2005.9.15

2面

自動車部 男子団体で優勝
 
 
全日本学生ダートトライアル選手権
ハードな練習、車体故障も乗り越え
 

 平成17年度「全日本学生ダートトライアル選手権大会(カーコンビニカップ)」(全日本学生自動車連盟主催)が、8月7日(日)、栃木県塩原市の丸和オートランド那須で開かれ、男子団体の部で本学の自動車部が優勝。
 ダートトライアル競技は、未舗装の路面に設定されたコースを走り、そのタイムを競い合う競技で、まるでラリーのスペシャルステージを見るような醍醐味あるモータースポーツとして人気がある。この大会には、各地区大会で上位の大学を含めて全国23大学が参加し非常にレベルの高い争いになった。
 本学からは、菅原昌志君(主将)=機械サイエンス学科2年、牧野雄太君=同学科3年、高見宣昭君=経営情報科学科3年=の自動車部チームが、自慢のトヨタEP82スターレットに乗り、見事団体優勝を飾った。また、男子個人成績は、菅原君が第3位、高見君が第4位という好成績をおさめた。
 菅原君らは「ダートトライアルの練習は、今年に入って週1回、大会1カ月前は週2回のペースで行ってきました。ただ、前日の練習会で車体に故障があったのですが、OBの方から部品を借りて直すことができ、優勝できました。感謝の気持ちと嬉しさでいっぱいです」と話していた。

 
▲果敢なドライビングで優勝したスターレット   ▲団体優勝を喜ぶ自動車部チーム
 
 
大学ガイダンスセミナー開催
 
 
高校生に適切な進路指導を・・・
29大学参加、進学相談会も
 
 
 
▲本学で開かれたセミナー会場   ▲大学教員、高校教諭が参加して討論したシンポジウム
 高校生に適切な進学指導が行えるよう――千葉県の大学教員・入試広報担当者と高等学校の進学指導担当・クラス担任教諭との間で高校教育および大学の教育研究内容などについて意見交換を行う「大学ガイダンスセミナー」が、8月26日(金)午前10時から本学津田沼校舎7号館で29大学が参加して開催された。
 はじめに、本学未来ロボット技術研究センター(fuRo)古田貴之所長による「未来ロボットの最新事情」というテーマの特別講演が催され、高校生ら225人が熱心に聴講した。このほか模擬授業として4テーマが行なわれ、最後にシンポジウムが開かれて大学教員、高校教諭が参加して「高校教育と大学教育の接点を求めて」と題して討論が行われた。
 また当日は、進学相談会も併せて行われ、多くの高校生が各大学の相談ブースを訪れた。
 


▲親子連れで訪れた相談ブースも・・・

 
 
 
研究室ナビ(6) プロジェクトマネジメント学科 榎本研究室
 
 
“限定市場”開発の研究
「本を読むな?!まず行動を」と指導
 
 榎本眞三教授は、「私のところは、ビジネス創成コース。限定市場の開発の研究です。具体的には、産学連携を地域経済資源の一つのクラスターと考え、このクラスターを活用して限定市場を開発すること。限定市場とは、私の研究では市場の規模、市場で売る製品、期間、量、あるいは対象分野が限定されていることを意味します」と研究テーマを語る。
 クラスターの中での大学の役割は、研究開発の専門家がいて、その研究成果を社会に提供していく。もう一つは、企業を支援する時のスターティングポイントを与えること。つまりビジネスのスタートアップ支援のきっかけづくりです。
 
▲38人の学生たちが学ぶ榎本研究室  
 「そのため、大学に限定市場を開発する環境整備のためにイノベーションセンターといった支援機構を組織すること。また、大学の教員がこのような支援を行った時に業績として評価することが大切です。従って、支援体制と業績評価を変えるシステムがなければならないと考えている。大学において、この二つがあってスタートアップ支援ができると考え、このような新しい産学連携の枠組みが大切です」と断言する。
 一方、「支援するためには、ビジネスモデルの特許を取らなければならない。我々のビジネス創成は、ビジネスモデルという知的所有権を取って、それを使っていただく。これが一つのスタートアツプ支援なのです」。
 ただ、良い製品を作った場合、どこに売るのか、すなわち市場確保が問題。特に中小企業は困ってしまうという。中小企業を中心に限定市場の開発研究をしている同教授は「産学連携による技術開発を行う場合、そのプロジェクトの中に限定市場をつくって置けばいいのではないか」という考え方を持っている。つまり、プロジェクトの中に市場開発、あるいは提供できるビジネスパートナーをメンバーに加えることだ。 まず大学は、研究機器を購入する場合、「こんなものを作ってほしい」とスペック(仕様書)をメーカーに出す。だが、良いものが出来上がると、メーカーは自社製品として他に売りに行くケースが多い。そこで、大学ではメーカーに、スペックやノウハウを与えながら、「一緒に開発しよう」という呼び掛けができるような産学連携の枠組みを研究している。そして、開発された技術や製品は、開発に参加した者で配分することによって限定市場を作れる可能性があるのではないかという研究を進めている。「この限定市場をどう作るかが私の研究テーマ。産学提携は支援団体から企業のスターティング支援に変わってほしい」と考えている。一方で、大学の先生も、産業界に直接スタート支援できる研究をもっと増やしてもいいという思いを持っている。

▲「新聞をよく読みなさい」と指導する榎本眞三教授
   現在、研究室には院生7人(博士課程1人、修士同6人)と学部学生31人(3年16人、4年15人)が学んでいる。週2回、修士課程の院生1人と学部生3、4人でディスカッションを行い、ゼミで発表させる。そして学生には、じっくり物ごとを考えるようにと、「本を読むな。辞書を引くな。“森を見なさい”」と教え、まず行動から学ぶことを身につけさせている。自ら“徒弟スタイル”の指導方法と称して苦笑いした。
 しかし、学生たちには「インターンシップで外に出なさい」「世の中、何が問題になっているのか新聞をよく読みなさい」と指導。実業社会からの問題や、意識的に自分で研究課題を見つけさせる訓練でもある。これまでの研究成果として産学連携による切削工具の半導体チャック、濾過器、コラーゲンの抽出法、花火の製造技術、ビジネスモデルなどの開発や取得がある。
 座右の銘は「仕事から離れる時間を作ること」。冬期休暇などを利用して東南アジアの地方に旅行し、自然の中でこれからのことを考えることだという。
 
 
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