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2008.2.15

ビジネスに役立つデザインの活用法


県と連携、本学で講演会
「ちば・戦略的デザイン活用塾」開催
デザイン活用塾には約70人が参加
デザイン活用塾には約70人が参加
山崎教授 赤澤助教
山崎教授 赤澤助教
 千葉県と千葉工大は、連携して「ちば・戦略的デザイン活用塾」を開講することになり、1月24日に本学津田沼校舎で第1回講演会を開いた。
 塾の狙いは、デザインを活用して県内中小・ベンチャー企業に、製品などの市場性やブランド力を高めてもらうこと。デザインを単なる色や形の表現としてではなく知的資源として捉え、具体的な活用法をはじめ、その効果などについて企業の疑問に応えていく。
 全体のコーディネーターは、本学デザイン科学科の赤澤智津子助教。
 24日の講演会「ビジネスに役立つデザインの戦略的活用」はデザイン戦略の基礎を学ぶもので、約70人が参加した。
 初めに主催側から千葉県商工労働部産業振興課の麻生恵課長が、地元企業発展のため、全国的に実績を評価されている千葉工大デザイン科学科と連携する意義を語った。
 続いてデザイン科学科・山崎和彦教授による基調講演「ビジネスに役立つデザインの戦略的活用法」が行われた。
 山崎教授は「お客様の満足が最重要。ユーザー中心の考え方を徹底し、企画・開発段階から“使う人”を考慮すること。それを人間中心のデザインと呼ぶ」と前置きし、その効果として「ユーザー満足度の向上→企業に対する良い印象の増大→商品・サービスのブランド力向上」を挙げた。
 開発の早い段階からユーザーを中心にすることで効果的な投資、出荷後のサービス費用削減などにもつながると述べ、さらに、「人間中心のデザイン」導入の具体的な手法について説明した。
 次の講演は、ブランドイノベーション代表取締役・武内良正氏の「企業価値・商品価値を高めるブランド手法」。「ブランドとは何か」から始め「値段が高くてもお客様が繰り返し買ってくれるブランド価値をどう高めるか」を説いた。
 最後はUJI PUBLICITY代表・ウジトモコ氏の「経営に使える視覚マーケティングとしてのデザイン事例と活用」。聴講者にも参加してもらいながら、視覚戦略の考え方、立案の仕方などを説明した。
 聴講者からは「商品には、機能的価値だけでなく感覚的な価値も必要だと分かった」「学生のデザインを募ってみたい」などの声が聞かれた。
 塾は今後5回(予定)にわたってパーソナル講座を開き、デザイン科学科と専門家が個別課題のセミナー・ワークショップを行う。

土木学会講演会で「優秀講演者表彰」


生命環境科学専攻1年 本沢文香さん
本沢文香さん
 本学生命環境科学専攻1年、本沢文香(ほんざわ・ふみか)さんが、社団法人・土木学会主催の「平成19年度土木学会年次学術講演会」の「優秀講演者表彰」を受けた。
 本沢さんは、環境水理学、海洋工学の矢内栄二教授研究室で学んでいる。今回の論文題目は「千葉県における高潮および津波災害予測に関する研究」。内容は、千葉県における高潮および津波ハザードマップの作成を行い、災害対策上の問題点について検討を行った。
 土木学会全国大会の講演発表は、昨年9月12日〜14日まで3日間、広島大学東広島キャンパスで行われた。同大会で、本沢さんは論文内容に加え、講演が簡潔明瞭で優れていることが認められた。
 本沢さんは「講演当日まで、矢内教授に何度もアドバイスをいただいたり、自分なりに分かりやすい発表を心掛けた結果で、大変誇りに思います」と受賞の喜びを語っている。

放置自転車を有効活用
好評!!レンタサイクル


“津田沼周辺” 本学学生が考案 街活性化に一役 “TVで紹介”
前列(左から)横山、三上、森田君 後列(左から)秋元、津阪、小川君 自転車を修理する学生
前列(左から)横山、三上、森田君
後列(左から)秋元、津阪、小川君
自転車を修理する学生
 1月7日朝8時半、TBSテレビ「はなまるマーケット」が始まった。この日の特集は「ベッキーのエコスパート」。しばらくすると……。
 「千葉工業大学。ここではあるゴミが大学を悩ませていました」のナレーションとともに放置された自転車の画面。「これすべて捨てられたゴミ……シェアを使ってこのゴミをよみがえらせることができたんです」。ここで紹介されたのは千葉工大の現代GP産官学連携プロジェクトモデル事業である「レンタサイクル」だ。
 番組は進む。「卒業生が置いていく自転車は年間350台くらい。1台処分するのに1500円でトータル50万円もかかり、困っていました。これに注目したのがこちらの学生たち。放置自転車を有効に使おうと乗り出したのです」
 学生が話す。「自転車をシェアして、地域の方に利用してもらうことにしたんです」。
 大学構内以外にも津田沼駅周辺には違法駐輪、放置自転車が多く、商店街は困っている。この問題を解決し、商店街を活性化するため、本学の学生たちがレンタサイクル(貸し自転車)を考えついた。
 昨年9月にスタートしたこのシステムは、登録した利用者が、まず朝自宅から駅の駐輪場まで自転車で通勤。昼の時間帯は、近隣の方が買い物などに使い、夕方までに返却する。夜は、通勤客が自宅まで乗る。
 自転車はすべて本学の学生が一度自転車を全部分解、整備して提供している。自転車メーカーに研修に行き、安全基準を満たせるだけの技術を習得し、利用者の安全第一を心がけている。
 貸し出している30台の自転車は、すべて同じカギで、どれに乗ってもよく、利用料金は3カ月で500円。利用者たちは「いつもきちんと整備してあって乗りやすい」と喜んでいる。この「シェア方式」はパリでも行われ、市内にいくつもの駐輪場を用意し、好きな所で乗り、好きな所で降りられる。
 レンタサイクルを運営する学生は、経営情報科学科4年の小川裕樹、津阪清隆、秋元隆徳の3君(西ア泰准教授指導)と機械サイエンス学科3年の「3RLab」横山起季、三上真行、森田翔の3君(教育センター・谷合哲行助教指導)。
 学生たちは、「もっとたくさん駐輪場を用意して、好きな所で乗降できるようにして、街を活性化したい」と話している。