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2014.2.15

下川君に「粋バッジ」


来館の母子に温かく応対
スカイツリータウンキャンパス
幼児から贈られた絵を手に下川君
幼児から贈られた絵を手に下川君
 本学の東京スカイツリータウンキャンパス(墨田区押上=東京スカイツリータウン・ソラマチ8階)で、スタッフとして最先端技術を紹介している下川翔平君(建築都市環境学科2年)が1月24日、同タウンの「Sマーク制度」個人表彰対象者に決まり「粋バッジ」と表彰状などを贈られた。
 同制度は、東武タウンソラマチ株式会社とテナント会が、店舗員に限らず東京ソラマチに係わる全スタッフを対象に、基本接客方針「粋しぐさ」を体現し、イメージの向上に功績があった人を毎月選んで表彰している。
 きっかけは、都内千代田区のある母親から同館に届いた手紙から。息子(6)と12月1日(日)、タウンキャンパスに来館。原発対応ロボット「ローズマリー」や、普通の紙がタッチパネルに変わる魔法のカードなどを夢中で操作し、応対した下川君を母子で質問攻めにし約3時間後引き揚げた。
 息子は日ごろ人型ロボットや火星探査機などに傾倒、あまりの夢中ぶりに、実物を見せてやろうとネットで調べて本学を知り、来館したという。
 「設計系のお兄さんに、専門外のことを質問攻めにしたにもかかわらず、未就学児にきちんと丁寧に、親切に対応していただいた」と、息子が描いた絵を添えた感謝状だった。藤井正温・同キャンパス職員が紹介を兼ねて同制度に推薦、表彰となった。
 下川君は「非常に光栄です」と感謝し、その後も誠実な応対を続行中。
 「息子は戻ってからは毎日、ブツブツいいながらレゴでロボット作り……子供が本物の最先端技術に触れる場があることは、素晴らしいこと」
 「6歳とは思えない観察力に驚きました……ロボット博士になることを待ってますよ」「次回はお弁当持参で、本人が納得いくまで……」
 母子とメールで、手紙で、交流が続いている。

吉村准教授の姿紹介


「瓦礫の下からの救助」に取り組む
TVで特集
吉村晶子建築都市環境学科准教授
 地震、津波、台風などの大災害時、倒壊物の瓦礫の下に、まだ助かる命が――。日本でただ1人、通常訓練では潜り込んで行けない「瓦礫の下からの救助」の訓練施設設計を工学的に研究する吉村晶子・建築都市環境学科准教授=写真上=の姿が昨年12月3日、MBS(毎日放送)のニュース番組「VOICE」(関西圏で夕6時15分〜7時)「『瓦礫からの救助』どうすれば……」で紹介された。
 吉村准教授は現在、警察に依頼され、国内初の、瓦礫下からの医療・救助の総合訓練センターを大阪と東京に作るプロジェクトを進めている。2年後に完成の予定だ。
 吉村准教授は関西に赴任していた前職時代、JR尼崎列車脱線事故をきっかけに施設設置に乗り出した兵庫県の依頼を受け、日本初の訓練施設設計に着手。的確な救助活動が効率的・効果的にできるよう科学的に組み立てる研究を志した。
 危険な、瓦礫下に潜り込んでの救助活動。時に闇の隙間の障害物をカッターで切り開き、充満ガスなどの二次災害を避けて、はい進み、崩落を支え、医療者を通して初期手当てし、助け出さないといけない。
 先進米英には、日本の都道府県単位に1つの割合で訓練施設がある。日本では消防や警察などの組織体系や技術がばらばらで、隊員や指導者を育てる方法論も施設も、まだ確立されていない。
 吉村准教授は米英の訓練施設を調査。未来ロボット技術研究センターの吉田智章上席研究員らとともに米国を訪れ、方法論から調べ上げた。2年後に日本初の「瓦礫救助」専門訓練施設を設計。その論文で地域安全学会から論文奨励賞を受賞。この施設では建築都市環境学科の佐藤史明教授と総合訓練を支援するなど活動してきた。
 ようやく本格的実現へ動き出し今回、東西に初の大規模総合訓練センターを作ることになった。
 番組映像では千葉工大の赤煉瓦門、研究室でのゼミ、3次元動作解析などの研究成果を反映した設計、施設の一部のモックアップ(原寸大試作品)を使用した訓練、隊員と吉村准教授との検討の様子などが映し出された。
 吉村准教授は「危険な現場で活動する隊員の方々に、十分に備えた状態で臨んでいただけるよう、少しでも助けになれば」と話す。
 施設は救助犬訓練や救助ロボットなどの試験にも対応できるようにしたいという。
訓練施設のモックアップ ゼミの学生が模型制作
訓練施設のモックアップ ゼミの学生が模型制作

