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2022.2.15

航空工学研チームが1位


第17回飛行ロボコン マルチコプター部門
(左から)高木さん、小野さん、小川さん、出口さんと、優勝機「Wespe」
(左から)高木さん、小野さん、小川さん、出口さんと、優勝機「Wespe」
 日本航空宇宙学会が主催し、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが共催する第17回全日本学生室内飛行ロボットコンテスト(昨年12月17〜19日、東京・大田区総合体育館で開催)のマルチコプター部門で、初出場の文化会航空工学研究会・無人機班の4人が1位SkyDrive賞を獲得した。
 4人は小野貴彦さん(リーダー・操縦担当=機械電子創成工学科3年)、小川達也さん(製作責任者=同)と高木大河さん(同学科1年)、出口宇宙さん(先端材料工学科1年)。出場機体は「Wespe(ヴェスペ=ドイツ語でスズメバチ)」。
 飛行3競技のうち、マルチコプター部門には9機が出場。自作ドローンでヘリポートを離陸し、途中、8の字飛行や物資運搬のミッションを選んで完了したのち、ヘリポートに帰還する。
 Wespeは事前に、床上2bにある箱3つの中から“当たり”を探しチキンラーメンミニを投入する「高所物資運搬ミッション」を学内で飛行練習し、予選で無難にこなして通過。決勝でも、ミッション成功5機のうち、他に大差の高得点で優勝した。
 機体は全幅312ミリ、高さ113ミリ、重さ343グラムでプロペラ4つ。部品の大部分は3Dプリンターで安価に作り、12週かけて製作した。計9時間近く飛行して調整し、どのチーム機よりも高速で安定した物資運搬と投下の機能を実現した。
 大会へは昨年5月に始動。コロナ禍中で、機体の実技は、広い体育館を使えず、教室内で練習。8の字飛行も練習したが、予選前日の練習でポールに激突大破してしまい、急ぎ修理。本番では「運搬」ミッションだけに絞った。小野さんは「初出場ながら優勝できたので、非常に満足しています」とコメントした。

ミニドローン・コンペも3位


(左から)渡辺さん、小野さん、小川さん、出口さん
(左から)渡辺さん、小野さん、小川さん、出口さん
 文化会航空工学研究会・無人機班は、米国の計算ソフト会社MathWorksが主催するミニドローン・コンペ(Japan 2021=バーチャル開催、昨年12月11日に結果発表)でも、3位に入賞した。
 メンバーは小川達也さん(機械電子創成工学科3年)をリーダーに、小野貴彦さん(同)、渡辺光哉さん(経営情報科学科2年)、出口宇宙さん(先端材料工学科1年)の4人。
 レースはMathWorks社の基本ソフトを使用し、ミニドローンで地面のラインを追跡して円形マーカーに着陸するプログラムを開発する。最も優れた追跡システムが優勝する。ラウンド1では、プログラムを開発し、上位チームがラウンド2でプレゼンして競った。
 2019年の第1回大会では本学「千葉鶴」チーム=竹田一裕さん(現・機械工学専攻修士2年)と小野貴彦さん、小川達也さんの3人=が優勝を飾っている。
 今回も、チームはオンラインで会議を開き、画面を共有して開発を進めた。1、2年生はソフトの使い方から始め、開発に追いついて、プログラム提出締め切りの数時間前まで調整を繰り返した。
 小川さんは「ラウンド2では、決勝に残った他チームが我々と全く違うアプローチをしていて、よい刺激になりました」と、入賞を喜んでいた。

小学生限定“SNS教育”


