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2011.5.15

赤羽教授の論文が受賞


第32回国際交通安全学会賞
 救命救急の現場と病院とを最短時間で結ぶには――。交通システムの研究で知られる本学工学部建築都市環境学科の赤羽弘和教授が、緊急走行の支援策を探り、第32回国際交通安全学会賞の論文部門で受賞、表彰状と賞牌などが贈られた。
赤羽弘和教授
赤羽弘和教授
 この賞は本田技研工業の創業者・本田宗一郎氏らの基金で設立された(財)国際交通安全学会が1979年以来毎年、理想的な交通社会の実現へ貢献した業績、著作、論文に授与している。
 論文表題は「プローブデータの分析に基づく救急車への緊急走行支援方策の検討」で、(株)トラフィックプス代表取締役・南部繁樹氏、本田技術研究所四輪R&Dセンターの吉田傑・主任研究員との共同受賞。
 金沢市で収集された救急車と一般車の一秒毎位の走行軌跡データに基づき、幹線道路・非幹線道路別、出動時・搬送時別、昼夜別に重回帰モデルを同定し、所要時間をかなり高い精度で推定できることを明らかにした。
 また、救急車の走行速度は出動時に特に高いこと、一般車の旅行時間は同経路・同時間帯に走行した救急車の2.8倍程度になることなどを示した。
 さらに推定所要時間と実所要時間の差の分析結果から、走行速度の低下区間と低下要因を推定し、特にボトルネック(隘路)部分の通過時に所要時間のばらつきが大きくなっていることを指摘した。
 そして、円滑な救急走行への支援策として救急車専用の最短所要時間経路情報の活用同情報の救急車間での共有一般車の最短所要時間経路情報の活用――を提言。これらが「救急車問題に悩む各地に、政策的示唆を与える貴重な成果」と評価された。
 授賞式は4月15日、経団会館・経団連ホールで行われた。
 赤羽教授は「車両がGPSなどによる測位データと測位時刻とを記録・伝送するプローブカーシステムは、カーナビシステムを介した最短所要時間経路の案内だけでなく、本研究のような車両の運行管理や排出量削減などに貢献する可能性が大きいので、さらに研究を進めていきたい」と話している。

モノづくりの楽しさ


1年次の「創造工学演習」最終回
小型走行マシン製作、性能を競う
グループで手のひらサイズの走行マシン製作に挑む グループで手のひらサイズの走行マシン製作に挑む
グループで手のひらサイズの走行マシン製作に挑む
 機械サイエンス学科の学生が1年次に、機械系技術者養成のための創成型実習「創造工学演習」を通して学ぶモノづくりの心。最終回はマイクロサイエンス工学コース。
 演習テーマは「小型走行マシンの製作」。発泡スチロールのボディー下部にベルベットリボンを貼り付け、振動を与えて推進力を得る、手のひらサイズの走行マシン製作で、グループ作業である。
 前期の実習では▽1週目=直進に適した形状・姿勢・リボンの貼り方などを自由に調べる▽2週目=直進性を高める▽3週目=推進力の特性などの課題調査――を経て、4週目にグループ対抗の綱引き競技を行う。
 後期は、一辺70mm四方の発泡素材にプラスチック薄板を貼り付け、振動を与えることで推進力を発生させる。無線で振動を変化させながらマシンを操作し、周回コースをリレーするという内容。前期の「直進するだけ」の課題を発展させる。
 1週目=動くマシンを作る▽2週目=直進性を高める▽3週目=旋回性能を高める――各テーマに沿ってマシンの最適化を図り、4週目がグループ対抗リレー競技。授業のたびに個人リポートを提出。演習最後には各班が授業全般を振り返り、マシン製作に係るプレゼンテーションを行う。
 この実習を通じて学生たちは、製作構想を練り、実験に合わせたマシンを協同して作り、これを動かして性能を測定するので、協調性やリーダシップの発現に繋がる。まさに技術者としての素養を養成する初級プログラムとなっている。
 遊び心を刺激され、競技によってグループ間の性能の優劣に客観順位が付けられるので、学生たちに好評のようで、「モノづくりはもとより、先端技術のロボット製作へも興味がわいてくる授業だ」との意見もある。

