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2011.5.15

「自己組織化マップ」で講演
加藤さん(電情専攻)に奨励賞


情報処理学会
 本学電気電子情報工学専攻1年(受賞時)の加藤拓巳さん(小原和博研究室)が、情報処理学会第73回全国大会で「学生奨励賞」を受賞した。
受賞の喜びを語る加藤拓巳さん
受賞の喜びを語る加藤拓巳さん
 大会は3月2日から3日間、東京工業大学大岡山キャンパスで「グリーンIT―人類の未来のための情報処理技術―」をスローガンに開かれた。
 加藤さんの講演テーマは「自己組織化マップによる企業別特許マップの作成」。所属する小原研究室では、人工知能の応用研究の一つとして、テキストマイニングと自己組織化マップ(SOM)を用いた特許マップの作成について研究している。SOMはニューラルネットワークの一種で、多次元の入力データを学習して2次元マップを出力する。類似のデータが近くに配置されるのが特徴である。
 加藤さんは「情報家電」と「立体映像」に関する特許を対象にして、テキストマイニング(単語頻度解析と係り受け解析)により特徴ベクトルを作成し、それをSOMに入力して特許マップを作成した。SOMへの入力データ(行列)として、企業名を行、技術用語を列とした場合と、新たに、技術用語を行とし、企業名を列とした場合も調べた。これにより、技術用語をラベルとした企業別特許マップを作成できる。
 このマップを用いて、研究テーマを決定したり、企業の技術開発戦略や企業活動の方向を策定したりする事例を示した。例えば、情報家電では「S社が、競合するP社に勝つためには、セキュリティー分野の研究開発を推進するか、当該分野で先行するY社とライセンス契約を結ぶのがよい」という方策を考える。また、立体映像では「SH社とSO社は高解像度技術の研究開発を推進するのがよい」と考える。この講演内容と質疑応答の態度が高く評価された。
 表彰式は3月3日に行われた。加藤さんは「小原教授から懇切丁寧なご指導をいただき、河野久志先輩からもいろいろと教えていただき、自分も積極的に取り組んだ結果で、大変うれしく思います」と受賞の喜びを語っている。

商談会チラシ 最優秀賞


内藤さん(デザイン科学専攻)が制作
最優秀賞を受賞した商談会チラシ
最優秀賞を受賞した商談会チラシ
 大学院デザイン科学専攻修士2年の内藤万莉子さん(赤澤智津子研究室)が昨年制作した「しんきん食の商談会」のチラシが、平成22年度信用金庫PRコンクール「チラシ・パンフレット部門」で最優秀賞を受賞した。
 この作品は本紙・昨年7月号で紹介した通り、千葉県内5信金(千葉、銚子、東京ベイ、館山、佐原)とコラボ産学官千葉支部が共催した商談会=昨年10月7日・千葉市=用にデザインされた。伸び悩む千葉県の農漁業産品の販路を開拓しようと、生産者とバイヤーを結ぶ商談会を信金などが企画、内藤さんが産学官連携ネットワークを活用し、ポスターを兼ねて制作した。
 チラシは「あなたが作る自慢の逸品を千葉県内のスーパーの皆さんにアピールしてみませんか?」と説き起こし、商談会タイトルのわきには「地域密着型千産千消」のフレーズ。色彩豊かに大胆に描かれた魚介類、農産物の絵で埋められている。「文字だけにしようかと思いましたが、思い切って手描きの絵を入れました」
 商談会の後、5信金が合同作品として前記コンクールに応募。チラシ・パンフレット部門には全国93信用金庫・信用金庫協会から117点の応募があったが、内藤さんの作品が見事グランプリに輝いた。
 内藤さんは「受賞の連絡をいただいて驚きました。(商談会)会場の方々が、ポスターをとても気に入ってくださり、うれしかった覚えがあります。こういった企画の周知に貢献でき、うれしいです」と話す。
 デザインをアドバイスした赤澤准教授は「何が求められているのか理解しつつ、学生らしい大胆な表現が出来たのがよかったのではないでしょうか。賞は一つの客観的な評価なので私もうれしいです」と喜んでいる。
 作品は全国信栄懇話会が5月に発行する機関紙に掲載。表彰式は6月21日の同会総会で行われる。
受賞を喜ぶ内藤万莉子さん
受賞を喜ぶ内藤万莉子さん
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