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2010.12.15

就職情報を交換 企業と本学


産学懇談会に398社
多くの人事担当者が出席した「産学懇談会」
多くの人事担当者が出席した「産学懇談会」
 多数の企業と本学が学生の就職について情報を交換する「産学懇談会」(平成22年度)が11月5日、ホテルニューオータニ幕張で開かれた。大学生の就職率が悪化している現在だが、懇談会には昨年を上回る398社の人事担当者が出席した。今回初めて「本学の学生に対する要望および卒業生に対する評価」について企業アンケートを行った。
「メーカーズシャツ鎌倉」貞末会長が講演
 第一部では、本岡学長があいさつに立ち、就職氷河期が続く現状の中で協力をいただく企業に謝意を表明。「学生たちを在学中にしっかり教育し卒業時には社会に貢献できる人材を送りだしていく」と決意を語った。
 続いて、本学OB(昭和39年電気工学科卒)である「メーカーズシャツ鎌倉株式会社」取締役会長・貞末良雄氏が「工学部を出てシャツ屋になるまで」と題して講演を行った。
 初めに「会社概要」と「NHKワールド」で紹介されたDVDを放映。そのあと貞末氏は、アパレル業界の世界的不況の中で、宣伝もセールもしないで売上を伸ばしている自社製品について説明した。
 53歳で起業したこと、「こんないいものがこんな値段?」と驚かれること、顧客の70%がリピーターであること、作るのも売るのも自分というシステムのこと、工学部出身の利点など、聞き手をうならす話が続いた。
 第二部は情報交換会。瀬戸熊修常務理事が乾杯の発声を行い、懇談に移った。各学科のブースに学科長や就職担当教員らが着き、企業の担当者と1時間半近く話し合い、宇野英隆(常任)理事の発声で閉会となった。
 なお、初のアンケートは、「学生に習得してほしい基礎学力や能力」、「学生に身につけてほしい人的なスキル」、「本学の卒業生は専門分野に関する技術者として基礎学力や能力を有しているか」などについて選択肢から選んでもらう方式。本学の教育活動に関する要望を記述する欄も設けられている。
講演する貞末良雄氏 情報交換会の様子
講演する貞末良雄氏 情報交換会の様子

本学で初の千葉開催


全国進学指導研究大会
「高校と大学の連携」テーマに
 全国の高校の進路指導関係者が一堂に会する「全国進学指導研究大会」が10月28、29の両日、初めて本学で開かれた。
 全国大会は、平成7年の第1回(神奈川)以来16回目。全国高等学校進路指導協議会などが主催し、今回は千葉県高校教育研究会進学指導部会が主管した。
 テーマは「高校と大学の提携」〜最新教育事情〜で、サブテーマは「現代教育問題」「大学先端研究情報」の2つ。千葉県内ガイダンスセミナーには40大学が参加、4短大が資料を提供。高校は113校が参集した。
 会場廊下には本学未来ロボット技術研究センター(fuRo)が開発したロボット3台、学生が製作したフォーミュラカー、鯨衛星・観太くん、デザイン科学科の作品が展示され注目を集めた。
 28日は、津田沼キャンパスで開会式を行ったあと、「現代教育問題」シンポジウムを開催。千葉大学教育学部・天笠茂教授(千葉県教育委員会委員長)が「学力の形成と学校間の接続をめぐる課題」と題して基調講演、そのあと同教授ほか大学・高校の教員による討議が行われた。
 29日は「大学最先端教育情報」がテーマ。初めに、本学惑星探査研究センター(PERC)の松井孝典所長が「惑星科学の現状と将来展望」と題して記念講演を行った=別項参照。
 そのあと、各大学からの講師による分野別講演が行われた。「『奥の細道』のとらえ方」「創作教育と人間教育」など12のトピックが発表され、本学工作センターの村越茂氏も講演した。
 終了後、希望者が研究室やfuRoなどを見学した。
本学の工作センター フォーミュラカーなどを見学
本学の工作センター フォーミュラカーなどを見学

