3面 |
UD学生ワークショップ
平子君チームが最優秀賞
復興の足がかりデザイン
平子君(左)と藤松君 | 平子君の作品「賑わいの道」。 天心焼きタイルを路面にはめ、道を作る |
2011年度UD学生ワークショップ「デザインインキュベーター(デザインの孵化器)」((株)アムラックストヨタ主催、トヨタ自動車(株)協力)は6月22日、東京都港区・お台場メガウエイブのアムラックストヨタでスタート。デザイン科学科4年、平子元君(山崎和彦教授研究室)が千葉大の2人、東京大1人と、計4人で組んだチーム「バゥワゥドゥ」は、10月8日のファイナルプレゼンテーションで参加6チーム中、最優秀賞を獲得した。
今年のテーマは、「被災地から発想するユニバーサルデザインin北茨城」。被災地から課題・復興の足がかりを見つけ、ユニバーサルデザインとして提案するもの。
平子君らは、北茨城の象徴ともされる岡倉天心設計の「六角堂」(東日本大震災による津波で土台を残して流失、今年度内完成をめざし再建中)に注目。これからの北茨城の人・町・産業を、六角堂から創っていきたいと考えた。
6月から現地踏査して一帯を写真に収め、プランを練った。5カ月かけて、復興へ足がかりの場を提供しよう、とまとめたのが、六角堂から天心記念五浦美術館まで、2本の道を使った“天心ロードプロジェクト”。
1本は「わびさびの道」に。入り組んだ5つの浦沿いの樹林を進む、荒々しくも美しい道で、岡倉天心の思想に思いをはせたり、豊かな自然を堪能してもらう。
もう1本は、人々の交流のなかで創造されていく「賑わいの道」に。陸側をう回して町を通る。観光客が、来た証に、自ら名前やメッセージを入れて焼いた北茨城の名物・天心焼きタイルを路面にはめ、観光客も一緒に道を形作っていく。
北茨城のよいところを再認識してもらい、人と人をつなげる場所・コンテンツとして提案。高く評価された。
平子君は「他大学の学生と一緒にアイデアを作り上げることができただけでなく、表彰していただけ、大変うれしい。現地に足を運んで、震災のひどさに驚きました。現地に行って初めて気づくことがたくさんあり、とても勉強になりました」と感想を語った。
今年のテーマは、「被災地から発想するユニバーサルデザインin北茨城」。被災地から課題・復興の足がかりを見つけ、ユニバーサルデザインとして提案するもの。
平子君らは、北茨城の象徴ともされる岡倉天心設計の「六角堂」(東日本大震災による津波で土台を残して流失、今年度内完成をめざし再建中)に注目。これからの北茨城の人・町・産業を、六角堂から創っていきたいと考えた。
6月から現地踏査して一帯を写真に収め、プランを練った。5カ月かけて、復興へ足がかりの場を提供しよう、とまとめたのが、六角堂から天心記念五浦美術館まで、2本の道を使った“天心ロードプロジェクト”。
1本は「わびさびの道」に。入り組んだ5つの浦沿いの樹林を進む、荒々しくも美しい道で、岡倉天心の思想に思いをはせたり、豊かな自然を堪能してもらう。
もう1本は、人々の交流のなかで創造されていく「賑わいの道」に。陸側をう回して町を通る。観光客が、来た証に、自ら名前やメッセージを入れて焼いた北茨城の名物・天心焼きタイルを路面にはめ、観光客も一緒に道を形作っていく。
北茨城のよいところを再認識してもらい、人と人をつなげる場所・コンテンツとして提案。高く評価された。
平子君は「他大学の学生と一緒にアイデアを作り上げることができただけでなく、表彰していただけ、大変うれしい。現地に足を運んで、震災のひどさに驚きました。現地に行って初めて気づくことがたくさんあり、とても勉強になりました」と感想を語った。
