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2021.4.15

コロナ対策下 令和3年度入学式


知へ挑戦 2670人
座席に間隔を設け換気しながら開かれた入学式(幕張メッセ・イベントホールで)
座席に間隔を設け換気しながら開かれた入学式(幕張メッセ・イベントホールで)
 令和3年度の千葉工業大学入学式が4月6日、幕張メッセ(千葉市美浜区)イベントホールで行われた。入学志願者が過去最高を大きく更新して全国2位となる約11万人となった超狭き門を突破した学部生と、さらなる専門分野の研究に挑戦する大学院生合わせて2670人が出席。入学前の最後の1年をコロナ禍の中で過ごし、そんな中で受験を乗り越えた新入生たちが、気持ちを新たに充実した大学生活へ一歩を踏み出せるよう、式場では感染対策を万全にして迎え入れた。(4、5面に学長式辞、理事長祝辞、新入生インタビュー)

貢献できる人材に


新入生宣誓
在学生・水野早彩さんの歓迎の言葉 新入生・石田妃南子さんの宣誓
在学生・水野早彩さんの歓迎の言葉 新入生・石田妃南子さんの宣誓
 今年度の新入生は工学部6学科850人、創造工学部3学科415人、先進工学部3学科396人、情報科学部2学科329人、社会システム科学部3学科312人と、大学院368人(修士課程3研究科362人、博士後期課程3研究科6人)。
 入学式は午前10時半に開会。保護者らにはYouTubeライブで式典の様子を配信した。松井孝典学長は式辞で「コロナ禍という困難な状況ですが、難題を乗り越えて、新たな未来をいかにして切り開いていくか。それは皆さんのような、若い世代に託されています」と、そのために必要な学力と創造性を身につけるよう自覚を促した。
 そして、大学生活の中で「積極的に新たな『知の流れ』を生み出す過程に参画し、人類の発展に寄与していただきたい。今後の皆さんの、知へのチャレンジに大いに期待している」と話した。
 瀬戸熊修理事長は祝辞で、本学の入学志願者数が約11万人と全国2位になり、志願者の増加数が全国1位になったとして「苦難に満ちたこの1年間、大変狭き門を潜り抜けて本学へ入学されたことを誇りに思ってほしい」「大きな夢を抱きつつ、ひたむきに研究・学術に勤しんでほしい」とエールを送った。
 在学生を代表して水野早彩さん(機械工学科4年)も1年を振り返り「諦めず丁寧に教えてくださる先生方、課題や研究、就職活動を支援してくださる先輩方、時に励まし合い切磋琢磨しながら多くの時間を共にする仲間、多くの方々に支えてもらい、充実した大学生活を送り、夢に近づくことができました」「本当にやりたいことや叶えたい夢は自分次第で実現できる環境があります。かけがえのないキャンパスライフを送ってほしい」と歓迎の言葉を贈った。
 これに応え、新入生を代表して石田妃南子さん(情報ネットワーク学科、群馬県・桐生女子高出身)が宣誓。「今私たちが行うべきことは、惜しみない努力と多くの知識、技術を習得する意欲や向上心を持ち続け、建学の精神である『世界文化に技術で貢献する』を実現できる人材になることだと思います」と決意を述べた。

舘ひろし氏に卒業証書


松井学長(左)から証書を受け取る舘氏
松井学長(左)から証書を受け取る舘氏
 本学は学位記授与式の3月22日、俳優の舘ひろし氏(71)に卒業証書を授与した。舘氏への授与式は午前11時から津田沼キャンパス1号館20階の展望フロアで瀬戸熊理事長、松井学長らが出席して行われた。
 舘氏は1970(昭和45)年4月、本学工学部建築学科に入学。卒業に必要な単位をほぼ取得しながら、芸能活動が多忙となり、8年間休学の末、中退した。
 今回の卒業証書授与は千葉工大特別卒業認定制度に基づいたもので、同氏が、本学に3年以上在籍した者▽卒業に必要な単位中100単位以上を取得している者▽学長の推薦がある者、社会的貢献に顕著である者――の資格を満たしたと判断。
 また、在学中から芸能活動に取り組み俳優として活躍。近年は映画「終わった人」(18年公開)に主演しモントリオール世界映画祭で最優秀男優賞を受賞。昨年は旭日小綬章を受章するなど、社会で顕著な功績を挙げていることなどを考慮して贈られた。
 松井学長から証書を手渡される際、舘氏は緊張した面持ちで証書を受け取った。瀬戸熊理事長からは卒業記念品が贈呈された。

卒業式にサプライズ出席


 舘氏は14時開始の学位記授与式(卒業式=幕張メッセ)に駆けつけ、同窓生としてお祝いに加わった。瀬戸熊理事長が「本日は卒業生諸君に大変うれしいサプライズがあります」と舘氏を紹介すると、会場にどよめきと拍手が沸き起こった。
 瀬戸熊理事長は、舘氏について、休学中もお母さまが毎年、出身地の名古屋から上京、「不安定な芸能界から、いつ息子が大学に戻るかわかりません。何卒よろしくお願いします」と、10年間も本人に内緒で学費を納め続けた家族の愛情あふれるエピソードなどを紹介。「卒業生諸君は、大俳優の舘ひろしさんと同窓生です。誇りに思ってください」と語りかけた。
 舘氏は学生時代を振り返り「本当は、あまり大学にきてなかったんです」と照れ笑いを浮かべながらも、建築設計の図面提出に徹夜で取り組んだこと、構造力学の授業は欠かさず出席したこと、バイク仲間と学食を訪れたが休校でがっかりした思い出などを懐かしんだ。
 「恩師だった宮澤鉄藏教授は“芸能界なんてやめて学業に取り組みなさい”と心配しておっしゃってました。自分でもそんなに長く続かないと思っていましたが、45年続いています」と笑顔で話し、最後は「未来はみなさんのためにある」と卒業生にエールを送った。
舘氏のお祝いの言葉
 皆さん、卒業おめでとうございます。舘ひろしです。
 このコロナ禍の中で、緊急事態宣言やリモートの授業など、大変な学生生活を送られてきたことと思います。それを乗り越えて今日、皆さんがこの日を迎えられたことを、心よりお祝い申し上げます。この変化の時代を経験した皆さんだからこそ、この現状を、新しい社会を創造するチャンスととらえて未来に向けて、これから頑張っていただきたいと思っております。本日は、ご卒業、本当におめでとうございます。