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2016.7.15

千葉工業大学決算(平成27年度)を承認


 学校法人千葉工業大学の平成27年度決算が5月26日の理事会・評議員会で承認された。工学部の改編により従来の3学部11学科が5学部17学科に強化されたほか、新習志野キャンパス再開発における厚生施設をはじめとしたさまざまな環境整備を反映した予算になった。

(27年度事業計画の全文は本学ウェブサイトで公開中)

1 工学部再編
 18歳人口の動向を中心に外部環境の変化に対応するため、平成15年度の工学部改組以来、鋭意検討を進めてきた結果、入学者の多様化への対応、留年・退学者問題など本学が抱える諸課題を改善し、よりよい教育研究体制を構築するため、これまでの工学部6学科を3学部12学科に再編することとし、平成27年4月文部科学省に学部・学科の設置届出を行い、平成28年4月から開設した。

【新学部・学科構成】

( )内は入学定員

工学部

機械工学科
(140名)
機械電子創成工学科
(110名)
先端材料工学科
(110名)
電気電子工学科
(140名)
情報通信システム工学科
(110名)
応用化学科
(110名)

創造工学部

建築学科
(140名)
都市環境工学科
(110名)
デザイン科学科
(120名)

先進工学部

未来ロボティクス学科
(120名)
生命科学科
(110名)
知能メディア工学科
(110名)
2 教育研究活動

(1)入学試験関係

平成28年度入学試験(平成27年度実施)における学部入試の総志願者数は7万8192名(前年度5万2600名 前年度比148%)となった。

(2)学生生活の満足度向上へ向けた継続的対応

1学生生活アンケート調査の実施と活用

2授業アンケート調査の実施と活用

3大学生基礎力調査(自己発見レポート)の実施と活用

4ICTを活用した学生サービス

5単位互換制度

 ICT環境においては平成25年度から新入生、教職員全員に貸与したiPad miniが全ての学生に行き渡る年度となった。

(3)入学前教育の充実

AO創造入学試験及び推薦入学試験による入学予定者に対して、入学前ウォーミングアップセミナー(3日間のスクーリング)を平成24年度から継続して行っている。入学後もフォローアップセミナーを開催した。

(4)TOEIC試験の実施

学内において年7回、TOEIC IP(団体特別受験制度)のテストを実施している。

(5)初年次教育の充実

1キャリア教育科目実施サポート

2補完教育の継続実施

3学習支援センターの充実

(6)グローバルラウンジの開設

常駐する英語のネイティブスピーカーと楽しく、意欲的に学ぶ姿勢を養成することで、英語教育の一層の強化・充実を努めている。

(7)教職員が連携した就職支援の強化

学科及び研究室指導教員が主体となり、学生一人ひとりとの対話を積み重ねることを柱にしている。これに加え就職委員会、就職課が綿密に連携を取り、学生の支援を進めた。

(8)キャリア形成支援プログラムの強化

社会性を涵養させる各種プログラムを実施。各種資格講座の展開として、新規に3級FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定受験対策講座を実施した。現行の資格講座では秘書技能検定、公務員試験対策講座、知的財産管理技能検定を開設した。知的財産管理技能検定については全国大学合格者が5年連続第1位となった。

(9)大学院への進学支援

横断的なプログラムとして、在学生及び新入生の保護者に対して、大学院解説誌「大学院NAVI」を配布し、学部生の早期段階での大学院進学意識を啓発した。また、各学科長に「本学大学院の学内進学率向上に向けた進学ガイダンスの実施及びガイダンス実施に向けた希望アンケート調査」を行い、複数の学科が進学ガイダンスを実施した。

(10)インターンシップの促進

学部3年次・大学院1年次後期に向けて、学生が自分の将来を見据えた実務体験ができるインターンシップへの支援を行った。

(11)新入生に対する少人数制による総合的な支援

1オリエンテーションの実施

2クラス担任制

(12)習熟度別教育の充実

入学時に実施するプレスメントテストの結果を参考に教養科目4科目、基礎科目8科目、その他専門科目において、習熟度別クラスを開設し、学生個々のレベルにあわせた授業運営を行った。

(13)JABEE(日本技術者教育認定機構)認定申請に向けた取り組み

工学部電気電子情報工学科(総合システム工学コース)は、更新のための審査を受け、認定された。また、「技術士≪国家資格≫への挑戦!ガイドブック」を作成し、JABEE関連学科にPDFで配布した。

