NEWS CIT ニュースシーアイティ

2016.11.15

“数字チョコ”優秀賞


小田さん 東京ミッドタウン デザインコンペで
展示された小田さんらの作品
展示された小田さんらの作品
 デザインの若い才能を応援する「東京ミッドタウンアワード2016デザインコンペ」(東京ミッドタウン=事業者代表・三井不動産(株)=主催)で、小田裕和さん(工学専攻博士後期課程1年=長尾徹研究室)が深地宏昌さん(デザイナー・大阪府出身)と共同提案した「数字になるチョコレート」が、グランプリ・準グランプリに次ぐ優秀賞(1点)に選ばれた。授賞式は10月14日、東京ミッドタウンのプラザB1特設会場で行われた。
 作品は、並び替えて好きな数字をデジタル数字風に作れるチョコレート。誕生日や記念日に、チョコ数字を可愛く添えられるように、と考えた。
 共同制作した深地さんとは昨年、Maker Faire Tokyo(テクノロジー祭)で知り合い別のコンペでそれぞれ受賞したことがきっかけとなった。
 デザインは3Dプリンターで出力、食用シリコンで型を取った。千葉と京都間をオンラインでやりとりし、面倒も多かったが、うまくマネジメントできた、と振り返る。
 コンペでは5人の著名デザイナーらが▽デザイン力▽提案(プレゼンテーション)力▽テーマの理解力▽消費者ニーズの理解力▽商品化の可能性――などを審査。1次、2次と作品を絞って受賞8作品を選んだ。
 小田さんは「応募1249点の中から選んでいただけ、とても驚いています。研究とは少し離れた取り組みですが、商品化につながる可能性もあります。誰かの心に残る何かを作っていけるように頑張りたいと思います」と感想を述べた。
小田さん(左)と深地さん
小田さん(左)と深地さん

ロボ相撲 全国大会へ


石川さん 東北大会で優勝
石川さん
石川さん
 第28回全日本ロボット相撲東北大会(10月23日、秋田県立横手清陵学院高で開催=富士ソフト(株)主催)の「全日本の部・ラジコン型」で石川瑛丈さん(未来ロボティクス学科3年)が優勝して“東北横綱”になり、12月18日に東京・両国国技館で開かれる全国大会への出場権を獲得した。
 東北大会には約100台のロボットが参加。石川さんはトーナメントで5回勝ち、優勝を決めた。
 ロボット相撲は直径1.54メートルの鉄板製土俵で対戦、相手を土俵外に押し出せば勝ち。平成元年に始まり、高校生の部、全日本の部にそれぞれラジコン型、自立型の2部門がある。全国9地区の地方大会で毎年約千台のロボットが全国大会出場をかけて戦う。
 機体のサイズ制限は幅20センチ×奥行き20センチ以内、重さ3キロ以内(身長は自由)。鉄板土俵に張り付くよう磁石を多用するが、ただ磁力を強くしても勝負強くならないという。石川さんは今回、磁石の吸着性を保護する機構を搭載し、技術+戦術のアイデア勝負といわれる同大会を制した。
 制限重量内で多機能を持たせようと、部品は軽量で複雑な形状になりがちだ。石川さんは、最先端の工作機械約50台が並ぶ工作センター(津田沼校舎4号館)で、ワイヤ放電加工機やウォータージェット切断機を使い部品を加工、これが優勝に大きくつながったという。
 石川さんは「高校(香川県)の頃からこの競技に参加し、機体の設計、プログラム調整などで試行錯誤を重ねてきました。今回その成果を東北大会優勝という形で得られ非常にうれしい。これからも知識や技術を磨き、ロボット研究に役立てたいと思います」と語った。
ラジコン型の愛機 対戦風景
ラジコン型の愛機 対戦風景

安生、藤沼、香取さん
建築3人チーム「銀賞」


「銀茶会の茶席」コンペ
受賞した安生さん(前列右端)、香取さん(後列左から2人目)、藤沼さん(同3人目)。
受賞した安生さん(前列右端)、香取さん(後列左から2人目)、藤沼さん(同3人目)。
 日本建築学会が学生に創作茶席を募集した「銀茶会の茶席」で、本学の安生仁さん(建築都市環境学専攻修士2年=多田修二研究室)、藤沼悠生さん(同1年=同)、香取佑弥さん(建築都市環境学科4年=同)ら3人チームの作品が銀賞を受賞した。10月2日、建築会館(東京都港区芝)イベント広場で開かれた2次審査で選ばれ、表彰された。
 茶室は柱と梁が支える日本建築の粋。3人は柱の圧縮強さを、張力構造の構成に変えた新空間を提案した。
 ぎりぎりに薄い(厚さ1ミリ)透明な塩ビ板を弧状に曲げ、5枚組み合わせて1ユニットに。これをずらし重ねてケーブルでつなぎ、張力による4面の壁を生み出した。1次審査では説明パネルに加え10分の1模型、2次審査では実物大模型を作り、審査員の建築家・茶人たちを前にプレゼンテーション。構造と新しい空間が評価されたが、わずかに金賞に及ばなかった。
 安生さんは「著名な建築・構造家や茶人から高く評価され、貴重な意見を頂くことができて、よい経験になりました。先生方や、模型作りに協力してくれた後輩たち、研究室仲間のおかげだと思います」と感謝した。
作品(説明パネルから)
作品(説明パネルから)
銀茶会
 銀座通り周辺に年1回、茶席を設け、表千家、裏千家、武者小路千家など六流派が参加する野点の大茶会。銀座の店舗・企業が集まる全銀座会の依頼で、建築学会が2009年から学生たちに創作茶席を募集、金賞作品は銀座三越で展示され、大茶会の茶席に使われる。

渡辺さん 学生発表賞


リフォーム研究 インテリア学会で
 日本インテリア学会の第28回大会(10月22、23日、名古屋工業大で開催)・論文発表部門で、渡辺ひかりさん(デザイン科学科4年=白石光昭研究室・写真)が「マンションリフォームの現状から見た間取りの変化」を口頭発表し、学生発表賞2組の1つに選ばれた。
 白石研では、製品や空間の使いやすさ、心地よさなどを人間工学・感性工学から研究・提案している。渡辺さんは、マンションが実際どのようにリフォームされているかを調べ、人々が暮らしに求める現状を知ろうとした。
 その結果、キッチンを対面式や島型にするなど、リビングダイニングとキッチンのつながりを重視した間取りを望む人々の増加が裏付けられた。
 本格研究を始めたのが昨年3月ごろ。とにかく時間が不足し、夏休みもほぼ毎日研究室へ。思うような結果が出ない時期もあって悩んだが「白石教授の指導のおかげで、なんとか完成」したという。
 「初めての学会発表で緊張しましたが、形に残る結果となり、とてもうれしかったです。このテーマを卒業研究としても続けていくつもりなので、更に精進したい」と渡辺さんは語った。