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2019.11.15

産学懇に最多620社


見え難い未来「千葉工大とスクラム」
 本学が企業と親睦を深め、学生の就職情報を交換し合う令和に入って初の「産学懇談会」が11月1日、ホテルニューオータニ幕張で開かれ、過去最多を記録した昨年を6社上回る620社の人事・採用担当者653人が参加した。貿易摩擦などによる景気の多少の停滞感もささやかれる中で、ブランド力の向上著しい千葉工大生への企業の期待は一層高まっていることを示した。
産学懇談会に集まった企業の担当者 各学科の受付台で
産学懇談会に集まった企業の担当者 各学科の受付台で
 企業からの産学懇談会への事前の参加申し込みは661社に達した。
 こうした企業の期待に応えようと、本学から瀬戸熊修理事長をはじめとし、小宮一仁学長と教職員らが総出で企業の人事・採用担当者らの対応にあたった。
 小宮学長は第1部冒頭のあいさつで、本学は今春の入学試験で9万人を超える志願者を集め、4年連続で全国の大学のベスト10に入ったことを紹介。続いてシンガポールが小学校から英語での教育を徹底し、国民の英語力向上に努めたこと。これを基盤に、大学に外国から優秀な教員・研究者を専任として招いたことが功を奏して、今やシンガポール国立大学は3年連続アジアの大学ランキング1位に輝いているとして、本学の教育改革をこうアピールした。
 「グローバルな人材の早急な育成のために、日本でも“使える英語力”を伸ばす教育への転換が求められています。千葉工大はすでに英語教育の改革に着手しています」
 また、第2部であいさつした瀬戸熊理事長は、まず産学懇談会への参加企業が毎年、最高記録を更新し続けていることに感謝を表した。そして「経済界からは“人手が足りない”という声が聞こえてくるが、一方で新入社員の2割が定着しないとも言われている。皆さんが本来採りたい人材をどうやって見つけるべきかをよく考えていただきたい。大学で学生のことを一番よく知っている教員の研究室と就職課に足を運び、どんな学生が欲しいか、忌憚なく話し合ってください」と呼びかけた。
 続いて、企業を代表して乾杯の音頭を取った(株)スリーボンド人事部の池田和夫部長は「経済界は今、先行きが見え難くなっている状況もあるが、こういう時だからこそわれわれ企業は千葉工大としっかりスクラムを組み、ワンチームで現下の情勢に取り組んでいくことで、必ずや未来が開けていくと確信しています」と、千葉工大への期待を語った。
確かな情報で早めに就活を
講演する石橋文登氏
講演する石橋文登氏
 産学懇談会会場のホテルニューオータニ幕張「鶴の間」の前には、受付開始時刻の午後3時半の30分以上も前から企業の参加者が長い列を作った。このため受付を繰り上げて名刺交換会が始まった。
 企業のこのような千葉工大生への期待の背景の一つに、ここ数年続いている実採用数が採用計画数に満たない「未充足」状態がある。各学科の就職担当教員が待つ受付台や、就職・進路支援部の受付台の前に長い列を作った企業の担当者の表情からは、「何としても千葉工大と緊密な関係を作っておきたい」という熱い思いが感じられた。
 また、企業が求める学生の所属学科(専攻)が多岐にわたり、業種の垣根を越えて広がりつつあるのも、最近の求人傾向だという。
 こうした状況を踏まえて、就職・進路支援部の福江聡部長はこれから就職活動に入る学生に次のようにアドバイスしている。
 「学生の“売り手市場”も変化が見られ、状況を注視しなければならなくなってきました。企業が採用の基準や条件に合わない学生を、目をつぶって採用することはあり得ません。早めに準備を始めてください。一方、就職情報誌などの就活をせかせるような情報には踊らされないように。個々の企業が就活ルールに照らしてどんな動きをしているかなど、就活に関する最良の情報を持っているのは大学です。何かあったら、まず就職課に相談に来てください」
石橋審議役が講演
 「産学懇談会」第1部では、本学審議役の石橋文登氏(産経新聞社元編集局次長兼政治部長)が「激動の東アジア情勢と安倍政権の行方」と題して講演した。
 この講演で石橋氏は「安倍一強」の原動力は衆院選3回、参院選3回を勝利した“強さ”にあるとした上で、自民党は選挙区で2600万票を安定して獲得できるため、野党勢力が分裂している限り、衆院選で敗北することはないと分析。
 安倍首相は①憲法改正②領土問題解決による日露関係の改善③北朝鮮の拉致・非核化・ミサイル問題の解決に執念を燃やしている――とし、その背景には中国の超軍事・科学大国化と、文在寅政権の親北路線が朝鮮半島に“核を持った親中国・反日国家”を誕生させる危険があることを指摘した。
 そして、野党が分裂している現状では、安倍首相がいつ解散に撃って出てもおかしくないと語った。

八街市とも連携協定


 本学は11月7日、県北部の八街市と教育や文化振興について包括的連携協定を締結した。千葉県内で同様の協定を締結した自治体では11例目で、本学が積極的に進める「地域社会との共生」がさらに広がった。
 八街市役所で行われた締結式で、北村新司市長=写真左=は「連携は願ってもない機会。千葉工大のロボットや宇宙研究などの先端技術に触れたり、学生の力を生かしたまちづくりを進めることで、八街の子どもたちが将来、市を支える人材になってくれれば……」と述べた。
 一方、瀬戸熊修理事長=同右=は「地域共生や地方創生は、まず地元千葉県から。本学と八街市が協力し合い、中身のある協定になるように、互いに意見を言い合える関係を築いていきたい」と語った。