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2011.6.15

「よつかるた」を四街道市に寄贈


鈴木亜弥さんの卒業制作
鈴木亜弥さん
鈴木亜弥さん
 本学大学院(デザイン科学専攻)を修了した鈴木亜弥さんが制作した地域かるた「よつかるた」220部が5月17日、本学から四街道市に寄贈された。市内の小学校、幼稚園、保育園の各学級に1部ずつ配られ、楽しく使われることになりそうだ。
 「よつかるた」は四街道市出身の鈴木さんが「地域活性化のためのプロジェクト計画」として卒業制作。遊びながら市民に地元を知ってもらおうと、市の歴史や行事、産業などを明快で可愛いカルタにまとめた。
 「あ」から「わ」までの44枚。「な」は「なまえの由来は 四方向に伸びる街道 四街道十字路」、「ふ」は「ふく星寺の しだれ桜は 370歳の おじいちゃん」といった調子。絵札の裏はパズルを兼ね、つなぐと市のカラフルな絵地図ができあがる。
 小学生や幼稚園・保育園児に学ばせたいと、かねて市から希望があり、快諾した鈴木さんと本学が市制30周年の今年、増部印刷して寄贈することになった。
 寄贈式は四街道市役所市長室で行われ、佐渡斉市長から「ご好意に感謝します」と本岡誠一学長に感謝状が手渡された。
 鈴木さんは今春、大学院を修了。家電メーカーのデザイナーとして神奈川県へ。仕事のため寄贈式には欠席したが「大学入試広報部長など多くの方の協力でここまできました。実際に使っていただけるなんて、夢のよう。多くの市民に楽しんでいただきたいです」とコメントを寄せた。
 鈴木さんは四街道市の依頼で、市制30周年の記念ロゴもデザインしている。
かるたの表面は四街道の地図に 佐渡市長(左)から感謝状を受け取る本岡学長
かるたの表面は四街道の地図に 佐渡市長(左)から感謝状を受け取る本岡学長

杉原さんが企業賞


光るエコおもちゃ
エコ・プロダクツコンペ
手足に付けて・・・・・・遊び方はいろいろ 手足に付けて・・・・・・遊び方はいろいろ 手足に付けて・・・・・・遊び方はいろいろ
手足に付けて・・・・・・遊び方はいろいろ
 工学部デザイン科学科4年の杉原加奈さん(山崎和彦研究室)が、第4回エコ・プロダクツデザインコンペ(エコ・プロダクツデザインコンペ実行委員会、大阪市など主催)で企業賞を受賞した。
 コンペは、地球環境に配慮した新しい製品デザインの商品化を目指し、2007年から毎年開催。グランプリや優秀賞のほか企業賞が設けられ、今回は参加企業23社のうち13社が、応募作の中から企業賞を選出した。
 受賞作「ふりふりらいと」はデザインプロジェクトの授業で制作した、一種のおもちゃ。電池ではなく、振動センサーを使用。センサーを内蔵したシリコンの球六つをつないで輪にし、子どもの腕や足首に装着。“ふりふり”と振るとセンサーが反応し、それぞれの球が違う色に光る。
 子どもが電池を消費しない光の球と遊び、それを見ている大人もエコロジーを実感できる。
 株式会社オフィスジャパンから「子どもたちがお祭りなどでつけて楽しめそうな、可愛らしいデザイン」と評価された。
 杉原さんはコンセプトを何にしようか迷う中で「環境への配慮は誰もがしているわけではなく、中には面倒くさいと思っている人もいるのでは」と思い「手軽に、自然にエコができるプロダクトを」と考えたという。日常の遊びの中で、環境への意識を高める作品に仕上がった。
 表彰式は3月に大阪市の大阪デザイン振興プラザで行われた。
杉原加奈さん
杉原加奈さん

浅野さんKDDI賞


携帯アイテムで楽しいデザイン
浅野達哉さん
浅野達哉さん
 携帯電話に付属するさまざまなアイテムを、コンパクトな箱に一つずつ収め、インテリア小物のような楽しいグッズに――本学大学院工学研究科デザイン科学専攻2年の浅野達哉さん(長尾徹研究室)が、KDDIの「iida AWARD2011」で多数の応募者を抑え受賞した。
 このデザインコンペティションは、「常識や慣習にとらわれない新たな才能を発掘、新しい価値を持った製品を生み出し国内外のケータイデザイン市場に新風を吹き込む」ことを狙って開かれており、今回が2回目。
 全世界の学生を対象に、携帯電話の周辺アイテムやデジタルコンテンツのデザインや企画を募集してきた。その結果、237の大学、専門学校、高校から570作品の応募があり、5月に3人(組)の受賞が決まった。
 浅野さんの作品は、積み重ね式携帯周辺アイテム「Box−s(ボックスズ)」で、イヤホン、バッテリー、クリーナー、スピーカーなどが一つずつ美しい箱に収められ、統一感のある持ち物となっている。重箱のように組み合わせもできる。
 審査員からは、「携帯電話のいろいろなアイテムを同じサイズで展開、インテリア小物やステーショナリー(文房具)のような楽しいものに仕立てた。それぞれの機能によって機構の難易度や価格設定が異なることも予想され、製品としてどうまとめていくかが課題」という評価を得た。
 受賞作は、今後、ワークショップを通じて製品化が進められる。浅野さんは、「前回あと一歩だったので今回の受賞はとてもうれしい。いろいろな人に使ってもらえる良い製品になるよう、ワークショップでがんばりたい」と話している。
 なお、他の受賞作は、USB充電ストラップ(韓国のソウル国立大と弘益大チーム)と、モバイルブースター(金沢美術工芸大チーム)。
Box−s ▲マグネットで重ねられる
  ▲マグネットで重ねられる

ミラノ国際デザイン展


今年も山崎研が出展
すし皿などで日本文化を演出
すし皿などで日本文化を演出
 イタリア・ミラノで4月12日から17日まで開かれた世界最大級の国際家具見本市「ミラノサローネ」に、今年もスマイルエクスペリエンスデザイン研究室(山崎和彦研究室・デザイン科学科)の有志が参加し、英国団体のデザインブロック会場に出展した。
 参加者はフランス留学中の亀井隆昭さん(修士2年)、カナダ留学中の上田香織さん(同)が加わり総勢17人。今回は、日本から持参したキューブギャラリーシステムを組み立て、「庭園」をイメージ。すし皿や、富士山ハンガーなど日本文化を演出するわきで、工夫を凝らしたデザイン作品を展示。手で触れ、見て楽しい作品が来場者の笑顔を誘った。学生らのアイデアに驚く人も見られた。
 脇屋玲央さん(修士1年)は「卒業研究で制作した“だらしない男性用の洋服入れ”をTシャツ用、ズボン用、ハンカチ用と3点持参。バイヤーの目に留まって・・・・・・なんて妄想していましたが、行って力の無さを痛感しました。エネルギー、個性、主張・・・肌で感じることができて良かった」。
 黒坂晋さん(同)は「周りがすべて欧米人という状況。コミュニケーションは、自分が発信しなければ何も始まらないことが分かりました。質問されて、返せず悔しかった」と話していた。
作品を見て来場者から笑顔も
作品を見て来場者から笑顔も