NEWS CIT ニュースシーアイティ

2022.5.15

大矢画伯に卒業証書授与


自主退学しスペインで活躍
 本学電子工学科(当時)に在籍後、スペインに留学し、現地で芸術家として活躍している大矢邦昭氏=写真左=に対し、本学は5月2日、40余年を経て卒業証書を授与した。
 大矢氏は1951(昭和26)年、山梨県甲府市生まれ。71年に千葉工大に入学し、20歳前後から独学で油彩画を描き始めた。美術への造詣を深めるため80年に退学してスペインに渡り、南部マラガ大で学びながら絵画の創作に取り組んだ。
 現地の画家・評論家・歴史家・実業家たちのグループ「アルチ・アカデミア」と交遊を重ね、セビリア、マドリードに在住して色彩豊かな油彩、水彩や銅版画の作品を次々に発表。98年には当時のローマ法王に謁見し、作品を献上した。
 今回の卒業証書は千葉工大特別卒業認定制度に基づき、芸術界での活躍を称えて贈るもので、本学に3年以上在籍▽卒業に必要な単位中100単位以上を取得▽学長の推薦がある者、特に社会的貢献に顕著である者――の資格を満たしていると判断された。
 授与式は津田沼キャンパス1号館20階の展望フロアで瀬戸熊修理事長、松井孝典学長が出席して行われ、大矢氏は緊張の面持ちで松井学長から証書を受け取った。
 昨年3月には、本学で建築学科の単位をほぼ取得しながら俳優業のため中退した舘ひろし氏に卒業証書が授与され、話題になった。

国際ロボ展 fuRo関連技術を展示


鈴木上席研究員が参加
国際ロボット展で説明する鈴木上席研究員(手前左)
国際ロボット展で説明する鈴木上席研究員(手前左)
 世界最大規模のロボット専門展「2022国際ロボット展」が3月9〜12日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「次世代人工知能・ロボットの中核となるインテグレート技術開発」展示ブースでは、鈴木太郎・未来ロボット技術研究センター(fuRo)上席研究員らが、ロボット技術と人工知能を活用した地方中小建設現場の土砂運搬の自動化に関する研究開発を展示した。
 東北大と本学、轄イ藤工務店が進めており、既存の建設機械(ダンプトラック)に知能・ロボットシステムを後付けして遠隔化・ロボット化するもの。中小事業者が多い地方の建設土木現場の人手不足や高齢化を解決するため、企業と連携して事業化を目指している。
 会期中の11日は、鈴木上席研究員も説明員として、開発を担当しているドローンを使った3次元計測と、全地球測位システム(GNSS)によるダンプトラックの位置姿勢推定などの説明にあたった。
 前回同展(2019年)には、16カ国から海外出展があり、64カ国から約7千人が来場したが、今回は新型コロナの終息がなお見えず、国内中心の開催となった。

プチスポット火山からプレート構造を新提示


町田上席研究員ら
 次世代海洋資源研究センター(ORCeNG)の町田嗣樹・上席研究員=写真=と東北大東北アジア研究センターの平野直人准教授は、太平洋プレートの深海底にある小さな海底火山(プチスポット)を調べ、深部マントルへ沈み込む前のプレート構造を新たに提示した。成果は英ネイチャー・リサーチのオープンアクセス誌コミュニケーションズ・アース・アンド・エンバイロメントに掲載された。
 地震や火山は、地球の外側のプレート(リソスフェア)が地殻変動で動いているために発生。リソスフェアのさらに下の柔らかいアセノスフェアがプレートの動きを駆動しているとみられてきた。
 一方、プチスポット火山は2006年、日本海溝付近で発見された新タイプの火山。深海のプレート割れ目に沿って、直下のアセノスフェアのマグマが染み出すように噴出する。プチスポットから得られる岩石は、アセノスフェアやプレートの性質、プレートテクトニクス理論への理解を深める手掛かりになり、最近、マリアナ海溝、トンガ海溝、スダ海溝、チリ海溝などでもプチスポットが発見されている。
 町田上席研究員と平野准教授は、プチスポットマグマと周辺の地質、プチスポットマグマに巻き込まれた深部マントルの岩石に関するこれまでの地球化学データをすべて評価した上で、不明な点が多かったプレートおよびアセノスフェア最上部を構成する岩石とその状態を検討し、プレート構造を新構築した。
 プチスポット溶岩の元素成分を特定し、他の火山活動で噴火する溶岩と区別した上で、日本海溝沖で活動したプチスポットの下では、珪酸塩マグマと炭酸塩マグマが均一な混合物を形成しない状態(水と油のように混ざり合わない状態=液相不混和)でプレート下部に存在している可能性を示した。
 さらに、噴火した高温の珪酸塩マグマが、プレートの沈み込みに先行して、冷たい深海の堆積物をかき乱すことも一般的な現象であることが分かった。堆積物はかき乱されることで、沈み込んだ後のプレートで巨大地震が発生する可能性のある領域の拡大を防いでいると考えられるという。
 町田上席研究員は「今までの全データを総括することで、海底資源の土台となる海洋プレートの真相に迫ることができました。今後、プチスポット火山の活動そのものや、新たに判明したプレート構造が資源形成に与える影響を評価していくことが重要です」と話している。

本学広告 優秀賞受賞


迷ったら、美しいほうへ
 新聞広告賞で91年もの歴史を持つ毎日広告デザイン賞(毎日新聞社主催、経済産業省後援)の第89回入賞作品・広告主参加作品の部で、本学のブランド向上を図る広告「迷ったら、美しいほうへ」(15段カラー=CD・山中俊治、AD・岡本健、D・山中港、C・角尾舞、P・西部裕介の各氏が制作=写真)が、優秀賞3作品の1つに選ばれた。
 未来ロボット技術研究センター(fuRo)が開発した次世代の乗り物で、国際デザイン賞コンテスト(イタリアで開催)で世界最高賞を獲得した「CanguRo(カングーロ)」に託し、若者たちの未来への挑戦を待つ内容。毎日、朝日、読売、日経、産経の東京本社版に昨年11月8日付で掲載された。

2023年大学案内が完成


 千葉工大の最新情報を満載した「2023大学案内」が出来上がった=写真。漫画・アニメで活躍する「宇宙兄弟」と本学がコラボして8年目。今回も、夢に向かって挑戦する大切さを伝えたい、とインパクトのある表紙が描かれた。
 次世代へ向けた研究や学生プロジェクトを追うとともに▽学科紹介▽教育内容▽施設▽キャンパスライフ案内▽クラブの紹介――と本学の魅力満載の内容となっている。今年度は、次々と立ち上がる研究センターについて詳細にプロジェクト内容を掲載した別冊「最先端への追及へ」も作成した。いずれも、希望者に無料で配布する。