2005.12.15

2面
 
TOKYOデザイナーズウィーク2005学生作品展
ストリートファニチャー国際大会

田中君、森ビル賞に輝く
 

 本学デザイン科学科の3年生を中心とした総勢17人のメンバーが、10月13日から16日まで開催された「KYOTOデザイナーズウィーク」、また、11月2日から6日に開催された「TOKYOデザイナーズウィーク2005学生作品展ストリートファニチャー国際大会」に作品を出品した。
 デザイナーズウィーク学生作品展は、国内外の美術系大学・専門学校の学生たちによる「エコロジー」をテーマとして制作された野外家具の展覧会で、京都展は、いにしえの東寺を舞台に、また東京展は明治神宮外苑絵画館前広場の広大なスペースで開かれた。
 本学では、約70人の応募の中から選ばれたフレッシュなアイデア満載のストリートファニチャー10点を出展した。最終日には、デザイナーズウィーク恒例の各社賞が計7作品選ばれ、本学デザイン科学科3年の田中義久君(上野研)の作品Lebenが、「森ビル賞」を受賞した。
 田中君の作品は人間を中心にした現代社会からエコロジーの定義に基づいた理想社会へ移り変わる様子を形にしたという。「側面の境面ステンレスの接着が苦労したところ。溶接すると境面ステンレスがゆがんでしまい、ステンレスハンダで頑丈にハンダづけをした……」と、作品作りの過程を語る。また、今回の作品作りを通して学んだことを今後の活動に活かしてさらに頑張りたいと受賞の喜びを語った。
 
森ビル賞を受賞して
喜びの田中義久君
「Leben」 田中義久
千葉工大の作品展示コーナー
 (神宮外苑絵画館前)
   
 

「ECOMOC」
板橋京子、菊池翠

  「綿々」
榎本博明、磯貝昴志
   
  「ナチュール」伊藤宏子、
内野ます美、小笠原こと江
  「ワスル」
三浦雄大、小島公平
   
  「wrapy」郭聖梅、
清水智子、白石真菜
  「ツイスト」森田潤
   
  右・「Biggy:B」菊池貴
左・「B:little」渡辺佑介
  「R1」吉村祐美
 
 
研究室ナビ(7)
生命環境科学科 資源・エネルギー・環境科学研究室


反応機構の解明が環境問題解決の鍵
人生の証として残る卒論を・・・
 
 津田沼校舎の1号館2階の生命環境科学科の研究室に尾上薫教授を訪ねた。
 尾上教授は、9月末に東京国際フォーラムで開かれた「イノベーションジャパン 大学見本市」で、環境・エネルギー分野の「マイクロバブル法を用いたハイブリッド型環境処理技術」というテーマで技術説明して注目された。
 尾上教授の研究テーマは、まず環境問題。「例えば二酸化炭素の濃度が増えるのは“物質収支の問題”」と言う。つまり、サイフの中身はインとアウトで決まるというのが、環境問題に直結すると言う。尾上教授は「私の専門は、物質の生成・転換機構の解明」と断言する。
 同教授は「新しい反応工学の見方」を図解で解りやすく説明してくれた(下の図解参照)。説明によれば、従来と異なるのは、AプラスBでPのほかにQもできるという考え方。
 「この反応では、Pを作るという前提は変わりませんが、Qを絶対に出さないでPを作ることの命題が達成できるかです。Aは石油でも石炭でもよかったが、石油や石炭では大気汚染物質を排出する場合があります。その対策としてAを代えるのも一つの方策です。
 「化学反応を利用してエネルギーを蓄積することもできます。夜間に氷を作り、昼間に氷を溶かすと冷房システムができます。冷房システムは蓄熱と呼ばれ、熱を貯めるのではなく、エネルギーを物として貯めている形になるのです」という。
 「基本的な考え方は、1つの反応式を書いておき、『私はここに注目します』と皆で応用すれば、資源、エネルギー、環境問題の対策に発展すると考えている。この反応式1本に集約されるのではないかと言うのが、私の研究室の基本的な思想なのです」と語る。
 ところで、研究室の現況について、尾上教授は「現在の研究室には専任講師の小林基樹先生がおります。3年生が配属されて50人以上の大所帯で、そのうち修士課程が13人、博士研究員・博士課程が5人です」。
 「まず学生諸君には、入ってきた段階で卒論で行う内容を人生の証しとして残すことを考えてもらい、卒論時に外に向かって自分の成果を発表することを推奨しています。また、修士課程2年時には全員が海外で発表することを実践しています。行き先として多いのは東南アジアですが、カナダ、ヨーロッパなどの学会でも発表しました。学生諸君は自主的に学会日程や場所を調べて、研究計画を立てています」と嬉しそうに語る。
 学生に対しては「スタッフ」と呼び、構成メンバーの認識を持たせている。研究室では“自分に厳しく、人には優しく”と指導している。座右の銘は“外柔内剛”。
 尾上教授は岩手県盛岡市出身だが、中学からずっと東京暮らし。小さい頃から数学が好きで、「理系に進もう」と思っていた。高校の時には「論文などで自分の足跡を残したい」と考えていた。実験が好きなので、「新しい現象の発見や研究の魅力に引かれ、日付けが変わることもしばしばです」と語っている。


「自分に厳しく、人には優しく」と
指導する尾上薫教授
尾上教授を囲んで、なごやかな研究室

 
 
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