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2021.10.15

後期授業 「対面」中心で始動


コロナ対応1位は本学
 新型コロナウイルスの全国的な感染拡大で発出された緊急事態宣言は、9月30日まででようやく全面解除された。本学では宣言中、後期ガイダンスを経て9月20日から後期授業を開始。後期は感染防止対策を徹底したうえで、可能な限り対面形式を中心とした授業を実施している。一方、進学情報で知られる「大学通信」の調べで、「コロナ対応が上手だったと思われる大学」の全国1位に本学が選ばれた。
 9月18日のガイダンス当日には、全学生に学食無料券(1万円分)を支給し(前期は1年次のみ支給)、食の安心確保を図った。
 後期も対面授業を実施し、コロナ対策として、入構時の検温、手指消毒など基本的な学内対策を徹底。日々の学外生活でも「感染しない、させない」を呼び掛けて、予防に努める。
「大学通信」調べ
 一方、コロナ対応などの調査結果を発表した進学情報誌の大学通信は7月、来年の入試動向を調べる中で全国の進学校2千校にアンケートを実施し、項目別に進路指導教諭が薦める大学を挙げてもらった(回答739校)。その結果、「コロナ対応が上手だったと思われる大学」の項で、本学は1位に選ばれた(上の表参照)。
 その理由を、大学通信の調査責任者が紹介。コロナ禍で国内大学の休講が続いたあと、各校が授業再開を検討するなか、本学は昨年6月から、いち早く一部対面授業を再開。検温、消毒など入構時の予防を教職員が一体となって実施し、授業体制を整えた。
 理系学部では実験・実習が欠かせず、授業の早期再開を目指す大学が多かった。その中で本学がいち早く授業を再開できたのは、学生全員にiPadを持たせていたことが奏功。このためオンライン授業を問題なく実施できた、と紹介した。
 加えて、地方出身学生らがコロナ下で部屋にこもり夜間の買い物にも不自由しがちな環境を大学が考慮し、学生食堂の無料食券を配布。学生食堂は朝・昼・夜の3食を提供した点が評価された。
 さらに、コロナ不況の社会情勢を見越し、本学は令和3年度入学試験で共通テスト利用入試の検定料を無料にした。共通テストの無料措置は、受験生の家計を助けるとともに、自身の居住地域で受験でき、移動に伴う感染リスクを軽減する予防面でも貢献。高校の進路指導教諭らが高く評価していたことを挙げた。
 その後、千葉県内の教育機関で最も早く新型コロナワクチンの学内接種(職域接種)に着手。8月上旬には希望者への接種が完了したことも、首都圏の高校教師らに安心をもって迎えられた。
 このほかの調査項目では、「改革力が高い大学」で本学は10位、「面倒見がよい大学」で21位にランクインした。
コロナ対応が上手だったと思われる大学
学生たちに1万円分の学食無料券が配布された
学生たちに1万円分の学食無料券が配布された

秋季卒業21人に学位記


 令和3年度の秋季学位記授与式が9月16日、津田沼校舎1号館20階で行われた。卒業したのは学部15人、大学院修士課程4人、博士課程2人で、会場には16人が出席した。
20階展望ラウンジで行われた秋季学位記授与式
20階展望ラウンジで行われた秋季学位記授与式
「新たな学びを」松井学長
 学部卒業生代表の情報科学科・都築真さん、博士前期課程及び修士課程修了生代表の生命環境科学専攻アンナ・デナリ・カブ・ゴメスさん(メキシコ)、博士後期課程修了生の工学専攻・斉藤雄太さん、細野海人さんらが、緊張した面持ちで松井学長から学位記を受け取り、所属研究室の先生方が見守るなかで無事式典を終えた。
 松井学長は「卒業とは学びを終えることではなく、学びの新たなスタートといってもいいでしょう。皆さんには、これまで学んだ工学を基盤に幅広い分野を学び、社会の中で『知の流れ』を生み出し、人類の発展に寄与していただきたいと願っています。今後の皆さんのご活躍を大いに期待して、私の式辞といたします。ご卒業おめでとうございます」と、祝福の言葉を贈った。
 メキシコ出身 デナリさんも
 修士修了の1人デナリさんは2018年に実施された「御宿における日本メキシコ学生交流プログラム」の参加者で、御宿町と姉妹都市協定を結ぶテカマチャルコ市の工科大からの留学生。
 御宿町と包括的連携協定を結んでいる本学は、同プログラムの研修に一部協力する形で御宿研修センターと新習志野学生寮の施設を提供。日本の環境・文化について講座を開いたり学生交流を行った。その際、デナリさんは生命科学科・河合剛太教授の研究室を見学、大学院入学を望むきっかけとなった。
 19年の入学直後から研究室で学生同士で交流を活発に行い、「低分子化合物によるRNAの機能制御に関する研究」を学位論文に修了を迎えた。
 指導の河合教授は「当初、日本語の授業に苦労したようですが、無事に単位を修得し修了を迎えることができました。将来は日本とメキシコの架け橋になるような職に就きたいと話していました。ぜひ実現してほしい」と話している。
(左から)松井学長、デナリさん、瀬戸熊理事長
(左から)松井学長、デナリさん、瀬戸熊理事長