(14)FD活動の推進

1イブニング・トークセッションの開催

2FDフォーラムの開催

3教員研修の実施

4授業の公開

5FD講演会の開催

6FDニュースの作成

(15)教育業績の表彰

教員の教育力向上に資すると思われる優秀な教育業績を表彰する制度。

3 研究推進活動

(1)海外交流協定大学との連携強化とグローバル化

1学生の国際交流

  • 協定大学への交換留学
  • 短期派遣プログラム
  • 協定大学からの交換留学
  • 短期招請プログラム

2海外交流協定大学との教職員の交流

  • 瀬戸熊理事長の協定大学訪問
  • 小宮学長の協定大学訪問
  • SD活動
  • 客員研究員
  • 本学訪問

(2)地方自治体等との国際交流協力活動

1日本メキシコ学生交流

2国際交流セミナー

(3)学術資料の活用促進

図書館検索システムに新たにディスカバリーサービスを導入した。

(4)競争的研究資金等の獲得支援

1科学研究費助成事業

平成27年度科学研究費助成事業の採択件数は75件。

2公的受託

平成27年度公的受託の採択件数は38件。

3私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

平成27年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の新規採択件数は1件あり、前年度からの継続事業と併せて4件。

4産学連携研究開発プロジェクト補助金

平成27年度埼玉県産学連携研究開発プロジェクト補助金に採択された。

(5)奨学寄付金及び受託研究費

平成27年度に受入れた奨学寄付金及び受託研究(一般)は117件で、前年度比6件の減、金額は前年度比2億980万4千円の増となった。

(6)研究助成関係

1特許

平成27年度は17件を出願。

2附属研究所

  • 研究助成金の交付
    学外の大型研究費を獲得できる本学の核となる研究プロジェクトを育てるために、その準備・立ち上げを支援するための戦略的研究推進準備プロジェクトをはじめ、科学研究費助成事業や競争的研究資金の獲得を目的とする各支援を実施した。
I
戦略的研究推進準備プロジェクト
II
科研費申請準備支援助成金
III
教育研究助成金
IV
科研費採択者助成金(初年度)
V
科研費採択者助成金(最終年度の翌年度)
VI
フォーラム
  • 研究活動報告会の開催及びプロジェクト年報の作成
    過年度の助成対象研究や外部資金による研究成果等を一堂に集めて、ポスターセッション方式の発表会を開催した。また助成対象の研究成果をまとめたプロジェクト年報(CD版)を作成し、大学のホームページにも掲載した。
  • 材料解析室の各種機器利用時間は延べ5916時間で利用者は946名。大学院生を対象とした解析機器基礎講習会を延べ35日間開催し、167名の学生が参加した。
  • 工作センターでの今年度の受託総件数は325件で、加工数は6117個。

(7)未来ロボット技術研究センター(fuRo)

1公的機関からの受託研究費

  • 「環境・医療分野の国際研究開発・実証プロジェクト ロボット分野の国際研究開発・実証事業 災害対応ロボット・オープンプラットフォームの研究開発(平成27年度)」ほか。

2企業に対する技術移転、企業からの研究開発受託による成果

3その他

  • 「第54回 ミラノサローネ国際家具見本市」小型モビリティ「ILY-A」の出展・デモンストレーションを行った。
  • 「DARPAロボティクス・チャレンジ・ファイナル」に出場。
  • 新規改良ロボット櫻壱號R3を用いた線路下・用水路の調査ミッションの実施。
  • 「ILY-A」に特別賞が授与された。2015年度グッドデザイン賞の「グッドデザイン・ベスト100」に選出、「グッドデザイン・未来づくりデザイン賞(経済産業省商務情報政策局長賞)」受賞。
  • 全国各地の中・高校に講演やロボットの製作実習を行った。

(8)惑星探査研究センター(PERC)

日本の小惑星探査機「はやぶさ2」、欧州の彗星探査計画「Rosetta」に参画している。
今後の計画:日本の月探査機「SLIM」、火星衛星からのサンプル回収計画「MMX」、日本と欧州との共同ミッションである水星探査計画「Bepicolombo」及び木星系探査計画「JUICE」など。
独自の宇宙開発プロジェクト:流星観測超小型衛星(S-cube)、宇宙ステーションからの流星観測(メテオ)、気球を使った成層圏からのダスト回収実験(Biopause)など予定。メテオは3度目の挑戦で国際宇宙ステーションに運び込まれ、設置作業が進められている。この他にも、独自の宇宙開発プロジェクトを進めている。
査読付きの英文論文21本、和文論文3本が受理され、科学研究費補助金・競争的研究資金は17件で、合計1407万円となった。