松井PERC所長が記念講演


「惑星科学の現状と将来展望」
記念講演する松井所長
記念講演する松井所長
 太陽系には地球型「岩石惑星」、木星型「ガス惑星」そして「氷惑星」の3種類がある。各国が惑星や衛星探査を進めており、フライバイ(探査機通過)、周回衛星による探査、探査車着陸、人による探査があり、その全てが行われたのは月のみである。
 米国の「メッセンジャー」は2011年3月に水星周回軌道に乗る。金星では着陸船が活動。火星は「有人」以外の全ての探査が行われており、海がないため地球より調査が進んでいる。初期には地球同様、水の惑星であったと考えられ、生命存在の可能性が高い。木星から海王星まで周回衛星とフライバイによる探査が進んでいる。木星の「エウロパ」衛星では氷の下に海が確認され、生命の可能性がある。土星の衛星「タイタン」は最も生命存在の可能性が高い環境を持つ。
 現在は太陽系外惑星の調査も進んでいる。室内実験の分野では、惑星衝突を再現する実験も行われている。PERCでは地球以外の惑星・衛星の生命存在を探求するアストロ・バイオロジーに取り組んでおり、その基本が惑星探査。既存の地球生物学は“役不足”である。
習志野ロータリークラブでも講演
松井所長「生命と宇宙」
 松井孝典PERC所長は11月14日、本学津田沼校舎で開かれた習志野中央ロータリークラブ25周年、同ローターアクトクラブ20周年記念式典に招かれ、「生命と宇宙」をテーマに講演した。

学部教育シンポ開く


質の高い教育へ
3教員の発表を表彰
菅原昌彦教授 杉本卓教授 植草昌彦助教
菅原昌彦教授 杉本卓教授 植草昌彦助教
 より質の高い大学教育実践を図るための「学部教育シンポジウム」は今年2回目を迎え、第1部のポスター講演(9月15日)に続いて第2部の口頭発表が11月24日に津田沼校舎で行われた。
 本学は、教育について全学的な情報共有と意見交換を行い、各教員の教育手法・技術の向上を図るとともに教育業績を適切に評価することを目的に、昨年からシンポジウムを開いている。主催は本学教育業績表彰委員会(委員長・佐野利男副学長)とFD委員会(委員長・米田完未来ロボティクス学科教授)。
 ポスター講演では49件の発表があり、このうちから表彰委員会の推薦などで14件が口頭発表の対象になった。一人15分の持ち時間で行われ、審査の結果、次の3氏が教育業績表彰に選ばれた。
 ◇菅原昌彦・教育センター(物理学教室)教授「私の授業方針の変遷」◇杉本卓・教育センター(社会教室)教授「多人数講義課目における小グループ討論の活用」◇植草昌彦・工学部機械サイエンス学科助教「学生の質の変化に伴う機構学教授法の改善」
 表彰式は翌25日、津田沼校舎新1号棟3階大教室で開かれた教職員懇親会の席上で行われ、本岡誠一学長から3氏に表彰状と副賞(教育研究費)が贈られた。

23年度AO・推薦入試終了


自己推薦入試に小論文
 平成23年度AO(アドミッション・オフィス)・推薦入学試験が、11月14日の指定校推薦入学試験を最後に、全日程を終了した。
 本学では、今年9月から11月にかけて▽AO入学試験(9月と10月の2回)▽指定校制推薦入学試験▽特別入学試験(帰国生・外国人留学生・社会人)、そして編入学試験を実施した。
 これらの試験の志願者数合計は、昨年より32人増加して、1665人となった。
 今年の試験では、自己推薦入試で小論文試験を新たに導入した。
 また、外国人特別入試では、総数31人のうち14人がサウジアラビア、1人がアラブ首長国連邦からの留学生で、中東諸国からの出願が約半数を占めた。