ビジネスアイデア 本学チームが受賞
左から(前列)渡辺さん、吉原さん、(後列)大澤さん、古関さん
左から(前列)渡辺さん、吉原さん、(後列)大澤さん、古関さん
 脱炭素社会の実現を掲げて開かれた第5回大学生CSVビジネスアイデアコンテスト(昨年12月11日、オンラインで本選開催、(株)メンバーズ主催)で、本学の2学科混成チーム「サラビット」が、子どものための新しいSNSサービスを提案し「トレンドマイクロ株式会社賞」を受賞した。
 コンテストは良品計画、三井住友カード、トレンドマイクロの3社がCSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)に沿ったテーマを提示し、ビジネスアイデアを募集。応募48チーム中、9チームが本選に進み、プレゼンした。
 サラビットは大澤篤矢さん(デザイン科学科4年)、古関裕介さん(同)、渡辺伶那さん(知能メディア工学科4年)、吉原千智さん(同4年)の4人で構成。トレンドマイクロ(株)が示したテーマ「Society5.0を楽しむためには?」に挑み、小学生限定で学年とともに段階的に広がるSNS「カラまる」を提案した。
 SNS上の誹謗中傷や個人攻撃が社会問題化している。小学生のうちからこれらを避けずに“負の情報”と向き合い、問題点を把握し、扱い方を身につけるシステム。
 「カラまる」では定期的に道徳の質問を届け、ユーザー(小学生)が回答。保護者や教師は内容を閲覧でき、子どものレベルに応じた授業設計や教育を行うことができる。
 サイバーと現実を融合させた新しい社会を目指すSociety5.0とSDGs(持続可能な開発目標)の目標年である2030年に成人する小学生を対象にしたという。
 セキュリティーに守ってもらうだけでなく、自身で学ぶ姿勢が大事、と考えたコンセプトは、コンテストで強く共感され、チームの姿勢も「熱量の高さがとても印象的」と評価された。
 古関さんは「2つの学科生で参加したことで、技術・アイデアの考え方の違いに気づけ、貴重な経験になりました」。
 吉原さんも「自身の成長につながったと感じています。夜遅くまで話し合い、時間をかけて丁寧に作ったものが評価され、とてもうれしいです」と感想を寄せた。

良質な授業10人を表彰


前期グッド・レクチャー賞
 令和3年度前期のグッド・レクチャー賞に教員10人が選ばれ、1月14日、教授会の席で松井孝典学長から表彰された=写真
 学生への授業アンケートで、良質な魅力ある授業を行ったと評価された教員が選ばれる。このあと後期のアンケート結果と合わせ、ベスト・ティーチャー賞が決定する。
 表彰式で松井学長は「学生からの評価という大変名誉ある受賞おめでとうございます。受賞された先生方に心より敬意を表しますとともに、今後も本学における教育力の向上に一層のご尽力を賜りますようお願い申し上げます」と、言葉を添えた。受賞者と講義内容は次の通り(順不同)。
 山崎克巳教授(電気電子工学科)「電磁エネルギー変換工学」▽内海秀幸教授(都市環境工学科)「構造力学2」▽小田僚子教授(都市環境工学科)「水理学1」▽角田仁教授(金融・経営リスク科学科)「サービスサイエンス入門」▽橋口秀子教授(教育センター・工学部)「線形代数基礎」▽横山利章教授(教育センター・工学部)「数学基礎」▽大貫俊彦准教授(教育センター・工学部)「日本語表現法」▽佐藤和教授(教育センター・創造工学部)「スポーツ科学」▽畑誠之介准教授(教育センター・創造工学部)「スポーツ科学」▽木島愛准教授(教育センター・社会システム科学部)「異文化理解」

田村教授に軽金属学会功績賞


 軽金属学会(熊井真次会長=東京工業大教授)は、学会誌への投稿や学会運営に功績があった田村洋介・先端材料工学科教授=写真=に、昨年11月12日付で70周年記念学術功績賞を贈った。
 田村教授の専門は金属材料。新材料や新加工、とくに「軽くて強いマグネシウム合金の開発」を追究している。
 学会は授賞理由を「マグネシウム合金の塑性加工・合金開発、アルミ合金鋳塊の高品質化など、また科研費で『アルミ合金における新規な電磁分離現象の発現条件とその理解』をテーマに新しい材料創製プロセスおよび機械・構造材料の開発に注力し、学会誌への投稿が顕著」と称えた。
 田村教授は現在、学会の関東支部長、研究部会長や編集幹事を努める。「研究部会では産官学連携でアルミ溶湯の高品質化と炉材に係る技術開発に取り組んでおり、最新情報を学生に伝えていきたい」と語っている。

稲坂准教授に関東工教業績賞


 工学教育の発展を図る関東工学教育協会(岡田章会長=日本大建築学科特任教授)は、稲坂晃義・デザイン科学科准教授=写真=に昨年12月14日付で関東工学教育協会賞(業績賞)を贈ることを決めた。5月の協会総会で表彰される。
 デザイン科学科で稲坂准教授が実施しているオンライン型の国際デザインワークショップ(WS=2020、21年度開催)への一連の取り組みが高く評価された。
 稲坂准教授は「コロナ禍で途絶えた学生の国際交流の一途を担えればと思い、デザイン科学科の協力で実施しています。オンライン型WSが業績賞という形で評価され、大変うれしく思います」と感想を語った。
 そして、学科や台湾の大学の教師陣の協力、何よりも参加してくれた学生たちが価値ある成果を残してくれたことが受賞につながったと述べた。