NEWS CIT ニュースシーアイティ

2007.11.15

石上さん優秀論文発表賞受賞


電気学会回転機研究会 モータの鉄損低減に寄与
優秀論文発表賞の表彰を受ける石上さん(左)
優秀論文発表賞の表彰を受ける石上さん(左)
 消費電力のかなりの部分を占めるモータ、その損失低減は大きな課題になっている。この課題に結びつく研究で、本学電気電子情報工学専攻修士課程2年の石上洋希さんは、電気学会回転機研究会(2007年10月18日/金沢工業大学)で「優秀論文発表賞」を受けた。対象論文は、「形状修正アダプティブ有限要素法によるIPMモータの最適設計」。
 電気機器などの特性解析に用いられる代表的数値計算法である有限要素法は、解析を行う領域を「要素」と呼ばれる小領域に分割してコンピュータシミュレーションを行う。しかし、この手法は要素の分割の仕方により解析精度が左右される。したがって、形状を変更して繰り返し解析を行う「最適化計算」に適用した場合、形状によって要素分割が大幅に異なり、形状の変更による特性変化を抽出することが難しくなる場合もあった。
 こうした背景から、石上さんは指導の山崎克巳教授との共同研究で、形状の変更に応じて必要最小限、要素分割を修正する「形状修正アダプティブ有限要素法」を開発。これをIPMモータの鉄損低減を目的とするモータ鉄心形状の自動最適化計算に応用したところ、従来の手法と比べて、より正確に最適形状が探索できることが確かめられた。
 06年8月25日に開かれた電気学会静止器・回転機合同研究会で発表。06年度に回転機技術委員会主催で行われた研究会の発表135件の中から35歳以下の発表者を対象として投票が行われ、5人が優秀論文発表賞を授与された。
(注)鉄損=固定子・回転子鉄心で発生するエネルギー損失。

山崎教授は記念論文賞


電気学会産業応用部門 日産自動車と共同開発
山崎教授
山崎教授
 本学電気電子情報工学科の山崎克巳教授は、2007年8月21日に大阪工業大学で開かれた電気学会産業応用部門大会で「産業応用部門大会第20回記念論文賞」を授与された。論文は「弱め界磁制御時の高調波鉄損を低減したIPMモータの開発」。
 この論文は、山崎研究室と日産自動車株式会社とで行われた4年間の共同研究をまとめたもので06年8月の産業応用部門大会で発表したもの。その後に電気学会論文誌に掲載された。今回は、日産自動車の大木俊治、根津章、池見健の3氏と共同受賞となった。
 IPMモータ(埋込磁石構造同期電動機)は省エネ型エアコンやハイブリッド・燃料電池車の駆動源として用いられる高性能モータだが、高速回転時に発生する鉄損が問題になっている。
 山崎研究室では、コンピュータによるモータ鉄心の自動形状最適化計算を行い、鉄損が低減する形状を探索決定。日産自動車で試作実験が行われ初期設計モータと比べて鉄損が半減することが実証された。
 この新型モータは本学と日産自動車が現在、共同で特許出願している。

加藤助教に博士学位授与


“仕上げ加工面の自動表面性状評価”を研究
加藤助教
加藤助教
 プロジェクトマネジメント学科の加藤和彦助教が、9月28日に千葉大学から博士(工学)の学位を授与された。学位授与論文名は「高機能仕上げ加工面の自動表面性状評価に関する研究」。
 機械部品には仕上げ加工後の表面性状評価が不可欠で、その一部は自動化が進んでいる。しかし、光沢や質感など人の感覚で評価される製品や特殊な形状、材質の部品は目視評価に依存しているのが現状である。
 本研究は、表面性状評価の自動化を目標に、仕上げ加工面の新たな性状評価方法を検討している。従来、困難であった目視評価工程の自動化システムを開発する上で重要な基礎を提供するもので実用化への有用性を評価された。
大川准教授がISS活動功労賞受賞

電気情報通信学会 音声研究会の発展に尽力
ISS活動功労賞受賞の大川准教授
ISS活動功労賞受賞の大川准教授
本学未来ロボティクス学科の大川茂樹准教授が、電子情報通信学会情報・システムソサイエティ(ISS)の平成19年度「活動功労賞」を受賞した。
 受賞したのは「音声研究専門委員会幹事としての貢献」。
 音声研究専門委員会の幹事補佐(2003〜05年)および幹事(2005〜07年)として、4年間の任期中に、40回の研究会、5回のシンポジウム、3回の国際ワークショップ、4回のビギナーズセミナーを企画・運営した他、関連他研究会・他学会との連携の推進、第400回記念研究会の企画、研究会ホームページの充実化など、研究会の活動と発展に多大なる貢献を行った。
 同学会は、前身が明治44年に発足した伝統ある組織で、近年はエレクトロニクスなど4つのソサイエティ制で活動している。会員は3万5千人近い。
社会システム科学部がシンポジウム

授業内容・方法の向上目指して……
社会システム科学部が開いたシンポジウム会場
社会システム科学部が開いた
シンポジウム会場
 社会システム科学部(学部長・佐野利男教授)では、平成14年に新設学部として設置されて以来、教員の授業内容を相互に理解し、授業内容や授業方法の改善を図ろうという「教育研究シンポジウム」を開催してきた。
 9月6日(木)には、6回目のシンポジウムを津田沼校舎7号館で開催し、同学部の仁井田和雄教授、榎本眞三教授、井上明也教授、増澤洋一准教授、鴻巣努助教がそれぞれ講演を行い、授業改善の様子や新たな試み、またJABEEへの取り組み状況などについて報告がなされた。
 また、第三者評価の実施やファカルティ・ディベロップメント(FD)の義務化など、大学・学部を取り巻く環境が急激に変化していることを踏まえ、「今、求められているFDとは何か」と題した特別講演も行われた。講師の池田輝政教授(名城大学人間学部・副学長)は、FDの提案と開発、実践についての事例をあげるとともに、授業デザインの重要性について講演し、“授業づくり”のFDとは、「教員のチーム力で学生の近未来作りをデザインすることだ!」と締めくくった。午後は『社会システム科学部における教育改善への道』をテーマにパネル討論会が行われた。
 パネリストとして学外から池田教授、直井知与玉川大学教授、北岡正敏神奈川大学教授および木野泰伸筑波大学大学院准教授の4人が参加、本学教員と教育の質的向上、JABEEへの取り組み、教育改善の課題などについて活発な意見交換がなされた。最後に懇親会では学外教員も含めて相互交流を深め、盛会のうちに幕を閉じた。
秋の叙勲―――

佐藤警備員が瑞宝単光章
佐藤警備員
佐藤警備員
 11月3日の秋の叙勲で、佐藤靖博警備員(総務部)が瑞宝単光章(危険業務従事者叙勲)を受章した。