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2017.10.15

下川さん優秀賞


保育園設計コンペで「折り紙」屋根を提案
受賞した下川さん。
受賞した下川さん。
 建築系学生に、木造で設計する保育園(2階建て)を募集した第1回未来こども園デザインコンペ(6月17日、名古屋駅前・VIA141ビルで授賞式)で、本学の下川翔平さん(建築都市環境学専攻修士2年)の「『折り紙』屋根の保育園」が優秀賞を受賞した。
 コンペは、保育園の増設が望まれる中、医療や保育の施設を手掛ける(株)ユーエス研究計画所(本社・名古屋市)が主催。建築コストの高騰と木造の耐震・耐火技術向上などから、あえて木造園舎を募集した。
 1月末からの募集に、全国から130余点の応募があり、審査の結果、最優秀賞は今回、該当なし。下川さんと、名古屋市立大生(4人チーム)の作品の2点が優秀賞に選ばれ、ほか1点が佳作に決まった。
 下川さんの設計は、子どもたちの成長や住む土地に応じて、さまざまな形に折りたたんだり、伸ばして設計を変え得る「折り紙屋根」が特長。明るく広い空間を木々の温かみが包むよう配慮されている。
 土地の高低差をうまく利用し、採光や、空間構成がしっかり考えてある点などが評価された。
 下川さんは2年間、都市や集落の建物の、屋根の大きさや形状を研究してきたといい、「さまざまな地域の学生や、一時期一緒に設計事務所で学んだ他大学の友人に会え、プレゼンを聞くことができてとても良い刺激になりました。論文でも日本の都市と住宅の変化をたどっていきたい」と語った。
設計した「折り紙」屋根のこども園 設計した「折り紙」屋根のこども園
設計した「折り紙」屋根のこども園

青木さん 小林さん 優秀発表者賞


電気学会東京支部の学生研究発表会で
小林さん(左)と青木さん
小林さん(左)と青木さん
 電気学会東京支部が学生たちに、学会本格デビューへ発表の機会を提供する「第8回学生研究発表会」(9月4日、東京都目黒区の東京工業大で開催)で、「高周波用Ba(Fe,Co,Ni,Ti)12O19六方晶フェライトの開発」を発表した青木佳斗さんと小林航希さん(ともに電気電子情報工学科4年・安川雪子研究室=発表者は青木さん)が優秀発表者に選ばれた。
 「堂々と明瞭な発声で、パワーポイント(発表スライド)の画面構成が分かりやすく、研究への熱意が感じられた」のが授賞理由。
 安川准教授の研究室ではエネルギー問題や環境問題に工学的に貢献するため、磁性薄膜や金属ナノ粒子などを使って、磁気センサや電磁ノイズ抑制材などの電子材料を開発している。
 電子機器の軽薄短小化や、高周波信号で電子機器を動作させる需要が高まり、電子機器内部で起こる不要な電磁波の干渉を抑制する材料開発の研究が受賞につながった。
 青木さん・小林さんは固相反応法(粉末状の原材料を多段階で加熱して多結晶体に成長させる方法)を利用して高品質な六方晶フェライトを合成し、評価した。研究でFeをCoやTi、Niに置換し、ギガ(10の9乗)ヘルツの高周波信号を吸収するのに適した電磁ノイズ抑制材を創り出したいという。
 実験結果が示唆する物理現象の解釈と平易な説明に悩んだ末、視覚的にどう全体を構成し見やすいグラフ・分かりやすいスライドを作るかに方針を変えたという。入念に練った内容が評価され、発表者同士による投票で受賞が決まった。
 発表した青木さんは「準備を重ね何度も発表練習をして挑んだため、受賞はうれしい。本番では肝心な所で言葉が詰まってしまった時、小林君が真剣に見守ってくれていたおかげで、背筋を伸ばして発表することができました」。
 今回の研究は2人の共同研究の成果で、発表をサポートした小林さんは「青木君の努力の結果。何回も練習し、本番はほぼ時間ぴったり(の発表)で驚きました。一緒に作り上げたといっても、彼がいなければ賞をいただけなかったと思います」と語った。

工藤さん優秀発表賞


韓日シンポで 畳の吸放湿性能を英語発表
 第13回韓国日本建築材料施工ジョイントシンポジウム(The 13th Korea・Japan Joint Symposium on Building Materials&Construction=8月16〜18日、韓国大田広域市のハンバッ国立大で開催)で、工藤健さん(建築都市環境学専攻修士2年、石原沙織研究室=写真)が「畳の吸放湿性能が湿度環境に及ぼす影響」を英語で発表し、優秀発表賞を受賞した。
 フローリングの普及で畳が減少傾向にある中、高温多湿の日本の風土で畳の吸放湿性能に着目。室内を模した約1畳の空間で湿度の実測と小試験体での吸放湿試験を繰り返し、材料レベルで水蒸気吸着試験を行うなどして、畳とその他の床材の湿度低減効果・吸放湿性能を定量的に明らかにした。英語による発表で、発音や強弱を聞き取りやすいよう練習を繰り返したという。
 工藤さんは「石原先生や、水蒸気吸着試験でお世話になった教育センター・尾身洋典先生、共に研究した仲間たちのおかげで受賞できました。皆様に感謝しています。受賞に満足せず、今後も日々努力していきたいと思います」と述べた。
 建材・施工について交流するジョイントシンポは、日韓で交互に開催。日本側の組織委員長は湯浅昇・日本大教授が務めている。

本学4教授が受賞


電気学会産業応用部門に貢献
佐藤教授 関 教授 山崎教授 西田教授
佐藤教授 関 教授 山崎教授 西田教授
 電気学会の平成29年度産業応用部門表彰の受賞者に、本学の教授4人が選ばれた。電気電子工学科の西田保幸教授と山崎克巳教授、機械電子創成工学科の関弘和教授と佐藤宣夫教授で、8月29〜31日、北海道・函館市民会館で開かれた学会産業応用部門大会で表彰された。
 4教授の受賞理由は次の通り。
■西田保幸教授=産業応用特別賞
電気学会は、電気に関する学術の発展、国際化への貢献や、技術を担う人材の育成、社会への情報発信などを重点に活動。西田教授は日本が優位を占めてきた基盤技術の産業応用部門で長年、査読や技術講習会、フォーラム、国際会議などの運営に携わり、学会に貢献してきた。
■山崎克巳教授=部門活動功労賞
昨年11月、千葉県・幕張で開かれた第19回電気機械・システムに関する国際会議(ICEMS2016)で実行委員長を務め48ものセッションを調整、成功させた。
■関弘和教授=部門活動功労賞
■佐藤宣夫教授=同
 関教授と佐藤教授は、同国際会議実行委員会の幹事として、日中韓、タイ、ドイツ、台湾などの研究者の発表・討議の調整や会議の運営にあたった。