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松崎教授 イグ・ノーベル賞
松崎教授は本学の大学院生だった1997年当時、自宅や大学にある水道の蛇口を見て「すべて手のひらサイズで直径はほぼ同じ。しかし、それぞれ形状や溝の位置は違う。デザインした人たちは何本の指で動かすことを想定したのだろう」と疑問を抱き、こうした人とモノの関係をグラフや数式で表すことで、デザインに役立つ資料になるのではないかと考えた。
実験では、直径が異なる45本(直径7〜130ミリ)の木製の円柱を用意し、被験者32人につまんで回してもらった。この動作を動画撮影した上で画像を解析し、つまみの太さと使う指の本数との関係や指の位置との関係を詳細に調べた。
その結果、直径が10ミリ未満では2本の指で回す割合が多いが、10〜11ミリでは2本と3本の割合がほぼ半々になった。また、それ以上大きな直径では3本指の割合が増え、90ミリ以上ではほぼ全員が5本指で回すことが分かった。
指の本数と同時に、円柱に触れる際の指の位置なども明らかにし、松崎教授の修士論文としてまとめられ、今回共同受賞となった指導教員4人と連名で99年に発表された。研究成果は取っ手やつまみ、ふたなどを設計、デザインする際に役立つとしている。
松崎教授は「身の回りでは、レバー式や非接触の操作も増え、「回すタイプ」は時代遅れな気もするが、着眼点を評価してくれたのはうれしい」と話している。また、多額の研究費をかけなくてもできる研究があることを学生に示せたのでは……と、教員の立場からも受賞の喜びを話している。
イグ・ノーベル賞授賞式で松崎教授(右下)=9月16日©Improbable Research |
来場100万人 達成
本学の東京スカイツリータウンキャンパス(都内墨田区押上)は9月23日(金・秋分の日)に、来場者100万人を達成した。
東京スカイツリー開業を控え、一角に未来体験スペースを計画した千葉工大は2012年、ツリー直下のソラマチ8階にスカイツリータウンキャンパスとしてエリアⅠ(ロボット技術・人工知能ゾーン)、14年にはエリアⅡ(惑星探査ゾーン)をオープン。最先端の科学技術を楽しめる体験型アトラクションゾーンを展開した。
開設10年目の今年、100万人目として迎えたのは加藤正樹さん家族(千葉県在住=写真上)。記念品の贈呈式が開かれ、瀬戸熊修理事長が「100万人目、おめでとうございます。本日は楽しんで行ってください」と加藤さんに、未来ロボット技術研究センター(fuRo)のセンサー技術を使ったパナソニック製ロボット掃除機「ルーロ」が手渡された。
加藤さんは一家4人(ご夫婦と小学5年男子、1年女子)で来訪。タウンキャンパスには2度目という。コンテンツが増えて見応えがあったそうで、小5・大誠さんは車いすレースなどをVRで体験できる「サイバーウィル」、小1・愛理さんは花図鑑アプリ「ハナノナ」がお気に入りに。
加藤さんは「幸運に恵まれ、びっくり。高価な品を頂きうれしい。理事長から直におめでとうと言われ、恐縮しました」と話していた。
同日は来場者と本学公式キャラクターのチバニーとのフォトセッションも企画。以後の先着600人に千葉工大オリジナルグッズが贈られた
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100万人達成のこの日、エリアⅠに新たなコンテンツが加わった。ロボカップ世界大会2022(7月11〜16日、タイのバンコク国際展示場で開催)の自律ロボットのサッカー・キッドサイズ競技で、千葉工大「CIT Brains」が3度目の世界一に輝いたことで、出場機「Accelite(アクセライト)」と、持ち帰った優勝トロフィーを公開=写真下。動画で競技の様子やロボットの制作過程を紹介している。
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