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2016.3.15

本木さんの作品 採用


木更津高専 50周年記念ロゴに
 木更津工業高等専門学校(木更津市・前野一夫校長)は平成29年度に創立50周年を迎えるのを機に記念ロゴマークを公募していたが、本学大学院生の本木礼夫冴さん(デザイン科学専攻博士前期課程2年・佐藤弘喜研究室)の作品が最優秀賞に選ばれ、採用が決まった。本木さんは2月4日、同校で前野校長から賞状を手渡された。
 受賞ロゴ==は木更津市のシンボル木・椿にテクノロジーの礎・六角ナットを組み合わせた作品。椿の花言葉は「誇り」で、学生には誇りを持って勉学に励み世界で活躍してほしい、また、中心に六角ナットを組み込み、基礎の大切さを心に刻んでほしいと願った。
 公募には60作品が応募。他作品はアルファベット「K」をモチーフにしたもの、左右非対称な作品が多かった。
 本木さんのマークは左右対称の円形。既存の同校校章が千葉県シンボル花・菜の花をモチーフにしており、関係性を、と木更津市の椿を選んだ。構成色の一つ「濃い紫みの青」は同校のスクールカラー。前野校長に「力強く時代に流されない不変なイメージを感じた」といわれたという。
 本木さんは「ロゴマークが採用されたのは初めてで、とてもうれしい。学校のイメージを印象づける重要なマークをデザインできたことを誇りに思います。マークはずっと使用されるので、(私も)受賞に恥じない作品作りに取り組みたい」と語った。
 授賞式では前野校長が「新たな高専のシンボルマークが社会に浸透していくよう多方面で活用していきたい」と感謝。本木さんは「受賞を励みに、就職先でも、親しまれるデザインの創作に取り組んでいきたい」と抱負を伝えた。
最優秀賞に選ばれた本木君(右)。左は木更津工業高専の前野校長
最優秀賞に選ばれた本木君(右)。
左は木更津工業高専の前野校長

「キッチンスタジオ」提案


デザイン・渡辺さんが優秀賞
受賞した渡辺さん
受賞した渡辺さん
 「こんな人に、こんなキッチンを伝えたい」をコンセプトにインテリア産業協会が募集した平成27年度(第5回)キッチン空間アイデアコンテストで、渡辺ひかりさん(デザイン科学科3年)が優秀賞7点の一つに選ばれた。表彰式は1月18日、東京都新宿区の京王プラザホテルで行われた。
 コンテストは▽団らんキッチン空間▽人に優しい空間・地球に優しいキッチン空間▽暮らしが変わったキッチンリフォーム空間――の3テーマで募集。渡辺さんは「人に優しい……」部門に「私のキッチンスタジオ―味覚は視覚から―」と題した作品を提案した。
 こだわって作った料理をスタジオ風キッチンからみんなに伝え、料理の楽しさを共有したい……機能的な間取りに、撮影台や本格照明、背景シートなどを備えている。自身がこんなキッチンで料理したいと思える空間を、と設計した。
 スマートフォンが日常に定着し、写真に収めたりSNSで共有したりする人が多いことに着目。撮影に特化したキッチン空間で、今までにない提案ができるのではないかと考えたという。
 昨年10月末までに全国から343点の応募があり、渋谷忠彦インテリア産業協会会長ら委員5人が審査していた。
 審査委員長を務めた上野義雪・本学デザイン科学科教授は「今回は、つながり、オープン、シェアなどをキーワードに、キッチン空間を個や家族から共同社会の場へオープン化する提案が増え、若い人々の進化への意欲が読み取れた」と総評した。
 渡辺さんは「自信がなかったので、選ばれてびっくりしました。私のアイデアや発想が審査員の方々に伝わり、評価して下さったのだと感じ、うれしかった。まだまだ表現力不足を痛感したので、努力していきたいと思います」と語った。
作品スケッチの一部
作品スケッチの一部

