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2022.5.15

「CIT Brains」世界一


'21/'22ロボカップ・バーチャルサッカー
未ロボ生ら29人
ロボカップ・サッカーのバーチャル画面(左側が本学ロボット)
ロボカップ・サッカーのバーチャル画面(左側が本学ロボット)
 本学の未来ロボティクス学科を主体に有志で組織するヒューマノイドロボット開発チーム「CIT Brains」(29人)が、2021年12月19日から22年4月17日まで約4カ月間、オンラインで開かれた「RoboCup Humanoid League Virtual Season(ロボカップ・ヒューマノイドリーグ・バーチャルシーズン)2021/22」で見事、優勝を果たした。
林原教授ら指導
 サッカーの現実の動きを模擬してコンピューター上で自動的にサッカーを行うバーチャルでの世界大会。特に認識や行動決定に関して、人工知能(AI)を含めてどれだけ優れたソフトウエアを開発するかが勝負の分かれ目となった。CIT Brainsは林原靖男・未来ロボティクス学科教授の指導の下、入江清・未来ロボット技術研究センター(fuRo)主席研究員のアドバイスを得て、サッカーをプレーする人工知能を研究・開発するという困難な課題に取り組み、「世界一」という栄冠を手にした。
 試合は、開発が間に合わなかったり、途中棄権したチームもあり、結果的に世界の7チーム(ドイツ2チームと日本、ブラジル、イラン、オーストラリア、カナダ各1チーム)で、まず総当たり戦。その勝ち点を基にトーナメント戦が行われた。CIT Brainsは総当たり戦を1位で通過、準決勝は6―1でRFC Berlin(ドイツ)を降し、決勝戦はHamburg Bit-Bots(同)と対戦、4―2で勝利した。
 ロボカップは「2050年までにサッカーW杯チャンピオンに勝つ自律型のヒューマノイドロボットを作る」という目標を掲げて1992年に国際委員会が発足。97年に名古屋市で第1回世界大会を開いて以来、毎年世界各国で開かれてきた。
 しかし、コロナ禍の影響で一昨年、昨年と実機のロボットを使っての世界大会が中止となった。その代わり、コンピューターの中で現実を模倣するバーチャルでの開催を国際委員会が模索。昨年6月に続いて、今回も、オンラインでのシミュレーション競技の形態で世界大会が開かれた。
輝かしい実績
 CIT Brainsは2006年のチーム結成以来、林原教授の指導でロボカップに挑戦。14年ブラジル、15年中国大会のサッカー・キッドサイズ部門で優勝。16年、17年、19年は同部門で3位入賞という輝かしい実績がある。バーチャルで行われた昨年は、ロボットのソフトウエアの優秀さを競うヒューマノイドリーグ・ベストロボットモデル賞部門で2位に入賞した。
 今回の優勝にチームリーダーの神戸隼さん(未来ロボティクス学科4年)は「試合が行われるフィールドに大きな変更がありました。今まではシミュレーター内の光源の位置が固定され昼のような環境でしたが、今大会ではまぶしい昼間や薄暗い夕方など、いろんな環境が毎試合ごとにランダムに設定されるようになりました。そのため、どんなフィールドにも対応できるよう人工知能の認識を改良し、大きな変更にも対応できたことが勝因と考えています」。
 林原教授は「昨年6月のロボカップ'21で問題となった41の課題に取り組み、地道に改善していきました」。画像処理の進化が著しかったという。
 今後の目標を、神戸さんは「今年7月、タイのバンコクで開かれる実機での世界大会で優勝することを目標に、ロボットのハードとソフトウェアの両面で開発していきたいです」と語っている。

■CIT Brainsメンバー

戦略開発=桑野雅久(大学院1年)、神戸隼(学部4年)、西尾唯右吾、小川晴生(同3年)、松山裕作、保科瞬、長谷川拓輝、茂郁良(同2年)▽画像処理=佐藤暖、横尾陸(同4年)▽キックモーション(機械学習で動きを最適化)=野口裕貴(同)▽歩行制御(高速な歩行を実現)=井上叡、三渕優太(同)▽ロボットモデルの作成(実験で動力学パラメータを導出)=久保寺真仁、川鍋清志郎(同)▽運営との交渉=森圭汰(同3年)▽開発補助=松本康希(大学院2年)、塩島諒子(同1年)、新井亮大、岩澤尚樹、茂松勇毅、馬頭莉子(学部3年)、長峰拓也、月野賢汰、相場裕斗、関取泉咲、宮脇海斗、藤崎賢蔵、花川主税(同2年)

自律サッカーロボットの実機を前にCIT Brainsチーム
自律サッカーロボットの実機を前にCIT Brainsチーム
CIT Brainsのウェブサイトはこちらから
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