(9)人工知能・ソフトウェア技術研究センター(STAIR Lab)

平成27年4月に発足し、初年度である平成27年度は研究環境の構築を進めつつ研究者の確保に努め、年度末には常勤4名、非常勤2名の研究員が研究に従事している。人工知能研究では、3つのプロジェクトを進めている。

(10)その他の活動

1ロボカップ世界大会2015で世界連覇

2デザイン科学科の学生の作品が商品化

3段ボール製の原寸大蒸気機関車「D51」模型の公開組み立てに本学40人が協力

4タイ文化と食を体験

5PM国際資格に8人合格

6大学体育フラッグフットボール全日本大会で初優勝

7本学フォーミュラ全日本学生大会に2年連続出場

8「エコメッセinちば」に出展

4 学生支援関係

(1)学生支援の充実強化(学生相談、課外活動、学生寮、奨学金等)

1学生相談

2課外活動支援の充実

3学生寮生に対する支援

4奨学金支援活動

(2)学生共済会の充実

1見舞金給付

2学生納付金貸与制度

3こころとからだの元気サポート

4暮らしの法律相談

5学生補償サポート制度

(3)留学生の受け入れ体制の充実

(4)自ら学ぶ環境の充実

5 施設設備整備関係

(1)新習志野キャンパス再開発計画

新習志野キャンパスに待望の新食堂棟と新体育館、新学生寮の3つの建物が竣工し、学生生活において大きな要素となる食の場・運動の場・住まいの場が充実した。

(2)その他

新習志野キャンパス再開発における厚生施設の環境整備の他、教育・研究活動の向上のための環境整備としては、津田沼キャンパスでは、建物竣工以降、長年使用していた6号館講義棟内の机を更新した。
また、2カ年計画の2年目となるキャンパス内の排水経路の再整備(浄化槽再整備)計画の実施や7号館の5階や8階にある演習室の空調機更新工事を実施した。
新習志野キャンパスでは、今年度も引き続き5号館の講義室にグループワークやディスカッション形式の講義を円滑に進めるための什器を整備した。更には、キャンパス内に点在している和式トイレの洋式化工事を実施した他、8号館講義棟の講義室内照明のLED化工事を今年度と来年度の2カ年計画で実施するなど、教育・研究活動を陰で支える環境整備にも努めた。

6 地域・社会への貢献

(1)公開講座

5月から12月にかけて計13講座を開講し、392名が受講した。

(2)産官学連携協議会関係

平成28年3月31日現在で会員数は正会員76社、特別会員10団体、計86会員。
事業内容は、各種のご案内・工場見学・産官学連携フォーラム等

(3)その他の産学連携

「千葉エリア産学官連携オープンフォーラム2015」「イノベーションジャパン2015」に出展した。

(4)地域貢献のための図書館開放

7 法人管理・運営関係

(1)学校教育法改正に伴う学長の強いリーダーシップによるガバナンス強化

(2)ウィルス対策ソフトの包括ライセンス契約を締結

(3)業務端末のシンクライアント化を実施

(4)自己点検評価活動

(5)公的研究費等の監査の実施

(6)自己管理型点検評価チェックリストシステムの実施

(7)三様監査連絡会の開催

(8)公益通報制度の充実

(9)SD活動の充実

(10)特定個人情報取扱規程の整備

(11)衛生委員会での取組

(12)次世代育成対策支援法に伴う一般事業主行動計画書の策定

(13)女性活躍推進法に伴う一般事業主行動計画書の策定

(14)キャンパス内全面禁煙化

8 財務の概要

(1)教育活動収支

1事業活動収入159億3000万円(予算比1億800万円増)

事業活動収入は、学生生徒等納付金、寄付金、付随事業収入等の項目で予算比増となり、159億3000万円となった。

2事業活動支出156億4500万円(予算比2億6100万円減)

