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2017.12.15

佐藤研3人 経産大臣賞


電気自動車の未来の形を提案
(前列左から)寒河江さん、浦崎さん、高橋さん、立っているのは佐藤教授
(前列左から)寒河江さん、浦崎さん、高橋さん、立っているのは佐藤教授
 東京モーターショー開催中に、電気自動車(EV)の未来を問いかけ開かれた「国際学生EVデザインコンテスト2017」(電気自動車普及協会主催=11月4日、東京都江東区の東京ビッグサイト会議棟で開催)で、本学の浦崎秀司さん(デザイン科学専攻修士1年)、寒河江厚史さん(デザイン科学科4年)、高橋敏樹さん(同)=いずれも佐藤弘喜研究室=のチーム「SAL」が提案した「Gel(ゲル)」が、最優秀賞に次ぐ経済産業大臣賞を獲得した。
 Gelはモンゴルの遊牧民家屋の意味。SALチームは「流動的な社会を遊牧民のように移動し、新たな環境やコミュニティーを求める。遊牧民の精神とEVを融合した新たな社会」を提案した。
 少子高齢化社会では空き家が増加。一方で居室をシェアする若者も増えている。そこで駆動要素を下部にまとめ、上部空間を個人の部屋とし“ゲル”化したEVと、それに接続できるシェアハウスをデザインした。
 個人の趣味に合わせた空間づくりができ、そのまま移動できる。コミュニケーションを増やしたり、コミュニティー形成に一役買い、空き家問題の解決にもつながる。
 夏前に募集し、世界各国の応募の中から23チームが1次審査を通過。9月の2次審査で10チームに絞られ、11月4日、最終審査結果が発表された。チームの3人は長い製作期間中、提案の方向性がずれないよう話し合い、全員が納得いくまでデザインし続けたという。
 浦崎さんは「世界各国の学生が集まったコンテストで賞を頂け、とてもうれしく思います。半年間続いたコンテストでしたが、よい経験ができたと感じています」と述べた。
ゲル化したEV車
ゲル化したEV車

ロボ相撲、全国大会出場も…


伊藤さん池田さんのマシン 初戦で敗退
伊藤さんと出場マシン「YAGI7」
伊藤さんと出場マシン「YAGI7」
 第29回全日本ロボット相撲の関東大会は10月15日、神奈川県厚木市の東京工芸大厚木キャンパスで開かれ、全日本の部・自立型で本学から出場した伊藤崇浩さん(機械サイエンス学科3年)・補助役の池田瑛さん(未来ロボティクス学科2年)のマシン(シコ名「YAGI7」)が5位に入賞し、全国大会への出場権を獲得した。しかし12月17日、東京・両国の国技館で開かれた全国大会&世界大会では初戦で敗退し、36位に終わった。
 伊藤さんらは未来ロボット技術研究センター(fuRo)で研究を手伝う学生チームreRoのメンバー。
 ロボット相撲は、直径1.54メートルの鉄板の土俵上で、相手を土俵外に押し出せば勝ちとなる競技。▽プログラミングされた戦術で動き、センサーデータを基にロボット自身が判断し戦う自立型▽操作を競うラジコン型――の2部門がある。ロボットサイズは幅・奥行き20センチ以内、重さ3キロ以内と決まっているが、高さは自由。
 伊藤さんは、マシンの仕様の決定に苦労したという。勝負は、どの程度の速度や推力を出せばいいのか、どの部分で相手の力を受け止めるか、で決まる。reRo内で、仲間とともに実験と理論検討を繰り返し、設計した。
 伊藤さんは「大学でロボットの設計や加工を一から学び、部品1つ1つ丁寧に製作したマシンで結果を残せて、大変うれしく思います」と語った。
 全日本ロボット相撲大会は、富士ソフト(株)が主催し文部科学省、全国工業高等学校長協会、日本ロボット工業会、ロボット学会などが後援して平成元(1989)年から開催している。
 国技館での全国大会&世界大会は、米テレビ局CNNがドキュメンタリー「Great Big Story」(3〜4分間)の1話として伊藤さん・池田さんに焦点を当てて取材。切磋琢磨する若者の姿を本国で放送するほか、インターネットでも配信予定という。