■ユニバーサルデザイン(UD)学生ワークショップ「デザインインキュベーター(デザインの孵化器)」 トヨタ自動車(株)が、国内大学、専門学校で学ぶ学生を対象に、未来のデザイナーを育成するための体験的なステージにしたい、と企画したデザインコンペ。首都圏の総合大、美術大、専門学校が参加し、学生4〜5人ずつが所属校を超えて混成チームを作り、課題に挑む。
藤松君らの作品に決定
大津漁港再生へロゴ
採用されたロゴ |
トヨタUDデザインワークショップと並行して、開催地・北茨城市の大津港水産加工業協同組合のロゴを決めるコンペがあり、デザイン科学科・藤松裕士君(山崎和彦教授研究室)が率いる東京大1人、東京デザイナーズ学院1人で組んだチーム「+i」の作成したロゴの採用が決まった。
コンペは、デザインを学ぶ学生たちが、大津港の人々と交流したのがきっかけ。
大津港も大震災による津波で漁獲が大打撃を受け、加工品もアナゴやシラスが原発事故による風評被害に遭っている。本コンペとは別に、漁港再生にかける大津港水産加工業協組(杉本 佳幸・代表理事組合長)が、組合のロゴを提案してほしい、と希望、外部募集や告知なしで行われた。
藤松君たちはコンセプトに悩んだ末、着目したのが、捕れた魚を即加工する大津漁港の加工品の鮮度の高さ。これを表現しようと、意見を出し合って形にし、ラベルにして貼った場合の見栄えなど、実用性を仕上げた。
出来上がったロゴは、協同組合が捕る生きのいいイワシを、魚拓のように墨で描き、漁港名を太い墨文字でアピール、下に細く協同組合名を記したもの。
10月8日、協組関係者と今回ワークショップに協力したデザイナーなどが審査した。その結果「+i」の3人の作品が、コンセプトも実用性でも優れていると評価され、最優秀賞に選ばれた。
藤松君は「大変うれしく、今後の励みになりました。実際に製品に使用し、多くの人に見てもらえると思うと今から楽しみです。今回、他校のデザイン分野の学生と交流し、共に提案し合うという貴重な体験ができました」と述べている。
コンペは、デザインを学ぶ学生たちが、大津港の人々と交流したのがきっかけ。
大津港も大震災による津波で漁獲が大打撃を受け、加工品もアナゴやシラスが原発事故による風評被害に遭っている。本コンペとは別に、漁港再生にかける大津港水産加工業協組(杉本 佳幸・代表理事組合長)が、組合のロゴを提案してほしい、と希望、外部募集や告知なしで行われた。
藤松君たちはコンセプトに悩んだ末、着目したのが、捕れた魚を即加工する大津漁港の加工品の鮮度の高さ。これを表現しようと、意見を出し合って形にし、ラベルにして貼った場合の見栄えなど、実用性を仕上げた。
出来上がったロゴは、協同組合が捕る生きのいいイワシを、魚拓のように墨で描き、漁港名を太い墨文字でアピール、下に細く協同組合名を記したもの。
10月8日、協組関係者と今回ワークショップに協力したデザイナーなどが審査した。その結果「+i」の3人の作品が、コンセプトも実用性でも優れていると評価され、最優秀賞に選ばれた。
藤松君は「大変うれしく、今後の励みになりました。実際に製品に使用し、多くの人に見てもらえると思うと今から楽しみです。今回、他校のデザイン分野の学生と交流し、共に提案し合うという貴重な体験ができました」と述べている。
未ロボ「ピクソン」また優勝
知能ロボ・コン チャレンジコースで
山田君(左)と羽根田君 |
未来ロボティクス学科・林原靖男教授研究室のチームWTM(4年・山田晃裕君=代表、3年・羽根田友希君)が10月23日(日)、仙台市科学館で開かれた「第23回知能ロボットコンテスト」のチャレンジコースで1位を飾った。
出場したのは、直径32センチの半球を伏せ、円筒を取り付けた形の自律ロボット「ピクソン」。昨年12月の「先端ものづくりチャレンジ2010in習志野」ロボット競技で優勝している。