ロボット技術者
育成カリキュラムまとめる


NEDO事業で富山教授ら
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトとしてfuRo(未来ロボット技術研究センター)の平井成興副所長と未来ロボティクス学科の富山健教授、同学科の卒業生でベンチャー企業経営者の宇井吉美さんが中心となって策定作業を進めてきたRTSP(ロボット・テクノロジー・システム・プロデューサー)育成のためのカリキュラムがまとまり、概要=下の別項=が1月15日、関係者に発表された。
 ロボット技術は社会のさまざまな分野で導入が進んでいるが、まだまだ現場の要請や期待に十分に応えられていないのが実情だ。そこでロボット技術システムを実社会に導入し、ロボット産業を発展させるRTSPの育成が急がれている。NEDOのプロジェクトは産学が連携し、地域・コミュニティーの特性を生かしながら、このような人材の育成を進めようというもの。
 このプロジェクトを受けて富山教授らは、急速な高齢化が進む一方で人材不足に悩まされている介護分野で実装可能なロボット技術システムを、本学の学生と介護現場の専門家、ベンチャー企業関係者らが協力して創り上げ(共創=独創に対する新たな概念)、その中で大学におけるRTSP育成のためのカリキュラムを構築・体系化する試みを、平成24、25年度の2年間続けてきた。
 さらにこのカリキュラムの実効性を検証するために、介護現場の声を取り入れたロボットを、本学の学生と介護の専門家が協力して実際に製作するワークショップ=写真=を、昨年10月から3カ月にわたって展開した。
 このワークショップに参加した学生は、未来ロボティクス学科・太田裕介教授の研究室の3年生4人と、デザイン科学科及び同修士課程、プロジェクトマネジメント学科の各1人の計7人。
 メンバーは2チームに分かれて、介護の専門家との「ブレーンストーミング」を重ね、そこで浮かび上がったアイデアを「KJ法」を使ってまとめて、1被介護者の癒しや健康管理をする「ロボ助」2ゲーム感覚で被介護者を笑わせ、健康増進を図る「笑劇」という二つのロボット・システムを作り上げた。
 「ロボ助」と「笑劇」を披露し、カリキュラム(概要)を報告する第3回ワークショップ(1月15日、津田沼校舎2号館)には、介護やベンチャー企業の関係者など約25人が出席。小宮一仁学長が「ベンチャーに挑戦する若者を育てなければ、日本の産業に未来はない。介護とロボットを結びつけ、それをベンチャー企業に発展させようというカリキュラムを通して、本学の学生を育てるというこの素晴らしい取り組みにエールを送りたい」とあいさつした。
富山健教授の話
 カリキュラムの狙いは現場教育を取り入れて学生を訓練し、大学から社会への橋渡しをすること。それによって学生が著しく成長することがワークショップでも立証された。来年度以降、未来ロボティクス学科の改革にも役立ててほしいと思う。

RTSP育成カリキュラム(概要案)

▼通年・複数学科にまたがって開講

▼毎週2コマ(授業+実習+見学+評価会+発表会+講演参加)

▼倫理(個人情報など)

▼早い時期から少人数・交代で現場見学

▼外部の催し(e.g.介護機器展、CEATEC)に参加を義務付け

▼1学期の終わりにコンテスト形式での発表会(中間成績)

▼学期間休暇に実習・インターン・自由工作

▼2学期初めに休暇中の活動発表会(外部講師参加)

▼相互評価会+現場に持ち込んでの評価会を複数回

▼ビジネスとしての視点も評価対象

▼最終発表+評価会と優秀事例表彰

▼外部講師には始めの講演+発表会+中間評価会

第3回花いっぱい IN 習志野台


ボランティア&バザー品大募集

 北習志野地域を中心に開かれる「第3回花いっぱいIN習志野台」に、金融・経営リスク科学科が呼びかけ組織した「津田沼ボランティアの会」(代表者・森雅俊教授)が参加します。
 当日は、バザーを開くほか、地元小中高校吹奏楽部が演奏やキッズダンスを披露します。大震災被災地の東北・石巻、福島や千葉・旭市の特産品やグルメを模擬店に並べ、販売もする予定です。
 バザー出品物(新品)の寄付(お届け先=千葉工業大学1号館 学部事務室)と、同イベントに参加するボランティアを募集しています。

開催日 平成26年3月9日(日)
会   場 北習志野近隣公園の中央広場
連絡先 千葉工業大学 学部事務室 (電話047・478・0509)