阿尻さん優秀ポスター発表賞


OCC線材の特性を研究 軽金属学会で
 軽金属学会第133回秋期大会(11月4、5日、宇都宮市の宇都宮大 陽東キャンパスで開催)のポスターセッションで、阿尻優也さん(機械サイエンス専攻修士1年、本保元次郎研究室=写真)が「アルミニウムOCC線材の凝固組織に及ぼすTi添加量と鋳型温度の影響」を発表し、優秀ポスター発表賞を受賞した。
 加熱鋳型による連続鋳造法「OCCプロセス」(世界的金属工学者・大野篤美本学名誉教授=今年4月逝去=が開発)で得られる金属材料は、内部にムラなく表面も滑らかで耐久耐食、加工性に優れる。
 その業績の発展を図る本保教授の研究室で、阿尻さんらは、Ti添加アルミニウムについて、なぜTiを添加すると純アルミニウムの微細化機構が増して優れた特性を発揮するのか、解明を目指した。
 Ti添加量と、鋳型温度をそれぞれ変えながらOCC線材を鋳造、円断面のCT画像で等軸晶の増加具合や結晶方位の変化などを調べた。その結果、添加の影響で鋳壁からの結晶遊離と包晶反応が生じ、等軸晶が生成していると考えられる、などを明らかにした。
 阿尻さんは、過去のポスターセッションでうまくいかなかった経験があり、その反省をポスター作成に生かした。また、早口の癖を直し、分かりやすく相手に伝えることを第一としたという。
 「人前での発表は苦手でしたが、今回で自信がつきました。受賞は本保先生と先輩、共同実験した方々のお陰で、感謝を申し上げたいと思います」と語った。

来場70万人を達成


スカイツリータウンキャンパス
 東京スカイツリータウンキャンパス(東京都墨田区押上・東京スカイツリータウン8階)が開設から約5年半の11月27日、来場者数70万人を達成した。
 70万人目は、親子3人で来た新潟市の近藤大翔君=写真。来年、小学1年生になる大翔君は、新潟でロボット教室に参加するほどのロボット好き。父親が東京に出張中にロボットを見せてやりたいと考え、ウェブで検索、千葉工大のタウンキャンパスを見つけたという。
 大翔君は小宮一仁学長=同右=から記念品を手渡され、係員に導かれて、アトラクションを体感。エリアIでは特に災害対応ロボットが気に入り、係員の操縦で階段を上下する様子をジッと見つめていた。また、世界最大級2足歩行ロボット「core」を間近にすると「ロボット、かっこいいなぁ」とエリアⅠを隅々まで楽しんだ。エリアⅡでもマクロスシリーズの変形ロボット「バルキリー」に「乗ってみたい」と目を輝かせていた。

日墨学長会議に出席


小宮学長 産学官連携話し合う
 メキシコと大学間交流を進める第3回日墨学長会議は11月30日と12月1日、広島市のリーガロイヤルホテル広島で開かれ、小宮一仁学長が出席した。
 今回メキシコ側は28大学と政府機関が参加。日本側は大学の国際化を支援する文部科学省「スーパーグローバル大学」選定校を中心とする予定だった。しかし本学が日本人とメキシコ人の最初の交流の地である御宿町とともに、留学生の受け入れなどメキシコとの友好を積極的に進めていることから、在日メキシコ大使館の強い働きかけで小宮学長の出席が決定。25大学と政府機関の出席となった。
 会議では、両国の大学を核に、未来志向の産学官連携や研究・学生交流が話し合われ、「両国間の産学官連携を量的に拡大していくために今後も学長会議を継続していく」などの共同声明が拍手で採択された。
 同会議は平成23年、日本の学士会館で開かれてから3年おきに交互の国で開催。第4回はメキシコで開かれる。
会議のレセプションで鏡開きする(左から)サラ・ラドロン・デ・ゲヴァーラ・ベラクルス大学長、小宮学長、越智光夫広島大学長、ガルシア‐ロペス・メキシコ国際開発協力大臣、カルロス・アルマダ駐日メキシコ大使
会議のレセプションで鏡開きする(左から)サラ・ラドロン・デ・ゲヴァーラ・ベラクルス大学長、小宮学長、越智光夫広島大学長、ガルシア‐ロペス・メキシコ国際開発協力大臣、カルロス・アルマダ駐日メキシコ大使