種目は「チャレンジ」「テクニカル」の2コースで、東北から関西までの大学、高校約30チームがエントリーした。
チャレンジコースは、特設台に多数転がした赤、黄、青3色のボールを、ロボットがセンサーで見分けて集め、各色のゴール箱に10分以内に入れる競技。ボールをアームでとらえたり、掃除機なみに吸い込む型など多彩な機種が競い合った。
ピクソンが12星座を模したイルミネーションを光らせ動き出すと、会場がどよめいた。ピクソンはファンモーターでボールを確実に回収。競技点に加え、独創性やデザインを評価する審査点もトップで、優勝した。 山田君は「製作に7カ月費やしました。外装デザインも高評価をいただけてうれしかった」。羽根田君は「期待に応えたパフォーマンスができ、とても満足しています」。
コンテストは東北の大学研究者らの実行委と日本ロボット学会などが例年6月に開催。今年は東日本大震災で一旦延期して開催にこぎつけた。
出場したのは、直径32センチの半球を伏せ、円筒を取り付けた形の自律ロボット「ピクソン」。昨年12月の「先端ものづくりチャレンジ2010in習志野」ロボット競技で優勝している。
種目は「チャレンジ」「テクニカル」の2コースで、東北から関西までの大学、高校約30チームがエントリーした。
チャレンジコースは、特設台に多数転がした赤、黄、青3色のボールを、ロボットがセンサーで見分けて集め、各色のゴール箱に10分以内に入れる競技。ボールをアームでとらえたり、掃除機なみに吸い込む型など多彩な機種が競い合った。
ピクソンが12星座を模したイルミネーションを光らせ動き出すと、会場がどよめいた。ピクソンはファンモーターでボールを確実に回収。競技点に加え、独創性やデザインを評価する審査点もトップで、優勝した。 山田君は「製作に7カ月費やしました。外装デザインも高評価をいただけてうれしかった」。羽根田君は「期待に応えたパフォーマンスができ、とても満足しています」。
コンテストは東北の大学研究者らの実行委と日本ロボット学会などが例年6月に開催。今年は東日本大震災で一旦延期して開催にこぎつけた。
超巨大ゾイド、幕張に出現
一瀬君らGAWAチーム製作
「デススティンガー」 |
全長約2メートルの超巨大ゾイド「デススティンガー」とイモムシ型「モルガ」の2体が、幕張メッセで公開された。
ゾイド(ZOIDS・タカラトミーの玩具シリーズ)は、テレビアニメなどでおなじみの、動物をモチーフとする架空兵器組み立て玩具。2体とも未来ロボティクス学科4年、伊藤大輔君(米田完教授研究室)らのプロジェクトチームが製作した。
デススティンガーは海サソリ型ゾイドで超重装甲、尾部に荷電粒子砲を装備という設定。ボディーはFRP製。脚はもちろんハサミや牙まで動く。モルガは全長60センチ余。左右独立車輪で身をよじって進む。いずれもラジコンで動く。出展に際し著作権元・タカラトミーの監修も受け、公式著作物とされた。
今回は、模型・玩具などのホビー商品で知られる株式会社コトブキヤから、新商品紹介「キャラホビ2011」(8月27、28日・幕張メッセ)を盛り上げたい、と出展依頼があり承諾した。
会場ブースでは伊藤君らがゲストとして紹介に当たり、操縦デモを行った。市販ゾイドは通常てのひらに乗る大きさ。来場者は、人ひとり寝そべったくらいの巨大“海サソリ”が尾部を揺らしながら進むさまに圧倒された様子だった。
モルガは、コトブキヤ秋葉原館4階に今後も展示されることになった。
伊藤君は「1年以上かけて作り上げたものを素晴らしい場所でお披露目できて光栄です。製作の苦労が報われました」と話している。
ゾイド(ZOIDS・タカラトミーの玩具シリーズ)は、テレビアニメなどでおなじみの、動物をモチーフとする架空兵器組み立て玩具。2体とも未来ロボティクス学科4年、伊藤大輔君(米田完教授研究室)らのプロジェクトチームが製作した。
