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2019.5.15

fuRo最先端ロボを披露


科学技術週間に自民党本部で
 今年度の科学技術週間(4月15日〜21日)に合わせて4月18日に開かれた自由民主党のセレモニーで、本学未来ロボット技術研究センター(fuRo)の最先端ロボット3機がデモンストレーションを行い、国会議員らの高い関心を集めた。
 東京都千代田区の自民党本部で開かれたこのセレモニーは政務調査会と文部科学部会、科学技術・イノベーション戦略調査会が主催。fuRoは災害対応ロボットの「櫻壱號」と、利用シーンに応じ4種類に変形する未来のモビリティー「ILY-A」、バイクに変形する知能ロボット「CanguRo」を持ち込み、大和秀彰副所長ら5人の所員が解説とデモを行った。
 会場には柴山昌彦文部科学大臣、岸田文雄政調会長、赤池誠章文部科学部会長、渡海紀三朗科学技術・イノベーション戦略調査会長のほか、科学技術関連の国会議員や党職員、文科省などの職員も詰めかけ、「千葉工大のロボット」への関心の高さを示していた。
 デモの後に行われた「ILY-A」と「CanguRo」の試乗では、柴山大臣=写真、赤池議員や渡海議員らが我先にとハンドルを握る場面も。参加者からは「CanguRoのデザインが素晴らしい」「完成度の高さに感激した」などの感想が聞かれた。
 デモ終了後も関芳弘経済産業副大臣や自民党の国会議員などが見学に訪れた。担当した職員は「このセレモニーにこんなに大勢が訪れたのは初めて」と驚いていた。

機械学会支部の運営に貢献


田中さん、高野さんに学生奨励賞
 日本機械学会の関東支部は2018年度学生奨励賞3件のうち2件を、本学の田中将太さん(写真左・機械サイエンス専攻修士2年=受賞時、高橋芳弘研究室)と高野裕樹さん(同右・同1年、同研究室)に贈った。関東学生会第58回学生員卒業研究発表講演会(3月18、19日、本学津田沼キャンパス2号館で開催)の場で表彰された。
 2人の受賞理由は▽田中さん=関東支部第25期関東学生会の委員長を務め、幹事校会の運営・学生主導行事などの企画・運営を積極的に遂行し、関東学生会の発展に多大な貢献をした▽高野さん=同学生会の幹事を務め、幹事校会の運営・学生主導行事などの企画・運営を積極的に遂行し、関東学生会の発展に多大な貢献をした――功績によるもの。
 田中さんは、会議で全員が意見を出せるよう心掛け、開催ツアーでは会場の選定や移動手段、宿泊先など全てを学生同士で決めた。「大学生活でこんな経験ができるとは思ってもいませんでした。サポートしていただいた先生方と、一緒に活動した関東学生会メンバーのおかげです。心から感謝します」と述べた。
 高野さんは、他大学の学生たちと初対面同士で初回会議では企画がまとまりにくかったという。そこで幹事として懇親会をセットしたり、次回の議題資料を配るなど円滑化に尽くした。「学生員の交流を図るイベント企画に貢献できるか不安でしたが受賞で自信につながりました。機会を与えてくださった先生方やサポートしてくれた友人に心から感謝します」と述べた。

ロボワン 準優勝と、Futaba賞


総工研の皆川さん、松尾さん
松尾さんとGilla 皆川さんとTyperion ㊨決勝戦の皆川さん
松尾さんとGilla 皆川さんとTyperion ㊨決勝戦の皆川さん
 2足歩行ロボット同士が戦うMISUMI presents第34回ROBO-ONE(ロボワン=2月24日、神戸市のバンドー神戸青少年科学館で・二足歩行ロボット協会主催)で、本学文化会総合工学研究会の皆川泰輝さん(未来ロボティクス学科3年=受賞時)が準優勝した。同じく総工研の松尾拓弥さん(電気電子情報工学科4年=同)は同会場で前日開かれた第18回ROBO-ONE LightでFutaba賞を獲得した。
 ロボット好きが技術を磨く総工研は2004年に現在の名に変更。入部の際、1人1台のライントレーサーを作ることから始めて自分のロボットを作り、各種大会で優勝を目指している。
 ROBO-ONEは、重量3キロ以下の出場機を大会公認製品で組み立て、予選は4.5メートル走、決勝トーナメントは格闘技で相手を3回倒せば勝ち。国内外から377機がエントリーした。
 皆川さんのロボット「Typerion(タイペリオン)」は予選を5位で通過。身長50センチ余の大物も競う中、Typerionは43センチと小柄だったが、決勝トーナメントで低さを生かし相手の膝をつかみ持ち上げる得意技で4回戦(準決勝)まで突破。しかし準決勝戦で膝が故障、決勝戦では右腕が脱落し、大会を特別協賛する(株)ミスミグループ機に敗れた。
 直前までメカやプログラムの修正を繰り返していた皆川さんは「決勝で負けて悔しいですが、自身のロボットが全国に通用し、総工研の名前を示せてよかった。まだまだ改善点はあるので、今後もサークルメンバー、特に優秀な後輩たちに負けないように頑張ります」と語った。
 松尾さんは、重量1キロ以下のROBO-ONE Lightに「Gilla(ギラ)」を携えて出場。エントリー337台中157位に終わったが、動きの良さで、ラジコンなどで有名な双葉電子工業(株)(本社・千葉県茂原市)のFutaba賞を受賞した。
 Gillaは体長36.4センチで、松尾さんが「好きな形のロボットを」と2年時に制作した機体。双葉のサーボモーターをロボットの全身に使用し、しっかりと動かした。各イベントでのロボット操縦体験でも真っ先に遊んでもらえるよう、軽量化と耐久性の両立を工夫したという。
 松尾さんは「学生最後の大会で貴重な賞をいただき、とてもうれしかった。社会人になっても製作活動に励みたいです」と語った。

洗練の街 バス停映える


笠松さんデザイン
 千葉市内を走る路線バスの「バス停デザイン」プロジェクトで、本学デザイン科学科4年(当時=現・デザイン科学専攻修士1年、長尾徹研究室)の笠松かおりさん=写真=の作品が採用された。すでに美浜区幕張ベイタウン内の路線沿い18カ所に設置され、さらに約19基を予定。洗練されたバス停の姿が、街の景観を引き立てている。
 プロジェクトは2016年10月にデザイン科学科(長尾教授)と、平和交通など県内のバス・タクシー3社グループを統括するビィー・トランセホールディングス(株)(本社・美浜区)が共同で計画し、当時の学科生15人が製作を開始。翌春、提出された素案の中から、最も評価の高かった笠松さんのデザインを採用した。
 幕張ベイタウンの街並みは1999年、建築・環境デザイン部門でグッドデザイン賞を受賞しており、笠松さんは、街に調和しながらも機能的なバス停になるよう、長尾教授の指導のもとで約1年間、調整を重ね、完成させた。
 日本観光、来年の東京オリンピックへと、増え続ける外国人のために多言語で対応、バス待ちの時間を楽しめるようルートごとに異なったイラストを施すなど工夫した。
 新バス停はビィー・トランセ社から報道陣に『初!!“大学生がデザインしたバス停”が誕生』として発表された。
 もともとベイタウンの雰囲気が好きだったという笠松さんは、採用されて、もっと素晴らしい街にしたいという思いがあふれたという。
 笠松さんは「バス会社の担当の方とデザインを詰め、(実際に設置されて)自分の作品が人々の生活の一部になっていることに、うれしさと同時に責任を感じました。学部生のうちに人々と関わりの深いデザインを担当できた経験を、今後の研究に生かしたいと思います」と話している。