事業活動支出は、予算比2億6100万円減少し、156億4500万円となった。

人件費は、職員人件費が若干減少したものの、退職給与引当金(1億200万円)を繰り入れたことから、予算比7400万円増加し68億5400万円となった。人件費比率は37.2%で理工系他複数学部を有する私立大学の平均値(48.9%)に比し、引き続き良好な水準となった。
教育研究経費は、予算比2億4600万円の減少となった。教育研究経費比率は前年度比0.5ポイント高い39.0%となり、理工系他複数学部を有する私立大学の平均値(35.4%)に比し、引き続き高い値となった。今後も同程度の比率が続くと予測している。
管理経費は、予算比8800万円の減少となった。消耗品費、広報費、委託費等、全体としては経費圧縮に努めた結果となった。管理経費比率は8.7%で、理工系他複数学部を有する私立大学の平均値(6.2%)と比べ若干高くなったが、今後とも効率化を図っていく。

(2)教育活動外収支

事業活動収入は、投資信託の配当金や受取利息を確保し、3億9700万円となった。
事業活動支出はなし。

(3)特別収支

事業活動収入は、有価証券売却差額として19億9500万円を計上、その他の特別収入とあわせて21億200万円となった。
事業活動支出は5億4800万円となった。内訳は、資産処分差額として減価償却引当特定資産評価差額5億3300万円、車両処分差額900万円、図書処分差額300万円など。

(4)事業活動収入計184億2900万円(予算比1億6900万円増 前年度比6億1100万円増)

事業活動収入計は、前年度比で6億1100万円の増加となった。
主な要因は、学生数の維持(退学者の減少等)による学生納付金の増加(2億3200万円増)、資産売却差額(有価証券売却差額)の発生(5億8800万円増)等により増加額が大きくなった。

(5)事業活動支出計161億9300万円(予算比2億6100万円減 前年度比11億9800万円増)

事業活動支出計は、前年度比で11億9800万円の増加となった。主な要因は次のとおり。
教育研究経費3億2400万円増
主な内訳:減価償却額1億500万円増、委託費7500万円増、修繕費6200万円増
管理経費2億5600万円増
主な内訳:消耗品費1億2600万円増、広報費8900万円増、修繕費7200万円増
資産処分差額5億2700万円増
主な内訳:減価償却引当特定資産評価差額5億2200万円増、車両処分差額900万円増

(6)基本金組入前当年度収支差額22億3600万円(予算比4億2900万円増 前年度比5億8600万円減 事業活動収支差額比率12.1%)

(7)基本金組入額63億3100万円

(8)当年度収支差額

当年度収支差額は40億9500万円の支出超過となった。翌年度の繰越額は、前年度繰越収支差額と合わせ、72億7800万円の支出超過となった。

(9)今後の課題

今後も引き続き財務基盤の安定をはかるため、次のような課題に取り組んでいく。

<収入面>

1学生生徒等納付金の安定的確保

2外部資金の獲得

3資産運用の一層の効率化とリスク管理の徹底

4その他の収入源確保策の検討

<支出面>

1人件費、管理経費の効率化

2教育研究経費の見直し

事業活動収支計算書 貸借対照表
資金収支計算書

学生共済会予算、決算を承認


予   算

理事会で協議の結果、平成28年度学生共済会予算案は異議なく承認された。予算の概要は次のとおり。

<収入の部>

  • 受取利息
    金利低迷の中、積立金・基金の貸付金及び普通預金から発生する利息として10万円を計上した。
  • 前年度繰越金
    2164万2107円を計上した。

<支出の部>

  • 給付金
    給付金支出金額は、昨年度200万円程度であったが、不測の事態に備え500万円を計上した。
  • 学費貸与金
    学費貸与金支出額は、昨年度1600万円程度だったが、各種奨学金の申請状況や学費再延納制度の廃止を考慮し、2500万円を計上した。
  • 委託費
    昨年同様、こころとからだの元気サポート、暮らしの法律相談の継続に係る費用として710万円を計上した。
  • 消耗品費
    昨年同様、災害時の非常用保存食の購入費として350万円を計上した。

決   算

平成27年度の学生共済会決算も同理事会で異議なく承認された。決算の概要は次のとおり。
収入の部では、貸付金回収の2300万円や受取利息等を併せ合計約7100万円となった。今後も返還方法や督促方法を再度見直し、回収率アップに一層力を入れて取り組みたい。
支出の部では、災害時のための保存食を両校舎へ備蓄することができた。今後も、個人賠償責任補償や海外留学保険等の見直しを行いながら共済会事業の運営に努めたい。
千葉工業大学学生共済会も28年目を迎え、会員の学生生活が豊かなものとなれるよう、制度の充実を図りつつ、平成27年度も順調に運営されましたことをご報告致します。

平成28年度千葉工業大学学生共済会収支予算 平成27年度決算報告書
 
平成27年度収支決算書