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2010.12.15

小畑君(デザイン科学科)が最優秀賞
トヨタUD学生ワークショップ


「高萩の畳を使ったデザイン」
最優秀賞に選ばれた作品
最優秀賞に選ばれた作品
 「茨城県高萩市に本当に必要なデザインを生み出そう!」をテーマとしたトヨタ・ユニバーサルデザイン(UD)学生ワークショップの最終発表大会が10月23日、同市の誇る古民家、穂積家住宅で行われ、本学デザイン科学科4年の小畑一真君の所属するチームが最優秀賞に選ばれた。
 本学の同ワークショップ参加は3年目。今年は7校の大学、専門学校から36人の学生が参加。学校を越えて6つのチームに分かれ、6月から半年間、同市内を観察し、市民にインタービューしながら、課題解決のためのデザインを探究した。
 小畑君のチームは日本で唯一の「畳工芸美術館」が、同市内の畳職人育成の畳高等職業訓練校にあることに着目。
 高萩ならではの「伝統」畳工芸技術を生かしたデザイン景観を壊すことなく「自然」と調和するデザイン「人」のつながりを生み「人」のためになるデザイン――をコンセプトに「高萩に座ろう。」というタイトルにまとめ、発表した。
 提案内容は、蓄光塗料を塗った繊維と塗っていないビニールを市松模様に編んで暗くても目立つ畳を作り、ベースにはFRP(繊維強化プラスチック)を敷き、芯材に軽いスタイロフォーム(押出法ポリスチレン板)を使って仕上げる。
 これを海岸に出入りする階段に海から見て「ハ」の字型に置けば、海を眺めながら足を投げ出してゆったり座れてコミュニケーションを楽しめ、海辺から帰るときは畳部分が自然な発光により出口と段差段数が分かりやすいというもの。
 小畑君は「学校対抗だった前回と違い、今回は混合チームだったので話し合いの機会がなかなか持てず苦労したが、みんな様々な個性の持ち主だったので、いつもと違う視点からのアイデアが出てとても楽しかった」と振り返った。
小畑一真君
小畑一真君

三丸さんと黒川君に奨励賞


「プロと卵のエコデザイン展」
山崎教授、学生2人も出品参加
奨励賞に選ばれた三丸拓也さん(左)と黒川幸伸君
奨励賞に選ばれた三丸拓也さんと黒川幸伸君
 プロの工業デザイナーとデザイナーの卵たち(学生)が地球生活をテーマにエコデザイン・プロダクトを提案する「プロと卵のエコデザイン展2010」が9月23日〜10月3日、東京・西新宿のリビングデザインセンターOZONEで開催され、本学デザイン科学科の山崎和彦教授と学生4人が出品、学生作品の中から大学院修士1年の三丸拓也さんと、学部4年の黒川幸伸君が奨励賞に選ばれた。
 同展は日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)東日本ブロック環境委員会が主催。2004年からプロと学生が協働する形で開催している。今年はプロが山崎教授ら17人、学生は大学、専門学校など11校37人が参加。6月〜9月の間、6回のワークショップで学生はプロから実践的なデザイン指導を受けながら制作に取り組んだ。
 三丸さんの作品名は「glimmer」(かすかな光)。日中はソーラー発電を利用して照明に、またスコップにも使える製品の提案。夕方暗くなってから犬の散歩に出る際、手にシャベル、リード、懐中電灯など、持ち物が多くなるのを軽減するためのアイディア。LEDを埋め込み、スイッチ可動までを実働化する工夫を施した。
 黒川君の作品名は「そらいと」。アウトドアのキャンプで使えるソーラー充電式のLED照明製品の提案。火を使わないのでテントのそばに置いても安心で、4つ組み合わせると花びらのような形状になる。
 黒川君は「エコについて考えすぎると、つまらない提案になってしまうので、作りたいモノを作りました」と感想を述べている。
 このほか、受賞は逃したが、同学科の小谷津のぞみさんは「CopIn」と題したエコロジーとノスタルジー(思い出の記録保存)を調和させた作品を、脇屋玲央さんは「eco kettle」というエコな湯沸し器を出品。
 また、山崎教授は「Smile Morning」というタイトルで、エコで気持ちのよい朝を迎えるプロダクト提案を行った。
 なお、ワークショップには毎年、山崎研究室の学生が積極的に参加、常に数人が受賞する好成績を残している。過去の作品などはウェブで。
◆同展URL
 http://marucan.jp/exhibition2010/index.html
三丸さんの作品 黒川君の作品 山崎教授の作品
三丸さんの作品 黒川君の作品 山崎教授の作品

金田さんに白鳥(会長)賞


情報処理学会ワークショップ
「センサー椅子で姿勢推定」提案
白鳥賞が贈られ「感激の極み」と語る金田将英さん
白鳥賞が贈られ「感激の極み」と語る金田将英さん
 情報処理学会(会長・白鳥則郎東北大教授)の第18回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ(DPSWS)が10月27〜29日、宮崎県日南海岸の青島サンクマールで開かれ、電気電子情報工学専攻(修士1年)、金田将英さんに白鳥賞が贈られた。
 金田さんは特別セッション(ポスター・デモセッション)のカテゴリーで、「センサー椅子を用いた姿勢推定手法の提案」論文をポスター発表。参加13作品の中から研究の着眼点、将来性および発表内容などを白鳥会長に高く評価されて受賞した。
 論文は近年とみに注目される、通信ネットワークを利用したオフィス以外の、例えば自宅などで働く「テレワーク」をテーマに選んだ。
 この労働形態は仕事と生きがいの両立を実現する有効な手段だが、一方で遠距離通信する双方の状況を把握できないことから引き起こされる孤独感、疎外感による士気低下、生産効率の低下が問題になっている。
 そこで金田さんは、圧力センサーを装着した椅子を使い、その圧力データから通信者の姿勢を推定、仮想空間のアバターに反映することで互いの状態を共有して問題の軽減を図ることを目的にしている。
 金田さんは「読ませるポスターではなく、見て分かるポスターになるよう工夫した。初めての参加で賞がいただけて感激の極み」と語っていた。

北田さん、照明学会奨励研究に


対向建物による直射日光の反射光の影響
研究パネルを前に笑顔の北田惠士さん
研究パネルを前に笑顔の北田惠士さん
 第43回照明学会(橘邦英会長)全国大会が9月7日大阪市立大学で開かれ、建築都市環境学(望月悦子准教授研究室)専攻の修士2年、北田惠士さんが、今年度研究・教育助成の奨励研究に採択され、助成金(30万円)の伝達式が行われた。
 この奨励研究は照明およびその関連分野に携わり学術の発展や技術の向上に寄与している大学、高専の個人またはグループの研究活動を支援、研究者の育成をはかる目的で設けられた。
 今年度は4件が選ばれた。北田さんの研究テーマは「対向建物による直射日光の反射及び形態が採光に与える影響」。
 望月研究室では、人間が安全かつ快適に暮らすために身の周りの光・視環境がどうあるべきかを大きなテーマに、学生が自分の興味に応じて様々な分野について自由に研究している。
 北田さんは今年9月、日中韓の国際会議でも、望月准教授と組んで天空率規制に基づく高層建物による光環境への影響について発表している。