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2016.11.15

「千葉工大生が欲しい」


ブランド力上昇 産学懇に最多559社
 本学が企業と親睦を深め、学生の就職情報を交換し合う今年度の「産学懇談会」が11月2日、ホテルニューオータニ幕張で開かれ、過去最多を記録した昨年をさらに54社上回る559社から人事・採用担当者583人が出席した。企業の採用意欲が依然旺盛なことに加えて、本学のブランド力が上昇し、「千葉工大生」に対する期待が高まっていることが背景にある。
産学懇談会に詰めかけた企業の人事・採用担当者たち
産学懇談会に詰めかけた企業の人事・採用担当者たち
 業種別では建築・土木、機械、電気、情報・通信などのIT関連が依然として旺盛な採用意欲を見せている。技術営業担当を求める商社、製造ラインに関わる技術者が不足している食品メーカーなどからは「何としても千葉工大から学生を」という切羽詰まった熱気が感じられる。
「好奇心が旺盛」
企業側エール
 こうした企業側の期待に応えるために、本学側も瀬戸熊修理事長以下の法人役員、小宮一仁学長以下の大学副学長と研究科長・学部長、産官学連携センター運営委員会と就職委員会の委員、さらに各研究科と学部・学科の就職担当教員、就職・進路支援部就職課員らが総力を挙げて企業側の出席者に対応した。
 第1部であいさつした小宮学長は、本学はこの春、創立以来最多の7万8457人と日本の大学779校中9番目に多い入学志願者を集めたこと、また一般入試の志願者数は昨年度に比べ2万5607人増と全国の大学のトップに立ったことをアピール。「いま千葉工大のキャンパスは平均競争率5.7倍という厳しい競争を勝ち抜いた学生であり、未来を支える若き技術者であふれている」と話した。
 また、第2部の冒頭であいさつに立った瀬戸熊理事長は本学が来年、創立75周年を迎えること、今年度から工学部の改編で「5学部17学科」になったことを報告し、「皆さんはどういう人材が欲しいか、そのために千葉工大にはどのような教育をしてほしいのか、ぜひ忌憚のないご意見をお聞かせ願いたい」と呼びかけた。
 これに対して、企業側を代表して乾杯の音頭を取った八洲電機管理統括本部人事担当本部長の湯本則光氏は「千葉工大の学生のイメージは、目がキラキラしていること。これは好奇心が非常に旺盛であることの表れだと思う。何事にも興味をもって邁進する学生を育てて頂きたい」とエールを送っていた。
 懇談会の中締めは松井孝典常務理事(惑星探査研究センター所長)が行った。
中堅企業など
「採用は未充足」
 「産学懇談会」の会場に当てられたホテルニューオータニ幕張の大宴会場「鶴の間」の前には、受付開始時刻の1時間も前から企業側の出席者が集まり始め、名刺交換開始と同時に受付台前には長い列ができた。
 このような企業側の過熱ぎみの採用意欲の背景の1つには、中堅・中小企業を中心に2016年春入社、17年春入社と続けて採用数が採用計画数に満たしていない「未充足」状態が、今も続いていることがある。
 18年春入社組の就職活動日程は、「3年生の3月、会社説明会解禁」→「4年生の6月、面接解禁」→「10月に内定解禁」で、17年春入社組と同じ。
 しかし、「採用未充足」の企業の多くが「来年こそ」の思いで、大学との「太いパイプ」の構築に全力を挙げている。
 懇談会の会場でも就職課の職員に「OB・OG懇談会にはどうしたら参加できるか。参加条件は?」「大学主催の会社説明会にぜひ参加したいのだが」といった質問を投げかけてくる人事・採用担当者が多かった。
 このような状況を踏まえて、これから就職活動に入る3年生に就職・進路支援部の福江聡部長は次のようにアドバイスしている。
 「就職活動では、自分がチャレンジする相手企業の動向をきちんと把握することがもっとも大切です。そのために自分のアンテナをしっかり張って準備してください」

来場60万人に


タウンキャンパス 開設4年半
 東京スカイツリータウンキャンパス(東京都墨田区押上・東京スカイツリータウン8階)が開設から約4年半の11月7日、来場者数60万人を達成した。
 60万人目は埼玉県越谷市から来た親子。学校の振り替え休日を利用してスカイツリーに来て本学ブースに立ち寄ったという。
 太刀川さん親子は瀬戸熊修理事長=同右=から記念品を手渡され、係員に導かれて、アトラクションを体感した。エリアIでは魔法のカードや災害対応ロボットを操縦、エリアIIでは太陽系グランドツアーの説明に聞き入っていた。

レアアース泥開発を推進


加藤教授が講演
本学海洋資源センター参加
講演する加藤教授
講演する加藤教授
 産学懇談会第1部では東大大学院工学系研究科附属エネルギー・資源フロンティアセンター教授で、今年4月に設立された本学次世代海洋資源研究センター(ORCeNG)招聘主席研究員の加藤泰浩氏が「日本の海洋資源政策はどうあるべきか」と題して講演した。
 加藤教授の研究グループは2012年に日本の排他的経済水域である南鳥島周辺に世界最高品位の「レアアース泥」が大量に分布していることを明らかにした。この研究を基に、東大、本学の次世代海洋資源研究センターとさまざまな企業が加わって「レアアース泥開発推進コンソーシアム」が結成された。世界初の深海底での鉱物資源開発の実現に向かって活動するとともに、同センターではレアアース泥開発システムの研究を進めている。