ」という行為は、地道な努力の積み重ねなくして、達成できるものではありません。
 更に、新しい技術を発明・発見するような先進的な研究に携わり、成果を上げられるようになるためには、昔から言われている「読み、書き、そろばん」、すなわち、読解力、表現力、計算力の基礎学力がとても大切なのです。諸君がそれぞれの専門分野に進み、卒業研究や大学院で成果を挙げるためには、明日から始まる数学、物理、化学や語学などの基礎学力が不可欠です。広い一般教養に裏打ちされた基礎学力と専門的基礎知識をしっかりと身に付け、自ら問題を見つけ、その問題を自ら解決できる力を養うよう日々精一杯努力して頂きたいと思います。
健康第一に 授業を最優先 友人は人生の宝
 新入生諸君、青春と言われる諸君の年代は、人生を一年に例えるならば、すべての動植物が一斉に躍動し始める、春の季節に当たります。人間の一生の中で最もエネルギーに溢れ、日一日変化成長するのが、青春のこの時期です。青春は短いものですが、あらゆる事に挑戦できる力は人生で一番強いのです。自分に与えられた可能性を信じて、何事にも精進する事が重要です。
 そこで、諸君の大学生活を実り多いものにするために、諸君に心がけてほしい事を三つお話します。
 第一に健康です。大学は自由が多い半面、生活面でも自己管理が大切です。心身が健全でなければ、全ての事はうまく運びません。
 第二は、毎日の具体的な計画、目標を立てる事です。
 高等学校までは、敷かれたレールに乗って、時間割り通りにこなせば良かったと思いますが、大学は自由度が増す半面、自分の行動は自己責任で決めなければならない事が多くなります。短期、中期、長期と計画を立て、授業を最優先とし、自分の時間を自分で管理して、主体的に生活してもらいたいものです。
 第三は、友人を多く作る事です。
 中国には古くから、「常相知、常相助、常相守」という言葉があります。これは、「お互いに知り合い理解してこそ、助け合う事も、守り合う事も出来る」という意味です。
 現代は、人と人との関係が非常に希薄になって「隣は何する人ぞ、吾関せず」が多くなっており、このような現代だからこそ「常相知、常相助、常相守」をより大切にして頂きたいと思います。
 学生時代に、損得を抜きに付き合え理解し合える友人を得る事は、今後の長い人生という旅路で貴重な宝となります。友人を得るには、自分が良き友人になるよう、心がける事が大切ですが、その第一歩は、人と会ったら挨拶をする事です。今日から教室や研究室で友人や先生と大きな声で挨拶を交わして下さい。
 以上、健康、計画と目標、友人、とごく当たり前のことをお話し致しました。早速今日から実行に移し、楽しく有意義な学生生活を始められるよう期待しております。
 ご父母の皆様、私ども、千葉工業大学の教職員一同は、みなさまのご期待に応えられるよう、誠心誠意努力を惜しまない所存でございます。今後とも、ご協力を宜しくお願い致します。
 最後になりますが、新入生諸君、学部、大学院のそれぞれの課程で、楽しく実り多い学生生活を送ってください。諸君の青春のアルバムが、千葉工業大学での数え切れない貴重なスナップで埋め尽くされる事を期待して、式辞と致します。


ロボット実演を見る新入生 空手部に入って!! 校歌斉唱する千種寮生有志 入学式場前で
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