飯塚さん有終ダブル受賞


酸化亜鉛加工研究で最優秀講演賞・ポスター賞
 大学院生命環境科学専攻の飯塚佳延さん(博士前期課程2年・橋本和明・柴田裕史研究室=写真)は色材協会の2015年度色材研究発表会(昨年10月20、21日、本学津田沼校舎2、4号館で開催)で「酸化亜鉛粒子の形状に与えるアニオン界面活性剤の影響」を講演、また「酸化亜鉛前駆体濃度が六角板状酸化亜鉛単結晶粒子の形状に与える影響」をポスター発表し、最優秀講演賞と最優秀ポスター賞をダブル受賞した。今春卒業の予定で有終の受賞となった。
 酸化亜鉛は白色顔料、日焼け止め(サンスクリーン剤)のほか止血、鎮痛効果から医薬品に用いられるなど、応用が広がる素材だ。同研究室では、酸化亜鉛粒子の調製時にアニオン界面活性剤(界面活性剤の一種)を添加することで、六角板状酸化亜鉛粒子が得られることを見出している。
 飯塚さんらは今回、そのアニオン界面活性剤と酸化亜鉛の元となる前駆体の濃度比が形状に与える影響について検討。その結果、添加するアニオン界面活性剤の種類と濃度比によってナノスケールで形状を制御できる可能性を見出し、成果を講演。また、ポスターで発表した。
 研究では600試料以上を調製、その全結果をまとめる作業が大変だったという。発表の際は、専門外の人々も理解できるよう画像で工夫。ポスターでは、インパクトのある画像に興味を持った参加者たちと討論できた。
 飯塚さんは「国内・海外で多くの研究発表をしてきましたが、(今回は)2つの素晴らしい賞を同時受賞でき、驚きました。研究が評価され感激しています」と語った。

“軒先が動く家”建材提案賞


小池君、学生デザインコンペで
受賞した小池君
受賞した小池君
 建材大手の三協アルミ(本社・富山県高岡市)が募集した「第1回学生デザインコンペ―未来のとびらコンテスト―(大学生版)」で、建築都市環境学科の小池翔太君(2年)の提案「完結居」が建材提案賞2点の一つに選ばれた。表彰式は昨年12月18日、高岡市の三協アルミ社で行われた。
 コンペは「ずっといたくなる家」と「ずっといたくなる図書館」の2テーマを募集。小池君は「家」部門に応募した。
 何でもできる現代社会は便利で使い勝手がいいが、敢えて制限した空間を、アイデンティティーを発揮し豊かな発想で使いこなす方が、ずっといたくなる家になるのではないか。
 夫婦に子ども2人の4人家族を想定。開放的な空間を快適・情報・ビジネスの3テーマが循環し「完結」する家を、アルミ建材を使って示した。
 一番の特長は“軒先が変形する”斬新なアイデア。ひさしの長いアルミ屋根を自由に変形でき、内側に大きく曲げてベンチにしたり、日よけにしたり。自ら快適な空間を創作できる。
 講評で西沢立衛審査委員長(建築家・横浜国大大学院教授)は「軒先が動くという変わった提案だが、気候に合わせて軒が伸びたり縮んだりというのは、環境型住宅のイメージとしても示唆的に感じられた」。百田有希審査委員(建築家)は「太陽という動く相手に対して建築の方がかたちを変化させてみては?という考え方にはっとさせられた」。他の委員も「全く新しい建材研究のヒントを与えてくれる」と評価した。
 小池君は「経験のつもりで応募したのに受賞できてうれしかった。軒先が自由に変形する案は現実的にはまだ不可能ですが、アイデアを評価してもらえ、重ねてうれしい」と感想を語った。
小池君提案の「完結居」。下のように軒先を曲げられる
 
小池君提案の「完結居」。下のように軒先を曲げられる
 
小池君提案の「完結居」。下のように軒先を曲げられる