デススティンガーは海サソリ型ゾイドで超重装甲、尾部に荷電粒子砲を装備という設定。ボディーはFRP製。脚はもちろんハサミや牙まで動く。モルガは全長60センチ余。左右独立車輪で身をよじって進む。いずれもラジコンで動く。出展に際し著作権元・タカラトミーの監修も受け、公式著作物とされた。
今回は、模型・玩具などのホビー商品で知られる株式会社コトブキヤから、新商品紹介「キャラホビ2011」(8月27、28日・幕張メッセ)を盛り上げたい、と出展依頼があり承諾した。
会場ブースでは伊藤君らがゲストとして紹介に当たり、操縦デモを行った。市販ゾイドは通常てのひらに乗る大きさ。来場者は、人ひとり寝そべったくらいの巨大“海サソリ”が尾部を揺らしながら進むさまに圧倒された様子だった。
モルガは、コトブキヤ秋葉原館4階に今後も展示されることになった。
伊藤君は「1年以上かけて作り上げたものを素晴らしい場所でお披露目できて光栄です。製作の苦労が報われました」と話している。
千葉市科学フェスタ2011
中嶋研と瀧研が出展
「セキュボール」や、水の浄化装置
自走車椅子などが好評だった中嶋研 | 瀧研は電気による水の浄化を説明 |
「千葉市科学フェスタ2011」は、東日本大震災の科学技術による復興を信じ〈現在(いま)のあなたから、未来のあなたへ〉をテーマに、10月1日から29日まで開かれた。同月8〜10日の3日間は、県庁近くの複合施設「きぼーる」に科学イベントが集合。千葉工大からも、科学のフシギを体験してもらおうと、2研究室がブースを出した。
未来ロボティクス学科・中嶋秀朗准教授研究室は3階・子ども交流館アリーナで「少しだけ触れてみよう!ロボットの世界」を開いた。参加学生は未ロボ専攻修士1年・田中達也さんと、学科3年の有馬萌子さん、扇諒君、大場諒平君、塩崎史尚君、冨山和孝君、能代紘平君。
1つは、車椅子ロボット「リリオン」。床に敷いたラインをセンサで読み取る自走車椅子で、子どもたちが好きなコースを記入、命令書どおりに動くさまを、試乗体験して喜んだ。もう1つは、農作物を荒らすイノシシや、ごみを散らすカラスなどを追い払う「セキュボール」を公開。動物が近づくと、内部の振り子でボールが不規則に転がり、驚いて退散する。
生命環境科学科の瀧和夫教授研究室も、同フロアで「浄化の科学〈アクアクラブ〉」を出展、学科4年の北村康平君、下山雄喜君が説明した。
「電気による水の浄化」実験で、まず、負に帯電している物質に正の電荷を与えることで、不純物同士を凝集させる。これを、水の電気分解で発生した気泡で浮上させ、分離する仕組み。
子ども連れの親たちが多く、きれいになった水に驚いていた。
未来ロボティクス学科・中嶋秀朗准教授研究室は3階・子ども交流館アリーナで「少しだけ触れてみよう!ロボットの世界」を開いた。参加学生は未ロボ専攻修士1年・田中達也さんと、学科3年の有馬萌子さん、扇諒君、大場諒平君、塩崎史尚君、冨山和孝君、能代紘平君。
1つは、車椅子ロボット「リリオン」。床に敷いたラインをセンサで読み取る自走車椅子で、子どもたちが好きなコースを記入、命令書どおりに動くさまを、試乗体験して喜んだ。もう1つは、農作物を荒らすイノシシや、ごみを散らすカラスなどを追い払う「セキュボール」を公開。動物が近づくと、内部の振り子でボールが不規則に転がり、驚いて退散する。
生命環境科学科の瀧和夫教授研究室も、同フロアで「浄化の科学〈アクアクラブ〉」を出展、学科4年の北村康平君、下山雄喜君が説明した。
「電気による水の浄化」実験で、まず、負に帯電している物質に正の電荷を与えることで、不純物同士を凝集させる。これを、水の電気分解で発生した気泡で浮上させ、分離する仕組み。
子ども連れの親たちが多く、きれいになった水に驚いていた。