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2011.3.15

かわさき産業デザインコンペ2010


本学の4人が受賞
(右から)青木友希さん、浅野達哉さん、坂井洋介さん、中野寛之さん
(右から)青木友希さん、浅野達哉さん、坂井洋介さん、中野寛之さん
 神奈川県川崎市内の企業が設定した9つの課題についてデザインを公募する「かわさき産業デザインコンペ2010」(川崎市主催)で、本学の学生が優秀賞2点、入賞1点を獲得した。
 このコンペは応募作品の商品化を目指すもので15回目。今回のデザインテーマは「暮らしを支えるデザインを・・・」。実現の可能性が高く、ユニバーサル性やエコロジー性にも配慮した提案が要請された。
 全国のデザイナーらから145点の応募があり、1次審査を通過した10作品の実物大モデルを対象に2月3日、公開審査が行われ、グランプリ1点、優秀賞4点、入賞5点が決まった。
 本学からの優秀賞は、浅野達哉さん・坂井洋介さんの「TATAMI」、青木友希さんの「KANGAROO」。入賞は中野寛之さんの「Plusus」(ぷらさす)。4人とも大学院デザイン科学専攻(長尾研)の修士1年。
 浅野・坂井組の課題は「ストレッチャーになる病院用ロビーベンチ」。現代の病院に置くのにふさわしい、きれいなデザインが評価された。2人は「課題提出企業の協力を得て行う実物モデル製作では、ふだん体験できない実践的なデザイン活動ができた」と語る。
 青木さんの課題は「室内外での使用にふさわしいユニバーサルデザインのエプロン」。受賞作品はひっくり返すとエコバッグになるエプロンで「忙しいお母さんが急に外出しなければならなくなった時に、すぐに外出に合った形にできるよう工夫した」という。
 入賞の中野さんが選んだ企業課題は「CDジャケットのディスプレイツール」。既存のものより自由にレイアウトができるよう、壁を利用したツールを提案した。中野さんは「自分の考えを他の人に話すことで、作品作りのプロセスに客観性を持たせた」と話している。
 中野さんは学部1年の段階でも積極的にコンペなど課外の活動に挑戦してほしい。新しい経験が今後の成長につながります」と後輩たちに勧めている。
 表彰式は2月3日、かながわサイエンスパークで開かれた「かわさきデザインフェア」で行われ、入賞作品も展示された。
 なお、同コンペの「2006」では、本学デザイン学科4年生がグランプリを勝ち取っている。
左から浅野さん・坂井さん、青木さん、中野さんの作品 左から浅野さん・坂井さん、青木さん、中野さんの作品 左から浅野さん・坂井さん、青木さん、中野さんの作品
左から浅野さん・坂井さん、青木さん、中野さんの作品

地元・鈴木さんがデザイン
市制30周年記念ロゴ


四街道市
記念ロゴマーク

 今年4月に市制30周年を迎える四街道市の記念ロゴマーク==を、本学大学院デザイン科学専攻修士2年(長尾研)の鈴木亜弥さんがデザイン、「市政だより四街道」3月15日号で発表される。
 きっかけは、四街道市在住の鈴木さんが卒業研究で作った地域かるた「よつかるた」。地元をもっと市民に知ってほしいと、地域の事柄を詠み、可愛くカラフルな絵にした。2年前、千葉県現代産業科学館で開かれたデザイン科学科の作品展示会に出品、会場を訪れた四街道市の教育関係者の目に留まった。
 これが縁で、鈴木さんは「よつかるた」を実際に市民に使ってもらえたら、と四街道市長あてに手紙を書き、訪問して、かるたを進呈。市内の小学校や幼稚園で教材として使われることに。
 そしてそのイラストセンスにほれ込んだ四街道市職員たちが、鈴木さんに30周年の記念ロゴ制作を依頼、このほど大役を果たした。
 記念ロゴは「30」の文字を、元気はつらつとした少年で表し、その少年を地域と親が協力して支え育むさまを、丸い市章をあしらいデザイン化。子供を元気に育てられる街をイメージしたという。
 緑色と、市花サクラソウのピンクで描いたものを基本色に、オレンジ、モノクロ印刷用の白黒を加え、計3色。各色につき文字も「周年」、「Anniversary」の2パターンとし、全6バリエーションのデザインとなった。
 市ではこのロゴを30周年記念行事や刊行物、協賛事業に使用することにしている。鈴木さんは「市民の皆さんに、市を身近に感じてもらえるようなデザインを心掛けました。市と共に、このロゴマークにも愛着を持っていただけたらうれしいです」と話している。
 鈴木さんは、本紙コラム欄のイラストを2年間デザインした。独特な色づかいとユーモアに富んだ図柄も、今号で見納めとなる。

きっかけとなった「よつかるた」を手に鈴木亜弥さん
きっかけとなった「よつかるた」を手に鈴木亜弥さん

未ロボ学生たち 自らプロジェクト


介護・治療を支援――
関係者を招いての活動成果報告の様子と代表の宇井吉美さん 関係者を招いての活動成果報告の様子と代表の宇井吉美さん
関係者を招いての活動成果報告の様子と代表の宇井吉美さん
 未来ロボティクス学科の学生たちが介護現場や、うつ病治療支援のプロジェクトを自ら立ち上げ、「介護者支援システムGCSSとアバターエージェント」と題して研究。2月15日、教授ら関係者を招いて活動成果を報告した。
 メンバーは宇井吉美さん、遠藤沙莉さん、大矢将登君、石川陽一君、又吉クリシュナ君の学部2〜3年生5人。
 家族がうつ病になった経験から、宇井さんが発案した。患者家族や介護者を手助けする研究がしたい、とメンバーを募り、遠藤さんら4人が賛同。富山健教授(ヒューマン・ロボット・インタフェース、感性工学)の指導を仰いで研究を始めた。
 「awakened bunch activity」略称aba(アバ)プロジェクト。今回発表したのはマットレスに組み込んだ非接触型尿感知器うつ対策介護者支援ロボット――の二つ。
 尿感知器は、福祉施設「都心会保谷苑」での介護実習体験が元となった。人手不足の現場では、おむつ交換が遅れがちだ。排泄通報の機器はあるものの、現状では使い捨てで高価という。そこで、使い捨てでなく安価、しかも肌接触を避けて違和感なく――と、ガスセンサで排泄を感知し、機器はベッドのマットレスパッドに組み込む方式を考案した。保谷苑や明和会西八王子病院、DDO株式会社が開発に協力している。
 「うつ対策介護者支援ロボット」は、患者に対するカウンセリングを、一部ロボットが担えないか、という未来的な発想で、まだ構図を描いている段階。
 うつ病は、投薬に加え、カウンセリングを十分にすることで治療効果が増すことが分かってきた。コンピューターが一部代行しても有効という。
 ゆくゆくは、これらをシステム化して多重センサ系とアバター(分身)ロボットで構成。病室環境、患者の生理、徘徊などの行動状態をセンシングし、アバターロボを通じて一元的に扱えるようにしたい。そして医療介護現場を多角的に支えたい、というのが5人の夢だ。
 宇井さんは「課題もゴールも壮大で果てしないので、医療介護への特別な思い入れがないとモチベーションの維持が難しい。できれば医療介護の専門家も入れて、さらに研究開発を進めたい」と話している。
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