本学が団体優秀賞


22年度秘書技能検定
 財団法人・実務技能検定協会(元吉昭一会長)主催、文部科学省後援の平成22年度秘書技能検定で、本学が「団体優秀賞」に輝いた。
 秘書技能検定は、就職活動時の履歴書審査段階で人事採用担当者が「社会人としての常識が身についているかどうか」を見るための一つの基準となる資格。文科省の認定で秘書技能検定対策講座が設けられている。
 本学の学生も毎年6月と11月の検定試験を受験。平成22年度の2級検定で53人が合格(合格率55・2%)するなど好成績を収め、22年度受験1921校中、団体優秀賞わずか64校のうちの1校に選ばれた。
 表彰式は2月26日、東京都千代田区の私学会館(アルカディア市ヶ谷)で行われ、就職課の福江聡課長が代表で出席し、賞状などを授与された。
 実務技能検定協会ではディジタル、秘書、レタリング、ラジオ・音響、トレース、ビジネス文書、ビジネス実務マナー、サービス接遇、ビジネス電話の9種目の技能検定を実施しその年度の優秀な個人、団体を表彰している。
粕谷さんに優秀者賞
優秀者賞に輝いた粕谷史織さん
優秀者賞に輝いた粕谷史織さん
 建築都市環境学科4年(受賞時)の粕谷史織さんに3月1日、秘書サービス接遇教育学会(元吉昭一会長)から2010年度の「秘書実務士優秀者賞」が贈られた。
 07年に日本秘書教育学会とサービス接遇教育学会が合併して誕生した秘書サービス接遇教育学会は、主として学生、生徒に対する秘書技能、サービス接遇技能を媒介とした就職指導、教育活動を目的としている。
 年次研究大会の開催や「秘書サービス接遇教育研究」などの冊子を刊行して対人技能の向上を目指しており、現在約400人の正会員と43団体の賛助会員がいる。
 田中さんは同学会の正会員で理事でもある講師の吉村英司氏の推薦により、全国で年間数人しか選ばれない優秀者賞に輝いた。
 粕谷さんは「授業と講座を同時に受けるのは大変でしたが、準1級と2級の両方合格して良かった。就職活動に生かすとともに、社会に出た後、学んだことを生かせればと思います」と話している。

箕箸君のデザインに決定


今年度“オーキャン・バッグ”
(右から)箕箸雄教君、中根みつ乃さん、中神多栄子さん
(右から)箕箸雄教君、中根みつ乃さん、中神多栄子さん
 本学開催のオープンキャンパスで、来場者にプレゼントするオリジナルの不織布バッグのデザインが決まった。
 今年度もデザイン科学科の学生たちからデザインを募集。使用色を昨年1色から今年は3色に増やした。応募42点のうち最終選考に箕箸雄教君(赤澤研究室)、中根みつ乃さん(中本研究室)、中神多栄子さん(赤澤研究室)のいずれも4年生の3作品が残り、箕箸君のデザインが選ばれた。
 箕箸君は「CIT、千葉工業大学を覚えてもらおう。そして、普段使いができるようなデザインを目指しました。たくさんの人に使われるということで、不安でもあり、楽しみでもあります」。色の組み合わせやレイアウトに苦心したという。
 このバッグが配布されるのは7月オープンキャンパスからで、9月、11月にはカラーを変えて配布。1年間で約5000人がこのバッグを手にすることになる。
 また、中神さんのデザインは本学発行の受験生用問題集の表紙に起用。中神さんは「奥行きを感じられるよう、明度や余白を工夫しました」。ツインタワーとパンダをあしらった中根さんのデザインも、オープンキャンパスで配布している女子高校生向けグッズに使われることが決定。中根さんは「最終審査に残れてうれしい」とコメントしている。
今年度のオーキャンバッグに選ばれた箕箸君の作品
今年度のオーキャンバッグに選ばれた箕箸君の作品
最終選考に残った中根さん(左)と中神さんの作品 最終選考に残った中根さん(左)と中神さんの作品
最終選考に残った中根さんと中神さんの作品